NOS4A2-ノスフェラトゥ-



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    初公開日(参考)2014年05月
    分類

    長編小説

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    NOS4A2-ノスフェラトゥ- 上 (小学館文庫)

    2014年05月08日 NOS4A2-ノスフェラトゥ- 上 (小学館文庫)

    全米メディア絶賛、ジョー・ヒル待望の新作 ヴィクトリア・マックイーンは8歳のときから、父にもらった自転車ですでに無くなっているはずの〈近道橋〉をわたり、失せ物を見つけられるようになった。17歳のある日、母と喧嘩をして家を飛び出したヴィクはその自転車で〈橇の家(スレイ・ハウス)〉に辿り着く。そこにいたのは、〈NОS4A2(ノスフェラトゥ)〉のナンバープレートを付けたロールスロイス・レイスに乗る老人――吸血鬼(ノスフェラトゥ)ならぬ連続児童誘拐犯の、チャールズ・タレント・マンクスだった。 ブラム・ストーカー賞2013年度最優秀長編賞候補にノミネートされた、ベストセラー作家ジョー・ヒルのダークホラーが日本上陸。(「BOOK」データベースより)




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    NOS4A2-ノスフェラトゥ-の総合評価:8.11/10点レビュー 9件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)
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    児童虐待が多い今こそ読まれたい親の愛の深さを知る1冊

    常に我々の想像を超える世界を見せてくれるジョー・ヒルが今回描いた世界は特殊能力者たちの世界。
    主人公ヴィクは自転車に乗って近道橋を渡り、失った物を取り戻す能力を持つ。
    彼女の宿敵となるのは「NOS4A2」、ノスフェラトゥ、つまり吸血鬼の名をナンバープレートに冠するロールスロイス・レイスを駆り、子供たちを自分の世界<クリスマスランド>へさらう連続誘拐魔チャールズ・タレント・マンクスⅢ世。

    そしてヴィクの良き理解者で相棒として力を貸すのはシンディ・ローパーを想起させるエキセントリックな風貌の図書館司書マーガレット・リー。彼女はスクラブルの文字で未来を予知する能力を持つ。

    しかし本書は単純な対決の物語に作者はしなかった。ヴィクとチャールズ・マンクスとの戦いはなんと数十年にも及ぶのだ。
    1986年に能力が発現したヴィクが初めてチャールズと対峙したのは1990年。そこから現代に至る約四半世紀もの間、2人の戦いは続く。そしてその戦いはヴィクの息子ブルース・ウェインをも巻き込み、ヴィクは母親としてチャールズ・マンクスと対峙するのだ。

    いつもそうだが、ジョー・ヒルの描く物語の主人公は決して聖人君子のような素晴らしい人間でもなく、また愛すべき人柄を備えた人物ではない。

    例えば本作の主人公ヴィクは暴力を振るう父親とヒステリックに自分の正当性を主張する、精神障害を抱えた母親の下に生まれ、二人の諍いを聞くのがこの上なく嫌いな女の子として登場するが、その後成長するに当たり、酒に溺れた精神障害を持つ母親となって、内縁の夫と別れてしまう。ただヴィクの狂気は高校生の時に出遭った殺人鬼チャールズ・マンクスから逃れられぬ悪夢によるものであり、必ずしもヴィク自身に責めがあるわけではない。

    翻ってヴィクの内縁の夫ルーはお人好しなのだが、その性格が災いしてい事業には失敗し、人に騙されて借金を背負わされ、返済に四苦八苦している、何とも頼りない男だ。
    しかし彼の包容力こそヴィクには必要で、ルーはヴィクにとって良い夫なのだ。

    そんな2人の間に生まれたブルース・ウェイン・カーモディはそんなダメな両親を愛したい、喜ばせたいと思っている、なんとも健気な男の子だ。
    つまり読者の求む主人公像に近いのはこのブルースだと云える。

    ただそんな破綻した家族でありながら、それぞれが危難に陥れば協力し合う。つまり家族愛は不変なのだということをヒルはこの物語で示してくれる。
    絶体絶命のピンチに陥った時に耳元で囁かれるのはどこか遠くにいる父親のアドバイスであり、また孫が絶望的な不安に陥れば、祖母は死の世界からでも舞い戻って傍に座って元気づけてくれる。

    それは勿論ヴィクもそうだ。
    息子も含め、他者から見れば全身にタトゥーを施した未婚の母で、誰も聞くことのできない電話の呼び出し音に怯え、常軌を逸脱した行動で家を全焼させ、精神病院に入れられた、どうしようもない母親なのだが、息子と内縁の夫をこの上なく愛し、特殊な能力を持つ自分と関わらさせないようにした上の結果であり、息子がマンクスにさらわれればどんな目に遭おうが諦めずに敵に立ち向かう。それは一途なまでの家族に対する愛ゆえに。

