ハートシェイプト・ボックス
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
絶賛を持って迎えられた短編集『20世紀の幽霊たち』の作者ジョー・ヒルの初の長編は幽霊の復讐譚を扱ったホラーだ。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「義父の幽霊を買ってくれる人を探しています」というネットオークションの書き込みを見て買ってしまったことで、ミュージシャンの男性が巻き込まれる奇妙な出来事。やがてその背景にあるものが明らかになっていく…という物語。 出だしは、語り口がなんだかぎこちない。でも、徐々に物語が動きはじめ、引き込む力を増していく。荒削りな料理でも、美味しければ、食べきると、良い満足感が残るが、それに近い読後感。ホラーといわれればホラーだが、旅の物語でもあり、サスペンスの要素も十分にある。 残念なのはこの本が、今や書店では見当たらず、中古をネットで入手するしかないことだ。一つ種明かしをすれば、作者の父親はスティーブン・キング。キングの作品をあれこれ読むうちにこの本の存在を知り、気になって入手して読んだ。特にキングのファンなら、読む価値は充分にあると思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恐ろしい才能があったものだ。 もちろん、父親がスティーヴン・キングであるというのは彼の評価を色眼鏡で見てしまう読者を増やすことになる。 ニルヴァーナのサードアルバム『IN UTERO』のM3をタイトルに、かつてのロックスターが恐怖に見舞われる。迷い込んでしまった恐怖世界から彼は抜け出すことができるのか。 いちいち90年代ロックの小ネタが挟まれていくところがニクイ。オルナタ/グランジ。ノイズロック。ホラーはホラーだが、熱くロックしまくっているホラー小説など滅多にない(映画では『ファントム・オブ・パラダイス』があった)。 恐怖との対峙の中で主人公が次第に人間らしさを取り戻していく、というドラマも魅力的である。こういった展開は父親からの影響も見て取れる。『ミザリー』や『ペット・セメタリー』を執筆していた頃のキングに似ている。荒削りだが勢いがあり、有無を言わさぬ説得力で読者を引き込んでいた、あの頃に。 日常にそっと差し込まれる恐怖描写と、爆発するように発生する怪異。静と動の対比が見事だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
荒削りなキング。 若いころのキングの作品を彷彿とさせますね。 今後の作品が楽しみです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カヴァーが変わって、超コワい(魅力的でもある)絵がカヴァーになりました。 で、二冊目を買いました。 って、個人的な話は置いといて、本題です。 モダン・ホラーって怖くない印象があるじゃないですか。 そんなノリで本書を読んだんですよ。 しかし、主人公が手を切るあたりから怖くなってきて…… 今まで読んだ本の中で突出して優れた文章力をもっており、恐怖や戦慄を詩的に表していて、最高の小説でした。 エンディングも素晴らしい! 短編集も有名になったことですし、第二長篇をじっくり待ちましょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2010年に映画化が決定しているアメリカ・モダンホラー界の新鋭ヒルの長編第一作です。彼の父はホラーの巨匠スティーヴン・キングなのですが、その事実は隠されていて、現在の成功は親の七光りではなく純粋に実力の結果だという事です。本書は著者が幼少の頃から愛好しているロック・ミュージックに触発されて書かれた物語です。主人公ジュード・コインはロック界の往年の大スターという設定で、彼の2頭の飼い犬アンガスとボンは、ロックバンドAC/DCのメンバーの名前から取られています。そして本書の題名ハートシェイプト・ボックスは、ロックバンド・ニルヴァーナの書いた曲名で、暗く陰鬱な死を歌った楽曲とあって著者の選択は的を射ているといえましょう。物語は非常に現代的で、インターネット・オークションで落札した‘幽霊に憑かれたスーツ’が災厄を運んできます。怪しい老人クラドックの幽霊が出没し、彼はジュードが昔捨てた後に自殺した女アンナの義父で、娘の復讐を果たそうとしているらしい。ジュードは今一緒に暮らしている女‘ジョージア’を連れて、スーツの出品者でアンナの姉の家フロリダ州へ向けて旅立った。 ロックヒーロー・ジュードの愛情生活や幼い頃の父との確執が丹念に情感を込めて書かれている所為でしょうか、文庫本で600頁を超える大作となっていますが、私の考えではもう少し刈り込んで書いてくれれば良かったと思いました。邪悪なクラドックの幽霊は恐ろしい存在感十分ですが、動機の部分で若干疑問が残りました。クライマックス・シーンはグロテスク一歩手前で踏みとどまり、幻想的な印象で映像化に期待が持てます。最後は愛情に目覚めるジュードの姿が感動的で、読後感を爽やかにしてくれます。続いて刊行予定の高い評価を受けた著者のデビュー短編集も楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 5件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|