東亰異聞



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初公開日(参考)1994年03月
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長編小説

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東亰異聞 (新潮文庫)

1999年03月31日 東亰異聞 (新潮文庫)

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる…。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

東亰異聞の総合評価:8.31/10点レビュー 42件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

後の百鬼夜行シリーズに繋がる作品か

物語は当初黒子が語る東亰に巣食う魑魅魍魎たちの起こす怪奇な事件をあまねく語り上げ、やがてそれらの怪事件を新聞記者の平河新太郎が香具師の万造と共に解き明かす構成を取っている。従って最初に見られた歌舞伎調の語りは次第になりを潜め、普通の文体へと変りゆく。
この歌舞伎調の語りが読み始めは小気味よく、江戸怪談の趣きに溢れており、かなりの力作だなぁと感嘆していたが、読み進むうちに通常の文体に移行するにつれてどうもしっくり来なく感じた。

というのもこの作者があえて明治時代の「東京」を語るのではなく、現在の歴史とは違ったパラレルワールドである「東亰」を設定したのには、これら魑魅魍魎の跋扈する異世界を描きたかったのが狙いだったと思ったからだが、にもかかわらず、出てくる人物名に板垣退助だの井伊直弼だの中江兆民だの歴史上の人物が、此の世界において成した同じ事件の数々の当事者として出てくるからだ。
おまけにそれら怪異の事象は全て人間のなせる業であるという、云わば怪奇小説に見せかけた推理小説だという物語の流れに半ば裏切りにも似た感情を抱いてしまった。

しかし、そこはこの作者。やっぱり解っていた。
ここに来てようやく作者の狙いが判明する。

明治維新後、文明開化の名の下、西洋化が蔓延り、街には瓦斯灯が点りだす日本にかろうじて残っている闇。しかし文明化の足音はこれら闇を排除し、神仏やまじないなどといった実体のない物までも排除する風潮が流れる。こういう伝承こそこと大事なのだと、そしてまだ魑魅魍魎がいても可笑しくない闇の残る明治時代の「東亰」をあえて舞台にした作者の世界観はやがて同年に発表された『姑獲鳥の夏』の京極夏彦に引き継がれることで一つのジャンルとして結実する。
作品自体はやはりまだ完成されていない原石のような肌触りが残るものの、その後、京極夏彦が起こした妖怪小説の大きな流れを思うと、後世に残した功績は大きい。エポックメイキングな作品として残るべき作品だろう。


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No.41:
(2pt)

こういうのアリだろうか

この著者の作品は初めて。文章が達者で舞台装置も巧みなのでどんどん読み進めるのだが、大団円でちゃぶ台返しされてのけぞった。それまで編み上げてきた地平をひっくり返されて、登場人物への思い入れを払い除けられた感じ。どんでん返しのカタルシスがないのが何より残念。
東亰異聞 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東亰異聞 (新潮文庫)より
4101240221
No.40:
(5pt)

もう一つの文明開化

闇のなかを妖かし者が徘徊する東亰。
怪人による無差別殺人と思われた事件の被害者のなかに鷹司公爵家の関係者が含まれており・・
ガス灯の朧げな明かりでは照らしきれない闇の世界観が魅力的な作品。
ミステリとしての結構も確保しつつ、
開化の世の思わぬ弊害が明かされる結末も嵌っている。
この作品が受賞を逃した1993年度のファンタジーノベル大賞の受賞作、候補作の顔ぶれも凄いの一言。
東亰異聞 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東亰異聞 (新潮文庫)より
4101240221
No.39:
(5pt)

心を持った人形。まるで生きているかのよう。

お話の冒頭から1/4くらいまではその美しい文章と妖しげな世界観に大きく期待させられた。菊枝と新太郎のピリピリとした初対面のシーンもよかった。会話のシーンは途中までは抜群にいい。
おかしくなりだしたのは、謎解きに比重が大きく傾きだしてから。結局、自分はいわゆる『ミステリ(=謎解き)小説』にほとんど興味がないのだ。時刻やトリックを細かく摺り合わせたりするのは退屈この上ない。ちょっとムチャだろ・・・と思った箇所もたくさんあるし。

p.134「河童だの人魚だの、見世物があっても本物だったことはござんせん。それでも人が集まるのは、嘘でもいっこうに構やしない、むしろ嘘を観るために集まっていたからじゃァありますまいか」皮肉にもこのの万造の台詞に逆行して物語は進んでいく。綺麗な女性に誘われて路地裏に歩みいれると切り裂かれて命を落とす。「本は売れませんな」という謎の読売り。なんとも耽美で幻想的。
自分はそこに答えを望んでないんだな。手品の種明かしを見たいですか?謎は謎だからおもしろいのでしょう?
妖しげな世界で遊んでいてほしかった。

なら、なぜ高評価を付けているのかといえば、それは幕間に挟まれる女性のお人形とその人形遣いのやり取りが艶かしくて最高だからだ。
『蛇身に変じて灼き殺してみしょうか』p.56 
『わしゃァ、それが幸せだもの。この身には縁のないことなれば、たとえ芝居のうえだとて、嬉しゅうて声も弾もうほどに』p.170
もうたまらんね、このあたりの文章。
だから、言ってるんだ、種明かしなんて不要だと。

中盤以降の筋立てはもひとつ得心しないところもあったし、各登場人物の性格が首尾一貫していないんじゃないか?と思ったとこも少なからずあった。けど、そんなのどうでもよし。
可愛らしく色っぽいお人形に魅惑された。すばらしい。
東亰異聞 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東亰異聞 (新潮文庫)より
4101240221
No.38:
(5pt)

面白かった。

お品の状態も良く、満足。お話は、思ったよりオカルトではなかったけど、面白かった。
東亰異聞 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東亰異聞 (新潮文庫)より
4101240221
No.37:
(5pt)

魑魅魍魎跳梁跋扈

東京(とうきょう)かと思って読んでいたら、東亰(とうけい)だったという不気味さ。これは推理小説?と思わせて、最後にやっぱり小野不由美ワールドだったという怖さ。
東亰異聞 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東亰異聞 (新潮文庫)より
4101240221



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