    どんなに破綻しているように見えながらも、それぞれの家族も子供を愛する気持ちは強く持っていることをこの物語は強く訴える。

    子供を平気で虐待し、または自分の好きなことをするために育児放棄する親の許にいるよりは、毎日がクリスマスである、自分の夢想が創り上げた<クリスマスランド>にいて、楽しく過ごす方が子供たちにとってはいいではないかと子供たちをさらうチャールズ・マンクスは腐った現代社会において闇の救世主のように映る。
    しかしダメな親であっても子を愛する気持ちはかけがえのない物だと必死にマンクスの魔手から我が子ブルースを救おうと奮闘するヴィクとルーの姿は喪われつつある親子の絆の深さの象徴だ。他者から見れば不幸としか映らない家庭環境が実は当人たちにとってはそれもまた幸せの1つの形なのであることを投げかける。だからこそヴィクとルーはわが子を救うためならば不法侵入に逃亡、爆弾製作といった犯罪行為を厭わないのだ。

    瀕死の重傷を負いつつも、鋼鉄の馬トライアンフを駈るヴィクの姿は物語の前半に出てくる昔のアメリカドラマ、「ナイトライダー」の主人公マイケル・ナイトのようなヒーローのようだ。まさに女だてらの「Knight Rider」ではないか!手負いの母親ほど手強いものはない。母の愛こそ最強の武器なのだ。

    さて毎回ユニークなアイデアを物語に持ち込んでくるジョー・ヒルだが、本書の最たる特徴はハイテクとファンタジーホラーの見事な融合にある。
    チャールズ・マンクスによってロールスロイス・レイスでさらわれた息子ウェインを探るのにiPhoneの探索機能を使って地図上でウェインの居場所を探るシーンが出てくるが、そこに出てくる地図はアメリカでありながらアメリカではない地。「アメリカ内界国」という名の奇妙な場所が現れ、ウェインの居場所が示される。現代技術の最先端が異界を見せるというこの怖さ。このアイデアは実に素晴らしい。

    さて今までとにかく戯言のように主人公のとめどない思考を全て文字にしたかの如き回りくどい文章だったのが、本書では実にシンプルに整理されて読みやすくなっているのが特徴的だった。とはいえ、ヒル特有のユーモア、特に音楽に関するサブカル要素も盛り込まれているのだから、文章がさらに洗練されたと考えるべきだろう。

    しかしそれでも上下巻合わせて1,120ページもの分量が必要だったのかは甚だ疑問だ。300ページくらいは余裕で削れるのではないだろうか。
    抜群の奇想とそれを物にする技量はあるものの、長編小説となると妙に饒舌になるヒルは率直に云って短編向きのような気がする。作品を重ねるにつれ、長大化が進むヒルだが、向こうのエージェントならびに出版社はヒルにもっと文章を削ぎ落とすようアドバイスすべきではないだろうか?

    この長さがなければ手放しで傑作と太鼓判を押そう。それほどまでに爽快な読後感を抱かせてくれる物語なのだから。


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    No.8:
    (3pt)

    ちょっと期待外れかな(^ω^)

    非常に面白く読ませていただきました。
    確かに前半は子供を拉致してゆく殺人犯の恐怖、ヒロインの描写、家族の痛手、孤独な男の誘惑、それらが短編のように描かれ、後半は?
    ちょっと長かった。会話場面が長すぎ恐怖感を損ね、またクリスマスランド、子供たちの描写が活写されている、しかしどうしてノスフェラトゥなの?
    説明なってない。凄いタイトルで期待させラストは?
    主人公ビィクはその後どうなったの?
    ちょっと未消化。
    面白いテーマ狙ってるのに惜しい。
    前作の “二十世紀の幽霊たちは良かったけど。次回作に期待します。
    NOS4A2-ノスフェラトゥ- 下 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:NOS4A2-ノスフェラトゥ- 下 (小学館文庫)より
    4094088105
    No.7:
    (4pt)

    キングを彷彿とさせる

    少年・少女(あるいは成長した少年・少女)が邪悪な超自然的存在と戦うホラー、という形式。スティーヴン・キングを思い出しました。
    でもキングに比べると読ませる力が弱いかな。読んでてダレてくる。
    登場人物に対する強い愛情や恐怖心が生まれないので、いまいち引きつけられない。
    最後まで読みたいと思える小説だったけど、「早く終わらないかな、まだこれだけ残りがあるのか…」と思ってしまう小説でした。
    NOS4A2-ノスフェラトゥ- 上 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:NOS4A2-ノスフェラトゥ- 上 (小学館文庫)より
    4094088091
    No.6:
    (5pt)

    読みだしたら止まらなくなる

    さすがに血筋は争えない。家族構成がまたストーリーテリングのサラブレットを生んだとでも言えばいいのか。上下巻をゆっくり楽しみましょう。夢中になること必至!
    NOS4A2-ノスフェラトゥ- 上 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:NOS4A2-ノスフェラトゥ- 上 (小学館文庫)より
    4094088091
    No.5:
    (5pt)

    2巻以上のものにレビューは必要か?

    上巻のレビューに書いたとおり。ついでに言えば「ホーンズ」が映画になっていたので鑑賞。原作の持ち味がたっぷりの、良くできた映画だった。本作も映画化してほしいものだ。
    NOS4A2-ノスフェラトゥ- 下 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:NOS4A2-ノスフェラトゥ- 下 (小学館文庫)より
    4094088105
    No.4:
    (2pt)

    いまひとつ

    うーん… おもしろいとは思えない なんだか~。 こんな話はさんざん読んだような。
    NOS4A2-ノスフェラトゥ- 下 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:NOS4A2-ノスフェラトゥ- 下 (小学館文庫)より
    4094088105



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