(短編集)

ディレイ・エフェクト



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    ディレイ・エフェクト
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    初公開日(参考)2018年02月
    分類

    短編集

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    ディレイ・エフェクト

    2018年02月07日 ディレイ・エフェクト

    いまの東京に重なって、あの戦争が見えてしまう――。 茶の間と重なりあったリビングの、ソファと重なりあった半透明のちゃぶ台に、曾祖父がいた。その家には、まだ少女だった祖母もいる。 あの戦争のときの暮らしが、2020年の日常と重なっているのだ。大混乱に陥った東京で、静かに暮らしている主人公に、昭和20年3月10日の下町空襲が迫っている。少女のおかあさんである曾祖母は、もうすぐ焼け死んでしまうのだ。 わたしたちは幻の吹雪に包まれたオフィスで仕事をしながら、落ち着かない心持ちで、そのときを待っている……。 表題作「ディレイ・エフェクト」の他、「空蝉」と「阿呆神社」を収録した驚愕の短篇集。 いま最も注目されている宮内悠介が、時の流れをこえて、この世界の真実に迫る! 芥川賞候補作品(「BOOK」データベースより)




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    ディレイ・エフェクトの総合評価:7.60/10点レビュー 5件。Cランク


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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (6pt)

    ディレイ・エフェクトの感想

    芥川賞候補の表題作を含む3編の短編集。
    表題作は、現在の東京に突然、戦時中の東京が幻影のようにオーバーラップするという物語。
    干渉こそ出来ないが東京大空襲で命を落とすご先祖様と同居する事になります。
    発送というかアイデアが凄く面白いと思いました。この時点で勝利って感じです。
    作者なりの反戦メッセージと思います。
    ところで、何故この題材を短編にしたのでしょうかね。500ページ位の大作が描けそうな気もしますが。
    残りの2作は、おまけ的な印象を拭えませんでしたので余計にそう感じてしまいました。

    梁山泊
    MTNH2G0O
    No.1:
    (8pt)

    ディレイ・エフェクトの感想

    現代の東京と終戦直前の東京の街が重なっている。21世紀の今の世と1945年の昭和の生活、スマホをいじっている娘と瓶につめた米を搗いている娘(彼女は主人公の祖母の娘時代の姿!)が重なって見えている。
    反戦のメッセージをこういった形で訴えてきたかのような、著者の発想に大いに感銘を受ける。終戦直前の人たちの生活、考え方が伝わってくるような胸を打つ作品です。
    短編ですが、もっと掘り下げて長編としてだと感銘も深まるのでは。ぜひ「ディレイ・エフェクト 完全版」といったタイトルで発表してほしいです。それだけ着想もさることながら完成度は高いと思います。
    あとの2編は短編ならではの内容。悪くはないけど、おまけのイメージが濃かった。

    本好き!
    ZQI5NTBU
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    No.3:
    (4pt)

    質問です。

    内容自体は圧巻でした。満足してます。が、、、
    3編収録された2編目のデータに、マーカーされた文章がいくつかありました。
    これってどういうことでしょうか?
    誰かがマーキングした「既読Book」がダウンロードされたのでしょうか?
    作家自身のマーキングか考えてもみましたが、ありえないと思いました。
    ディレイ・エフェクトAmazon書評・レビュー:ディレイ・エフェクトより
    416390820X
    No.2:
    (3pt)

    ぜんぜん驚愕ではないのだが

    帯には「驚愕の短編集」とありますが、ちっとも驚愕を感じさせませんでした。
    一体なにが驚愕なのか、と考えてみて、ひとつ思い当りました。
    短編が全部で3編収められているのですが、3編ともトリックというか、どんでん返しが仕込まれているのです。
    ただ、残念ながら、そのどんでん返しが全然響いてこないのです。
    例えて言うと、
    「となりの町内に住んでいる鈴木さんは、実は田中さんという苗字だった」
    と聞いた程度の感慨なのです。つまり、ふーん、そう、でしかないのです。
    作劇術についてはよくわかりませんが、単にどんでん返しをしさえすれば読者が驚き、喜ぶ、というものではないようです。
    文章が丁寧で上品な感じがしましたので、その点を評価して星3つとしました。
    あまり他人に勧めようとは思いません。
    ディレイ・エフェクトAmazon書評・レビュー:ディレイ・エフェクトより
    416390820X
    No.1:
    (5pt)

    期待を大きく上回りました。

    著者の作品を読むのは今作が初めてです。
    SF作家である「宮内悠介」という名だけは存じておりましたが、SFはあまり読まず、題材も自分の嗜好とは異なったものが多く、中々手を出せずにいました。
    しかし、この作品で考えが変わりました。著者の他の作品も読まなければならない、と勝手な義務感が心の中を渦巻いております。

    さて、芥川賞候補になったこの作品ですが、選ばれたのも頷けます。著者のアイデアには脱帽です。戦時中の東京と現在の東京とが重なり合う現象が起きる、という発想とタイトルに惚れて購入しましたが、期待を大きく上回るほどの物語展開とその構成に、心を鷲掴みにされました。それに、候補に挙がった理由はアイデアだけではないのだと確信しました。もし発想力だけを買われたとしたなら、芥川賞候補には選ばれていない筈です。

    まず読んでいて、著者は音楽が好きなんだなあ、と、もっと言えば楽器が好きなんだなあ、と、しみじみ感じました。自らの趣味を小出しにする感じ、堪らないです。笑
    これに関しては表題作のディレイ・エフェクトだけでなく、空蝉という作品でも感じることが出来ました。というより、空蝉でより一層感じましたね。自分の中では三つの短編で、空蝉が最もハマり、大好きな作品となりました。

    そして、最も言及すべきは、この三つのタイトルには全て「人の心」が共通しているということです。題材も異なり、その表現の仕方は違えど、言葉では言い表せられないこの気持ち、をこの作品は示してくれています。

    ディレイ・エフェクトは単純なSFで完結するのではなく、その現象によって影響される夫婦の関係性が描かれ、空蝉では、あるバンドの話を中心として、主人公が事の真相を追っていくサスペンスでありながら、読了後には物語の真髄はもっと違うところにあると考えさせられ、そして阿保神社では、タイトル通り阿保で笑える内容ではありますが、後半にまさかの展開が起き、良い意味で期待を裏切られつつ、ここでもまた「人」に関して考えさせられることとなります。

    物語のアイデアだけでなく、この様な展開になるのか、と先を読むことができないくらい文章の運び方が上手く、さらに、柔らかい文体で読みやすい文章であるのに(あるからこそなのでしょうか)、どこか情緒があると言いますか、生き生きしていて、楽しい気分になりました。人物の台詞回しもセンスがありまくりで、最高です。
    一見エンタメな話であると思わせておきながら、エンタメだけに留まらせない著者のセンスは、まさに、制御不能。

    今後も期待していますが、他の作品も読まなければいけませんね。そう思わせるほどのお勧めの作品です。
    それにしても星五つは甘いだろ!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、何せ期待を上回ったうえに感銘を受けましたので、星五つです。

    長文失礼致しました。
    ディレイ・エフェクトAmazon書評・レビュー:ディレイ・エフェクトより
    416390820X



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