ホーンズ 角



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初公開日(参考)2012年04月
分類

長編小説

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ホーンズ 角 (小学館文庫)

2012年04月06日 ホーンズ 角 (小学館文庫)

ジョー・ヒルの最高傑作ホラー 『ハートシェイプト・ボックス』『20世紀の幽霊たち』などで着実のその地位を確立してきたモダンホラーの貴公子、ジョー・ヒルの最高傑作が誕生した。フランツ・カフカの『変身』に匹敵するプロローグから、息も尽かせない地獄の描写が、壮絶のラストシーンまで続いている。長編ホラーの歴史を変える、著者渾身の一撃!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

ホーンズ 角の総合評価:9.60/10点レビュー 5件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

悲劇なのに爽やかなのはなぜ?

ジョー・ヒル待望の新作。傑作短編集『20世紀の幽霊たち』以来だから実に4年ぶり。
日本での訳出は逆だったが本国では前作に当たる『ハートシェイプト・ボックス』から5年ぶりの新作である。

いやあ、さすがはジョー・ヒル。どのジャンルにも属さない素晴らしくも奇妙な味わいの作品を読ませてくれる。

朝起きると角が生えていたというカフカの『変身』を思わせる発端から、角が生えたイグに逢う人物はことごとく腹に溜まっていた悪意の言葉を口にすることが解る。
これがもうとても聞きたくない話ばかり。普通の隣人や知り合いが実は腹の中でどんな風に思っているのか。それが制限なく毒を垂れ流すが如く溢れ出る。なんというか、まともな人間はいないのかとまで思わされる。
そして触れた者の秘密事が一瞬にして解る能力も授かる。この秘密事も知られたくはない性癖だったり悪事だったりする。しかしこんな能力は願い下げだ。

そして彼らよりも輪をかけて悪いのはイグの友人リー。とにかく今回はこの敵役のリー・トゥルノーの下衆野郎ぶりに尽きる。なんとも自分勝手な利己主義者であることか。
他人の善意を利用し、全てを自分の都合のいいように解釈する。友人は全て利用する物、全ての女性は自分に抱かれたいと思っている、そんな傲慢な性格の持ち主だ。

日本の小説ならばここまで書くと…というブレーキがかかるところをジョー・ヒルはとことん描く。人間の嫌な部分をあからさまに謳う。
この辺の筆致はクーンツに出てくる唾棄すべき悪役に似ている。

物語はイグに角が生えた現在と、イグが恋人メリンと出逢った少年の頃の時代の話、そしてメリンが殺された夜の話が交互に語られる。

イグ、兄テリー、そして親友のリーとの出会いと日常を語る過去の章は青春小説の趣があり、マーク・トウェインの『トム・ソーヤの冒険』を髣髴させるほど色鮮やかでノスタルジックだ。実にアメリカ的な物語である。

特にイグとメリンが最初に会話を交わすシーンなんかは眩しくて美しすぎるくらいだ。本当にこういうのを書かせるとジョー・ヒルは上手い。

そして私が特にジョー・ヒル作品で好きなのは物語に挟まれるサブカル、特に音楽に関する薀蓄や冗談。突然歌詞の一部が地の文に挿入され、思わずニヤリとさせられるし(この辺は洋楽ファンの特権だ)、平気で物語の登場人物に実在のアーティストを絡ませたりもする(ちなみに今回はローリング・ストーンズのミックとキース)。
そしてその最たる物はやはりこの物語の要となる設定だ。頭に角が生えるという着想はさすがジョー・ヒル!と思わせる奇抜な発想だと思ったが、いやはやAC/DCのアンガス・ヤングだったとはね!そのネタが解った頃からイグの風貌はアルバム・ジャケットで角を生やしているアンガスのそれとなってしまった。やはりジョー・ヒルの作品と音楽は切っても切り離せない要素であるようだ。

