ドゥームズデイ・ブック
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この作品の良さは結局のところ、 SF的な世界観の凄さとかよりも、感情移入させられるところだと思う。 前半はとにかくイライラさせられる。 通じない言葉、繋がらない電話、 ありとあらゆるバカのせいでありとあらゆる話が進まない。 読んでいるこちらも、話の進まなさ具合にイライラを募らせながら読むことになるんだけど、 それはいつの間にか、登場人物への感情移入に変化してしまう。 そして、キヴリンが「時代人」(現地民)とコミュニケーションを深めていくうちに 14世紀の2人の少女ロズムンドとアグネスの保護者のような気分になり、 義祖母のイメインをやかましいだけの役立たずババアと思うようになる。 みんなが思うだろうことは、この作品が刊行された当時はパンデミックなんて「空想」だったのが、 世界みんながコロナを経験して、この作品世界が現実と思えるようになったことだよね。 14世紀のオックスフォード周辺の描写がどのぐらい「史実」に即しているのかはさっぱりわからないけれど。 この作品世界では「タイム・パラドックス」は発生しないことになっている。発生するような状況ではそもそもタイムトラベルが不可能で、自動的に「影響がない時空」にトラベル先が変化する。そういう設定のもとで、14世紀に送り込まれて現地民とゴリゴリに交流するとどうなるか、っていうのが、終盤に明らかになっていく。 陰鬱な内容なのは、14世紀を舞台にしているからなのだろう。 次回作の『犬は勘定に入れません』が、同じ世界観で、全く明るいポップなムードで進んでいくのとめっちゃくちゃ対称的だ。 にしてもこの作者、「非合理的な考えに取り憑かれたオバサンの害悪」を描かせたら天才だな・・・ | ||||
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破局的な感染症の流行を描くテクノスリラー/ミステリーなんだけど、パンデミックの全貌を俯瞰的に描写するのではなく、現代編と中世編それぞれの主人公視点で描かれる。町がロックダウンされたり何千何万と人が死ぬことよりも、目の前の大切な人に危機が迫ることのほうが深刻だ。読み手も主人公に感情移入させられる。そこが巧みだ。 タイムトリップ物の定番は「主人公のせいで生じるタイム・パラドックスをどうさばくか」なんだけど、本作にはそういう要素はない。だから、主人公と中世の人物との交流がじっくり描かれる。 登場人物が多いのだけど、みなさんキャラが立っている。ま、現代編では多くのキャラが「主人公にとっての邪魔な障壁」役なんだけど、ほぼ全員が実にいい感じに超イライラさせてくれる。読んでいるこっちが感情移入させられている証拠だ。中世編は、ロザリンドとアグネスの姉妹が愛おしくなるし、すっかりキヴリンに感情移入させられる。 ぶっちゃけ、現代編で生じる問題の98%はケータイがあれば即座に解決するようなことばかりだ。この小説が書かれた当時、1990年代初頭にはまだ「携帯電話」はほぼ存在しない。小学生のランドセルぐらいの機器を持ち運ぶ必要があったし、通信方法はアナログ、通常の電話回線をどうにか利用しているぐらいで、基地局など存在しない。そもそも個人向けの端末などほぼ皆無だ。1990年代半ばの東京23区あたりでようやく、ビジネス用途で「会社に1台」ぐらいだ。 昭和世代はそれを実体験しているからなんとも思わないだろうけど、ケータイが当たり前でイエデンがない世代にとっては、なんのこっちゃとなるんだろうなあ だから登場人物たちが、電話で連絡つかずにイライラするわけだ。延々と。 しかし平成世代にはそれがわかるのだろうか。 | ||||
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コロナ禍になって再読。よかった | ||||
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数々の賞を取っている作品なので期待していたのだが、私にはつまらないというよりも読み進めるのが苦痛なレベルだった。 他の低評価の方々と言いたいことはほぼ同じ。 全てつまらない訳ではない。下巻の中世のパートは心に残るので、それ以外を削って本の長さを半分ほどにすると良いのかも。 そもそも主人公は『100%安全』なはずだったのか? 追い剥ぎやレイプや火あぶりのような危険が心配されているのに、それらから守る手段は全く講じられてないのも気になる。 設定がゆるゆる。 | ||||
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後半、話のテンポは上がっていく。 しかし、これにSF的な派手な展開を期待すると全く外れる。 あくまでSF的な設定ではあっても、中世と現代とで疾病と戦かう物語として割り切って読めば実に緻密な描写で引き込まれるが、通常のSF(タイムワープ物)的な展開を期待すると全く外れる。 誰も見たことも無い中世の世界を緻密に描きこみ、多彩な人物をリアルに配置し、二つの時代をまたがって物語を展開する手法は見事だし、後半のシビアな展開には驚く。 しかしそれであっても、(全くストーリーに関係のない)不要な描写は読み疲れて、正直読むのに努力が必要だった。続編はどうしよう・・? | ||||
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