(短編集)
どんがらがん
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読書メーターでのGW恒例のイベント【奇妙な味海外読書会】で、手に取った一冊ですが、奇妙…と、云うより絶妙!なにより物語を語り過ぎないその手法は、どの作品に於ても主人公の置かれた立場、状況、結末まで受け手の読解力を刺激して複雑で深い余韻を醸し出している。特に結末のシニカルな落ちは自虐的ではあるが、誰もが皆、共有する人生という不確実な航海を俯瞰するかのような趣を持って、記憶に刷り込まれていくように感じた。 | ||||
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編訳した作家が偏愛するのが、なるほど、と感じる、今では埋もれてしまった作家の好短編集。確かに、半世紀以上前の作品の古さはあるが、切れ味やウィットは結構いけます。 | ||||
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奇妙な味わい、ちょっとオールドスタイルな短編小説。 機械仕掛け人間と老夫婦のかみ合わない会話がシュールな『ゴーレム』からはじまり、見事などんでん返しプロットの『物は証言できない』、後味の悪さを持つダークなSF作品『さあ、みんなで眠ろう』、擬態もしくは変身をテーマにした奇妙な物語『さもなくば海は牡蠣でいっぱいに』、酔っ払いのじいさんの話が…オチが見事な『ラホール駐屯地での出来事』、ブラックマジックな『クィーン・エステル、おうちはどこさ?』、なにかのメタファーなのか、SFなのかそれとも童話なのか、さっぱりわからない不気味でグロテスクな『尾をつながれた王族』、サーカスと猿、イメージを楽しむ短編『サシェヴラル』、クールな愛憎の果ての老人ホーム殺人事件『眺めのいい静かな部屋』、ホラーほら話『グーバーども』、人情話『パシャルーニー大尉』、謎の東洋人の書店で見せられたお金で買えない稀覯本…その本を手に入れるには?オチが素晴らしい『そして赤い薔薇一輪を忘れずに』、長編小説の冒頭を切り出したような…迷宮感『ナポリ』、ミステリのようでいて、メキシコの空気感と迷信と科学が混沌とした『すべての根っこに宿る力』、売れない作家の秘密とは?傑作『ナイルの水源』、奇妙でグロテスクな童話というか…どんがらがんとは何か?は読んでのお楽しみ『どんがらがん』、全16篇収録。 | ||||
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奇想天外でついていけないなどのレビューが多く身構えてましたが、中々どうして! 素敵な話が多いではありませんか!奇妙珍妙ではありますが、訳者の言う通り、根底には弱者の優しさと程よいセンチメンタリズムがあります。まあ、人を選ぶところはありますが言ってしまえば大概の作品がそうですしね。 山ほど作品はありますが、気に入った作品を幾つかレビューします。 「ゴーレム」 老夫婦が通りで日向ぼっこしていると、顔色の悪い男が現れる。彼は自分をアンドロイドだと名乗った。彼を創り上げた博士が突然死した為、彼は解放され、後に残ったのは人類に対する憎しみだった。老夫婦の前で人類に対する宣戦布告を高らかに宣言するアンドロイドだが、ボケた老人達は全く人の話を聴かない。 何て珍妙でシュール。そしてキュート。この最初の作品で一気に気持ちを持っていかれた。 壮大な設定がありながら、あっけなく、そしてユーモラスに終わる辺り、道満清明と言う漫画家を思い起こさせた。 「さあ、皆で眠ろう」 ある惑星にヤフーと言う人間に似た生き物が存在した。彼らは下等で知能が低い。そして戦闘能力も持たない。 人類はその星が誰のものでもない事を良い事に、ヤフーを好き放題蹂躙する。ハーパーと言う男は彼らを救おうと力を尽くすが・・。 タイトルが悲しすぎる。弱者に対する愛と、弱者に対して容赦のない人類に対する諦観のようなものがある。 悲しい傑作。 「さもなくば海は牡蠣で一杯に」 バーナード嬢が勧めてたのを憶えているが、これは別に。面白いけど、先の二つの方が圧倒的に好き。 これはSFなのか?男が狂っていた可能性はないのか?とは思うが、ヒューゴー賞を取ったとなるとSFである男は狂って無かったと言う事なのだろうか。まあ、そうなんだろうが、SF的な説明が無いとSFはミステリやファンタジーの可能性が出てきてしまう。分かり易いし面白いけど。 「尾を繋がれた王族」 一つ目と言われる生物は、尾を繋がれて一つになった「お父様」や「お母さま」達に水を届ける仕事をしている。 この奇妙な生活に一つ目は何も疑問を持たず生きていたが、見張りがいない時に彼は教えられる。 一族のおぞましい秘密を。何故自分達は囚われているのかを。 これはSFと言うより不条理小説の趣がある。グロテスクで悪趣味だが、この奇妙さが何とも言えず味がある。 日本の下品なエログロ小説は大嫌いだが、これは独特の発想と気品があって大好きだ! この辺で「この作家天才だわ。」と思った。 「眺めのいい静かな部屋」 養老院にいるリチャーズ氏は歴戦の勇士であり、彼の武勇伝は何時もご婦人方の注目を集める。 それを快く思わないハモンド氏は彼の秘密に気付く。 展開そのものは凡庸だが、老人達の悲惨な状況を考えると身につまされる。 誰もが他人事では無い話だからだ。長生きして悲惨な事になるのは別に日本に限った話ではなく、何処の国も似たり寄ったりなのだなあと思った。 「グーバーども」 性悪ジジイのホラを真に受けた子供。だがそのホラが具現化してしまい、思わぬ逆襲を受けるジジイ。 一番わかりやすいかな、これが。とても楽しいユーモラスな話だがちょっと怖い話。子供が喜びそう。 「そして赤い薔薇一輪を忘れずに」 チャーリーは中古のガスストーブ店で働いている。何時も店長に酷い暴力を受けている彼だが、ある時その店のある建物の最上階に珍本を売る店がある事を知る。ちょっとした切っ掛けで店の中に入れた彼だが、見ている内にその非日常に中てられて何か欲しくなってしまう。しかし、珍本は高価以前に希少価値が高すぎて希少価値のある物としか交換できない。一旦は諦めたチャーリーだったが・・。 大好きな傑作短編が一つ増えた。タイトルで完結する話。 訳者曰く、「こんな小説を書ける作家は他にいない。」完全に同意である。なんて素敵な話だろう! 「どんがらがん」 表題作だが思ってた話と違った。戦争の悲惨さとかそう言うやつかと思ったら、あっけらかんとしたファンタジーで、デイヴィットスン版シンドバットの冒険みたいな感じかな。続編あるみたいだし。アイディアの独創性の割に普通のエンタメだけど結構好き。 さっそく他の本も読もうと思ったら翻訳がほとんど出てませんね。2冊だけ? しかも一冊は絶版で高い。参ったなあ。大好きになっちゃったのに。 | ||||
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ホラー作家によるSF、という印象。短編は不得手なのか、「短い長編」に終始している。 | ||||
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