エクソダス症候群
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
エクソダス症候群の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
精神医学の専門書で通るような濃い内容ですが、あくまで小説なので歴史的経緯はある程度断定口調で書かれており、学術書より読みやすいです。分厚い専門書で書かれているような精神医学史の光と闇、そして未来が書かれています。現在の多剤投与に偏重した精神医学に対して、原始的で野蛮な昔の医療を「病を知ろうと努力していた」と評価している点も興味深いです。 狂言回しの役割を担うチャーリーは患者であると同時に医者でもある矛盾した存在で、精神医学の光と闇をその身で体現した人物でもあります。SFならではの過激な発想や理論がある一方、結論が常識的なところに落ち着くのは小説としても学術書としても納得がいきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず、とても読みやすいです。 改行の仕方や小難しい言い回しをしないところが、客観的な世界観を与えていると思います。SFと言えばSFですが、そこまで異世界感はありません。どちらかと言えばテクノロジーより人間の心理や、人間社会にフォーカスしています。精神医学史の勉強になるし、書き方が上手なので難しいといった感じはないです。物語のキーとなるエクソダス症候群ですが、現代でも誰もがエクソダス症候群なのではないかと思いました。映画で見てみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
火星を舞台にした物語をSF作家が書く場合、重力差を無視して良いものだろうか。 地球の1/3しか重力が無いのは無視? まずはそこをきちんとしてくれないと、自分は読み手として物語に入っていけない。 文字面で舞台に火星を選んだようにしか思えないのだ...もしかして、 同じく精神医療を扱った「ドグラマグラ」夢野久作の「火星の女」に対するオマージュ的な何かなのだろうか。 精神医療についてはたいへん興味深く読ませていただいた。 戦争を行うにもPTSDをはじめとする各種ケアが必須とされる昨今、また、薬の飛躍的な進歩。 そうした知識のアップデートだけでもこの本には価値があると思う。 架空の病気である「エクソダス症候群」にリアリティを付加できたのは、人類が地球上で版図を広げる 原動力にもなった云々の設定だろうか。 ロマンを感じる。 が、やはりドーム状の閉鎖空間で生活を強いられている件についても もう少し言及した方が良かったのではないだろうか。 ところで、馬車で移動する表現があるが、もしかして、やはりスペオペだという事か。 どう考えても地球から火星に何か月もかけて馬を運ぶメリットが感じられない。 ところで中高年男性が孤独になりがちなのは、洋の東西や年代を問わずと思われる。 親子関係の縦軸よりも、そちらで膨らませることができれば、 この小説に更なる一般性が付与されたろうにとお節介なことを考えてしまった。 チャーリー氏の悪役っぷりは合格点だが、主人公の生き別れの妹であるハルカのラインは弱い。 また、医療施設がセフィロトの樹を模している設定も、効果的とは到底思えない。 主人公にとって大事なもの・かけがえのないものが弱いせいかストーリーの起伏が弱い。 ただ、あまりそこで起承転結のメリハリを付けてしまうとハリウッド的味わいのガッカリ作となってしまうが。 「盤上の夜」「超動く家」「彼女がエスパーだったころ」はたいへん素晴らしかった。 無理に長編を書く必要は無いのではないかと思った。 いや、氏の短編は必ず手に取るようにしたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
SFが好き(だった)で今も年間数十冊購入するが実際読むのは数冊に満たない。 ほとんどが、本棚に積まれるだけになっている。 どういうわけだろう。 30年ほど前に卒業したはずだが、購入は続けているのだ。 で、本書。 内容はひたすらSFではない。 読んでて楽しいか? 暗い、つらい、もちろん楽しくない。 じゃあ、面白くはないか? うん、まあ、いいと思う。 魅力はあるのだ。 文庫版の装丁は、なかなかいい。 こうじゃないと買っていなかったかも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ネットで評判を見て気になった本は「ほしいものリスト」に突っ込んで、その後ランダムにまとめ買いをするので、 買う時点では「この本、なんて紹介されていたんだっけ」という部分をすっかり忘れていることが多いのですが、 ゆえにまさか「普通にSFだろう」と思ったこの本が、結構ガチで精神医学史をテーマにしていたとは思わず、新鮮に興味深かったです。 住む場所をどれだけ変えても、星に移住しても、人間は精神の檻から逃げられないのか、というテーマ。 初期の開拓者は「火星の人」のように、国家事業として、精神的にも安定した人選がされるでしょうが、 移住が恒常化したらこの小説ような自体はある意味リアルに起こりうるのだろうなと思われます。 設定と展開は素敵でしたが、落ちは少々拍子抜けでした。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 15件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|