ヘヴン
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文体に特徴があるので読みづらい人はとことんまで読みづらいだろうと思います。いじめの描写が長く続き鬱々とした展開が続きますが、結末はかなり美しく印象に残りました。 | ||||
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黄色い家を読んでから、川上作品を遡っています。 この作品を好きな作品と挙げる人が多い気がしたので、読んでみた。 とあるレビューで、プチサルトルと、プチボーヴォワールである、というものがあり、主人公が斜視という点で、なるほどサルトルかと思ったが、読み進めていくうちに、主人公である「僕」はサルトルではなく、どこにでもいる私達と同じ弱い人間であり、コジマはガンディーでありシモーヌ・ヴェイユであると思った。 感じたことはいくつかある。 いじめの描写がつらい。Audibleで聞いたが、過去最速の2倍速まで早めてしまった。書籍ながら細目で読み飛ばしていただろう。人間サッカーなんかは、怒りで震えた。いじめが苦手な人は要注意である。 次に、コジマについて。彼女については、賛否両論あるだろう。 コジマが「僕」のことを理解していると思っているのが、初めから間違いのような気がする。コジマは「僕」のことを理解してなどいない。本当は、彼女の母親と同じで、「僕」のことを「かわいそう」と思っていたのではないか。 いらいらした。自分の理想を押し付けるコジマ。自らいじめを受ける要因を作り、そして抵抗しないことを正当化するコジマ。(抵抗することでいじめっ子はますます喜ぶので、ある意味正解ではあるのだけれど、逃げることは決して間違いではない) コジマがいじめを我慢することで、誰かが救われるわけではない。 コジマの父親は、コジマが「しるし」などというものを作って皆にいじめられることよりも、コジマが幸せに暮らすことを望んでいるはずだ。 と、思って読み進めていたが、クライマックスではコジマに圧倒的な強さを見せつけられ、そのような私の思考は、吹き飛んでしまった。コジマは「ほんもの」であった。 そして、百瀬。この人に関しては、単なる思考停止であり、論理も哲学も正義もない。 「自分にはそれができる」と思っている、という点に疑念を抱かないという点で、思考停止している。 根深い差別は、差別する側が差別される相手を憎んでいるのではなく、「自分たちには当然その権利がある」と思い込んでいて、なぜそう思っているのかに疑念を抱かないものだからだ。 百瀬が「僕」になんの興味もないのも、そのような理由であると思う。まだ、二ノ宮のほうがマシなのかもしれない。相手を憎んだり、笑ったりすることは、相手を同じ人間だと認めているといえることだからだ。 クライマックスの百瀬とコジマが交互に現れるような描写は見事で、「僕」の混乱が追体験できた。何度も聴いてしまった。 伏線の回収不足、という声もあるが、川上さんは純文学志向なのではないだろうか。文章が平易なので、純文学らしくはないが。 最近のエンターテイメント性の高いミステリー小説などは見事に伏線を回収するものばかりだが、純文学であれば、書いたら書きっぱなし(言い方)なのは当然ではあるまいか。私は嫌いじゃない。むしろ好き。 ただ、色々なことを考えすぎて、総合的にこの本をどう評価すればいいのか、わからなくなってしまった。レビューを書くのにも、何日もかかってしまった。好きか嫌いかでいうと、「好き」である。 思考の深みにハマりたい人にオススメしたい。 | ||||
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ただただ読んだ後の不快さ。。残念です。 | ||||
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個人的に、コジマが言う「自分たちに理解できないものがあることがこわいのよ」と、百瀬が言う「君が置かれている状況っていうのは、そういうたまたまが一致した単なるけっかなんだと思うよ」というセリフがいじめのきっかけをとてもよく言い表していると感じた。 また、主人公と話す百瀬のセリフからいじめる側の世界観を伺うことができた。動物的で倫理観がない世界。他人の立場になって考える想像力がないと人間は平気で残酷なことができてしまう。恐ろしく悲しいこと。 コジマがいじめに対処しないことを"受け入れること"として正当化してしまっているがために、イジメの世界から抜け出せずに環境を変えられないのではないかと思い、終始もどかしい気持ちがふつふつしていた。ただ、自分がいざ同じような状況に開かれた場合、何かアクションを取れるだろうかと想像するとわからない。 | ||||
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読書とは種蒔き、読んでる時は理解出来ない事があっても時間が経ちその本の理解出来なかった所がフと思い出してその事を考えたり。 そうこうしていく中でその種から芽がでて成長して(あー、、、もしかしたらこういう事なのかもしれない、、、)と思ったりの繰り返しだったり。 彼女の作る世界はその種が沢山あってどれも私の中で面白い花を咲かせてくれてる。 | ||||
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