鋼鉄都市
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| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.67pt | ||||||||
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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著者初読み。70年前に書かれた古典SFミステリー。かなりの未来が舞台になっており、現在から見ても想像の付かない時代の話です。なので、逆に古く感じると言う事でも無くストーリーを楽しめました。今流行の特殊設定ミステリーとはすなわちSFな訳で、そう言う意味では非常に現代に合った作品なのかも知れませんね。人間とロボットのバディ物として、また推理が二転三転する正統派ミステリーとして、そして閉塞感漂うディストピア物として、色々な面から楽しめる傑作。 | ||||
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名作とされていますが、あまり面白くありませんでした。 | ||||
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ミステリの手法を使ったSFの名作という事で読書。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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| 歴史を学ぶことの意義は過去を知ることで、現代の我々についてより理解を深めるためだと習った。 しかし、歴史を特に真剣に学んだり、政治に関わったりしていない多くの、私のような一般人には単に未成熟な社会と人間が犯してきた過ちの積み重ねにしか見えていないのではなかろうか。 では、未来の世界を予測するのは? 多くのSF作品が描く未来世界は、悲観的、楽観的、どんな突飛な世界観にしても、 単なる舞台装置であるように感じられる。 突如落ちてきた巨大ロボに陰キャ主人公が乗り込んで大活躍するための未来戦争…ほど安直でなくても、 人類が今の経済や政治、軍事活動を続けた結果の終末を辛辣に予測した作品にでさえ、 「もし今核爆弾が爆発したら、人間が皆いなくなったら、どうする?」みたいな思考実験的なエンタメ性を感じてしまう。 だが、この作品の未来像は一味違うと感じる。 この作品で描かれている未来世界は社会システムの強化・効率化によって一定の安定は確保されているものの、 人々はロボットに取って代わられる不安に恐れ、次第に縮小していく経済の閉塞感に包まれている。 正にこれはAIや食料品値上がりなどの話題を見ない日のない、我々の不安そのものではないか。 (…と、ここまでは、この作品が特に珍しいって訳でもないのだけれど…) それでも多くの人々(作中でも現実でも)は、 『人類は今までうまくやってきたから大丈夫(誰かが上手い手を思いついてくれるさ)』と言う。 実際、例えば石油は半世紀前の悲観的予測に反してまだ枯渇していない(上手い手を思いついて掘っている)。 だが、週明けからほんの数円の値上げが入ると聞けば、週末にガソリンスタンドに列をなすのも事実だ。 現実の未来は誰かのボタンの押し間違いで突然来るものではないと思う。破壊に限らず、あらゆる形の未来が。 (「スローターハウス5」をディスっているわけではないし、 宇宙規模で見れば恐竜の絶滅を招いたような超大災害が起こる確率も低くはないわけだが、そんな事を考えるなら、 『明日交通事故で命を落とすかもしれないから何もかも止めよう』と言うのと変わらないだろう。) アシモフがこの作品で描いた未来は、過去から続いて来たグラフの曲線が未来に向かって伸びた結果であるように、そう見えるように説明されている。 そうすることによって、過去と未来の、その途上にある「我々の現在」の姿をより鮮明に浮かび上がらせているように感じられる。歴史を学んで知るのが現代の我々であるように、未来の予想が問うているのも現代なのだと。 この作品は「ミステリ仕立て」のエンタメを思わせる作品になっていて大変に面白い(amusing だ)。 ただ、犯人や犯行のトリックを暴く単純なミステリではなく、ミステリをSFで描くことを目的としたものでもないと思う。 科学の一般化に尽力し続けるアシモフと言う人が、己のメッセージを語るための舞台であり、それを作るためには主人公が自ら「世界の(構造の)」謎に迫っていくと言うミステリ的展開が必要だったのだと思う。 舞台となる未来世界の設定には、「犯人捜し」のエンタメには過ぎると思えるほどの情報量があり、 正直、説明的過ぎる部分が多いように感じられたし、結末の主人公の態度には『それでエエんか?』と大いに思った。 否、主人公が追い込まれた状況と心情を考えるなら『それで済ませられるはずがない』と考えるのが普通では無かろうか?。 でも、この世界を綿密に用意して、主人公を追い込んでおきながら、あえて、このラストにつなげる、 その展開にもアシモフの強いメッセージを感じずには居られない。 現代の閉塞を打ち破って未来を掴み取るためには我々皆に強い覚悟が必要なのだろう。 それは一か八かの掛けに飛び込む蛮勇や、他者を叩きのめす強さのようなものでも、SNSで示して見せるような見せかけの協調でも無く、 もっと静かな、持続的な努力(?)の様なものかもしれないと思わされた。 (上手い言葉が判らないが、アシモフが描く、三原則を踏まえた強く穏やかなロボット達は、それを体現しているように見える。) 読み始めた時はあまりのワクワク感に『これ何で映画にしないんだろう?』と思ったが、 たぶん映画化しても表層的な舞台装置(謎解き)しか描けない―そこで語られるべきメッセージが何もない、 と言う事態に成りかねない(何だったらラスト20分で犯人と殴り合いが始まる可能性もある)んじゃなかろうか。 やっぱり本で読んだ方が間違いなさそう…。 あまりの面白さ(interesting)に興奮して長々と書いてしまいました。お勧めします。 | ||||