しかし本書は哀しい物語である。
優しい者同士がお互いを強く愛するがゆえに起こった悲劇。
そうこの物語は悲劇から始まる。
そしてジョー・ヒルは悲劇から始まった彼らに対して安直な救いは用意しない。物語の結末としては苦い物ばかりなのだが、なぜかその喪失感こそが爽やかだ。
全てを燃やし切った彼らの心地よい徒労感が行間から漂う。
そして題名『ホーンズ』のもう1つの意味が最後に解る、この演出もまた憎い。

もう少し削ればこの物語は傑作になりえただろう。ジョー・ヒルの長編を読んで残念に思うのは全てを語らんとする冗長さだ。この辺をもう少しそぎ落とし、行間で語れるようになればもっとすごい作家になるに違いない。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.4:
(5pt)

感動しました。

この世界にのめり込んでしまって、面白くて何もかもそっちのけで
読み進めました。でも、強姦はいりません、こういうのは好きじゃない。
そのシーンから目をそむけて、一度は読むのをやめようかと思うくらいです。
でも、この話の結末を知りたくて読み進めました。
そして読んで本当によかった。名作です。すばらしい。
ホーンズ 角 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ホーンズ 角 (小学館文庫)より
4094084657
No.3:
(5pt)

こんな持ち味の物語は初めて

やるせなくも美しいストーリーでヘビーな余韻に浸ったものだ。それがダニエル・ラドクリフ主演で映画になっていたいたとは驚き。レンタル店で発見して即鑑賞。原作に負けず劣らずの出来と思えたので興味のある方は是非!ジョー・ヒル、目が離せない作家のひとり。
ホーンズ 角 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ホーンズ 角 (小学館文庫)より
4094084657
No.2:
(5pt)

気になってました。

ダニエルラドクリフが、主演すると知っていたので気になっていました。 当初映画を見ようと思ってたのですが、残念ながら見ることが出来ませんでした。 なので今回は、本で我慢しました。 内容は 面白かったで
ホーンズ 角 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ホーンズ 角 (小学館文庫)より
4094084657
No.1:
(5pt)

凄いページ・タナーなホラー小説なのに驚いた。

メリンという愛くるしい女性が惨殺される。容疑者として彼女のボーイフレンドであるイグネーシャスが浮かび上がり、
彼は凄まじい誹謗中傷の嵐に飲み込まれる。
母親「あんたが出て行くまで息をとめる」祖母「お前の顔を見ると死にたくなる」父親「お前は不気味だ」
しかし...彼は無実だった。それでは真犯人は? ありきたりのシチュエーションなのだがメリンとイグの生立ちとか、関わり
とかの挿入話が捻りがあって、それはそれは読ませる筋立てに仕上がっているのに、おまけに(というか、これがメインなのだが...)
ヤケクソに陥ったイグに、あろう事か”角”が生えて来て、それが色々な力を発揮して、メリンの殺害の真相を詳らかにしてゆく...
本作はホラーというより、マーベル・コミックのヒーロー物に、恋愛、友情、裏切り、家族愛の脆さなどをぶち込んだ、総合エンターテインメント小説として
一読をお勧めする。実は私は「20世紀の幽霊たち」を読んだのだが、あまり気にいらず本作もタマタマ薦められて読了したのだが、
今は薦めてくれた知人に大感謝している。=読み逃さなくて、よかった! 720ページあるのだが、殆ど徹夜に近い状態で、3日ほどで
読みきってしまった。
それと、関係ないが本作を読み終わった後で、映画「悪魔を憐れむ歌」(原題はfallenだったと思うが)を又、見たくなった。
ローイング・ストーンズの同名曲が実に効果的に使用されていた、なかなかのホラー映画でした。未鑑賞の方は是非こちらも薦めます。
(後書きに、似た様な記述があったので、つい...)
ホーンズ 角 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ホーンズ 角 (小学館文庫)より
4094084657



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