ディレイ・エフェクト
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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芥川賞候補の表題作を含む3編の短編集。 | ||||
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現代の東京と終戦直前の東京の街が重なっている。21世紀の今の世と1945年の昭和の生活、スマホをいじっている娘と瓶につめた米を搗いている娘(彼女は主人公の祖母の娘時代の姿!)が重なって見えている。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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内容自体は圧巻でした。満足してます。が、、、 3編収録された2編目のデータに、マーカーされた文章がいくつかありました。 これってどういうことでしょうか? 誰かがマーキングした「既読Book」がダウンロードされたのでしょうか? 作家自身のマーキングか考えてもみましたが、ありえないと思いました。 | ||||
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帯には「驚愕の短編集」とありますが、ちっとも驚愕を感じさせませんでした。 一体なにが驚愕なのか、と考えてみて、ひとつ思い当りました。 短編が全部で3編収められているのですが、3編ともトリックというか、どんでん返しが仕込まれているのです。 ただ、残念ながら、そのどんでん返しが全然響いてこないのです。 例えて言うと、 「となりの町内に住んでいる鈴木さんは、実は田中さんという苗字だった」 と聞いた程度の感慨なのです。つまり、ふーん、そう、でしかないのです。 作劇術についてはよくわかりませんが、単にどんでん返しをしさえすれば読者が驚き、喜ぶ、というものではないようです。 文章が丁寧で上品な感じがしましたので、その点を評価して星3つとしました。 あまり他人に勧めようとは思いません。 | ||||
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著者の作品を読むのは今作が初めてです。 SF作家である「宮内悠介」という名だけは存じておりましたが、SFはあまり読まず、題材も自分の嗜好とは異なったものが多く、中々手を出せずにいました。 しかし、この作品で考えが変わりました。著者の他の作品も読まなければならない、と勝手な義務感が心の中を渦巻いております。 さて、芥川賞候補になったこの作品ですが、選ばれたのも頷けます。著者のアイデアには脱帽です。戦時中の東京と現在の東京とが重なり合う現象が起きる、という発想とタイトルに惚れて購入しましたが、期待を大きく上回るほどの物語展開とその構成に、心を鷲掴みにされました。それに、候補に挙がった理由はアイデアだけではないのだと確信しました。もし発想力だけを買われたとしたなら、芥川賞候補には選ばれていない筈です。 まず読んでいて、著者は音楽が好きなんだなあ、と、もっと言えば楽器が好きなんだなあ、と、しみじみ感じました。自らの趣味を小出しにする感じ、堪らないです。笑 これに関しては表題作のディレイ・エフェクトだけでなく、空蝉という作品でも感じることが出来ました。というより、空蝉でより一層感じましたね。自分の中では三つの短編で、空蝉が最もハマり、大好きな作品となりました。 そして、最も言及すべきは、この三つのタイトルには全て「人の心」が共通しているということです。題材も異なり、その表現の仕方は違えど、言葉では言い表せられないこの気持ち、をこの作品は示してくれています。 ディレイ・エフェクトは単純なSFで完結するのではなく、その現象によって影響される夫婦の関係性が描かれ、空蝉では、あるバンドの話を中心として、主人公が事の真相を追っていくサスペンスでありながら、読了後には物語の真髄はもっと違うところにあると考えさせられ、そして阿保神社では、タイトル通り阿保で笑える内容ではありますが、後半にまさかの展開が起き、良い意味で期待を裏切られつつ、ここでもまた「人」に関して考えさせられることとなります。 物語のアイデアだけでなく、この様な展開になるのか、と先を読むことができないくらい文章の運び方が上手く、さらに、柔らかい文体で読みやすい文章であるのに(あるからこそなのでしょうか)、どこか情緒があると言いますか、生き生きしていて、楽しい気分になりました。人物の台詞回しもセンスがありまくりで、最高です。 一見エンタメな話であると思わせておきながら、エンタメだけに留まらせない著者のセンスは、まさに、制御不能。 今後も期待していますが、他の作品も読まなければいけませんね。そう思わせるほどのお勧めの作品です。 それにしても星五つは甘いだろ!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、何せ期待を上回ったうえに感銘を受けましたので、星五つです。 長文失礼致しました。 | ||||
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