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| アシモフの「ロボット三原則」に則っているものの、同著者の「われはロボット」とは世界観が異なり、宇宙人によって制限を加えられた世界が舞台。地球人の刑事とロボットがコンビを組み、ある宇宙人が殺害された事件の謎を解く。 SFであることは間違いないが、登場人物のセリフやアクション、文体も含め、ほぼハードボイルド・ミステリを読んでいるかのよう。 主人公の刑事はフィリップ・マーロウのように格好良いし、この世界ならではの特質を生かした凶器消失のトリックもとてもよい出来栄え。映像を使い犯人に証拠を突きつけるシーンもとても鮮やかだ。 ロボットSFとして傑作であることはもちろん、2012年刊行の「東西ミステリーベスト100」において海外部門100位に選出されているように、ミステリとしても傑作である。 | ||||
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| アシモフについて何らかの知見を持ち合わせている方が、ここのレビューを見に来られたと想像します。私もファウンデーションシリーズを完読後に次はと思い、ロボット長編4部作の本作品から読み始めました。ヒューマンフォーム・ロボット(ダニール)との再会に期待が膨らみました。彼?はここでも助演男優賞で、主人公である刑事(ベイリ)の捜査を引き立てていきます。 超長編が好きな方には、アシモフ作品はうってつけで長いこと楽しめることが醍醐味です。おなじみの登場人物とストーリーに安心感を抱かせつつも、要所要所で「ロボット工学三原則」の解釈を巡っての展開に一喜一憂できます。 ただ、残念ながら本作品に続く『はだかの太陽』、『夜明けのロボット』、『ロボットと帝国』は文庫の新品は入手できません。 | ||||
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| アシモフの『われはロボット』(小尾夫佐翻訳)はとても好きな作品なのですが、同じアシモフの本書は、福島正美の翻訳に多少の古さと硬さを感じるためか状況が分かりにくい場面もあり、『われはロボット』と比較すると、ちょっと物足りなさを感じてしまいます。 SFミステリと言われていますが、それほどミステリ度は高くありません。 ただ、言われなければ誰も気づかないほど精巧な人間型ロボット(Rダニール)とペアを組んで捜査にあたる刑事(ライジ・ベイリ)、という設定が映画的でユニークです。 このRダニールという人間型ロボットの存在が面白い。 たとえばライジと食事をする場面があるのですが、ロボットなので食べるふりをすることはできる。 ただ、後から食べたものを体から排出する必要があるのですが、排出したものを見たダニールの発言が真面目なだけに可笑しくて笑えます。 「食物は完全に清潔です。わたしは唾液も出ませんし、消化もしない。食べられますよ」 | ||||
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| 79年発行の文庫へのレビュー ハヤカワ文庫 SF 336 SBN-13 : 978-4150103361 同じ福島正美=訳の2014年発行版新表紙(新版、新訳、改訂ではない)のレビューではありません。 数千年先のNY, 通称「シティ」。書名の鋼鉄都市とはこれを指す。刑事ベイリは、ある宇宙人殺人事件を任される。押し付けられた相棒はロボット。構造はミステリだがガジェットはSFというハイブリット。感触はハードボイルドのそれである。同時に70年前に発表されたとは思えぬ「ビジョン」に満ちている。それは「世界観」という空虚な言葉とは異なり、「テーマ」とも少し違う。脆弱を打ち破る開拓者精神。かつて人類が大海原へ漕ぎ出した時のような。如何に我々は命をつなぎ、生き延びるのか。これらへの「ビジョン」。つまり「希望」。 そして同時に極上のバディ物でもある。例えば映画「48時間」のノルティとマーフィのような。人口過剰・食糧危機・AI優位・行政肥大・格差・都市肥大化・技術革新へのアレルギーなどを扱いながらも、迷い葛藤する時に我を忘れる不完全な人間とロボットの化学反応。本書のいうC / Fe文化の体現。炭素(ヒト)と鉄(ロボット)がせめぎ合う文化。本書は書名(The caves of steel)と反対の「熱さ」に溢れている。アシモフが提示した「ロボット三原則」の解釈から派生するミステリー。 | ||||
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