(短編集)
こちらあみ子
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
こちらあみ子の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表紙を飾るこの彫刻家を雑誌で見かけたのは10年前で、この作品とよく似ているこの世にいない素敵な生き物の作品だった。 彫刻家が小説の表紙に使われている筒井康隆の残像に口紅をも、とても素敵なので、表紙に惹かれて買ってよかった。 こちらあみ子を読んで、読み始めて、そのまま続けて全部通して読んでしまった。 好きじゃ、殺すのくだりで笑いが込み上げてくるのと同時にあみ子の言葉の真摯さが刺さった。やられた。この作家のファンになった。今村夏子怖い。 どこかの世界をそっくりそのまま断片的に持って来たようなリアルさ。怖い。 作家の頭の中をこんな丁寧に描写して、言葉に残してくれた。ここ2ヶ月で一番夢中になった3時間でした。書いてくれて、感謝。 あみ子って名前、わたしの名前とよく似てるから。 ゾッとしたー | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表題作の「こちらあみ子」の映画版を観て衝撃を受け、思わず原作も購入して読みました。 表題作については映画の方のレビューで書くつもりなので、同時収録されている「ピクニック」について感想を書きます。こちらは表題作ほどの衝撃は受けなかったものの、なんとも言えない後味の悪さやモヤモヤ感があり、恐らく読み手によって感想が変わるので色々と考察のしがいがある小説でした。 【以下ネタバレ】 とある地方都市にあるビキニ姿の女の子たちの接客が売りの飲み屋が舞台。そこに新しく、お店の女の子たちよりちょっと年のいった女性が雇われてきたところから話が始まります。彼女はなんと売れっ子お笑い芸人と付き合っていると言い出し…というのがあらすじ。本音と建前の建前だけの部分、また感情表現をできるだけ排して事実関係だけを淡々と語る文面なので分かりづらいですが、これは所謂イジメの話なんだと思います。場所が学校ではなく職場なだけで。ただ、イジメと言っても中高生ではなく20歳前後の大人がやっているので、わかりやすく無視するとか物を隠すとかではないのがポイントですね。一見、イジメグループは妄想癖のある被害者の有名人と付き合っているという話を疑いもなく信じてくれ応援してくれているようですが、実際は全く信じておらず、妄想に踊らされる被害者を煽っておもちゃにして遊んでいます。それは最後の方にある、被害者の話をあからさまに信じていなかった新人の女の子とイジメグループとのやりとりでわかります。被害者と有名人との関係の今後の展開について新人とお金をかけていたり、「被害者は有名人に頼まれて、彼が落とした携帯を探して毎日必死にドブさらいしていた」と新人に教えている時にニヤニヤ嗤ったり…被害者の話を信じていれば絶対に取らない言動ばかりです。 また、それ以外にもドブさらいの時にご褒美に動物にあげるみたいにピーナッツを投げ与える、イジメグループのダンスレッスンの時に厨房から一人一人の注文に合わせた飲み物やアイスをかっぱらって持って越させる、等々よく読むととても友達とは思えない接し方をしています。 また、この小説で印象深いのがイジメをする人たちの1人1人のキャラクターや個性が全く描かれていないこと。イジメグループは主犯格の名前を取って一貫して「ルミたち」「仲間」と呼ばれていて1人1人の名前がありません。そしてみんな個人的な考えがまるでないかのようにグループで同じ考え、行動を取る。良からぬ行動をする時に、集団になると思考停止する様がよく描かれていると思います。 最初、被害者の妄想話に懐疑的でよく突っかかってた新人の女の子も結局「ルミたち」に感化され、そのグループに加わります。その途端に、それまでは「新人」と呼ばれていたその女の子は個性を失い「仲間」と表現され、それに気づいた時はちょっとギョッとしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んだのは2011年の単行本の方で、表題作と「ピクニック」が収録されたもの。 Amazon商品紹介より、以下です。 あみ子は、少し風変わりな女の子。 優しい父、一緒に登下校をしてくれる兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。 純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。 * まず、「こちらあみ子」について。ネタバレあり。 元が「あたらしい娘」を改題した。原題では、理解し難い配慮だろうか。 「おもしろい、だけじゃない。多様な読みかたができる、豊かで奥行きのある」と、三浦しをんさんが評した通りです。 そういう意味では改題はどうかなー?と思う。 「こちらあみ子」だと、「誰も応答してくれない」→孤立していく。こっちに頭が行っちゃう(固定される)から、作者がどういった意味でタイトルを付けたのかな、っていう想像範囲が狭くなってしまうかな。 さておき、大体が、読めばこの子は発達障がいを持つ子なんかなって決めつける。だが内容には、一切書かれていない。自分もおかげで読後に理解し直したが、発達障がいは近年で、海外からでは40年くらい認知が遅れてると言われている日本。 自分も知識で蓄え始めたのはまだ2~3年ほど前、自分の無知さを呪ったよ。 これからでも知っておいた方がいいと思う。法律も変わっていくし。 アスペルガーとか、よく聞こえてくる。海外ドラマも観た。 公表している有名人らもいるし、発達障がいって病気ではない。理解してほしいのは、どこにでもいるという事で、読んでいるあなたもそうかもしれない。 さて、自閉で自分の興味にしか考えられないあみ子さん。 家族に同級生たち、先生。みんなが優しいが、諦めている。 何が幸せ? 社会で生きていけないのは不幸? それは何が悪いのだろうか? 「無知」「無理解」と、環境が悪いと指摘する。 ここに出てくる周囲の方達も、自分達の社会を守ろうとした。 だが、あみ子の成長とともに、積もりに積もり、あみ子は結局捨てられてしまったように扱われるけど、あみ子自身にはそれが分からないから、それで幸せに思えているからいいかな、ってモヤモヤしながら終わる。 終わり方にも解釈が難しい、最初に戻って読み返したくなる。 そしてループするのか、元のタイトルの「あたらしい」に繋がるのか、 まー、捉え方によってどんな解釈でもできそうな事よ。作家さん、巧い。 ひとまず芥川賞をとっても何ら不思議でもない作品でした。 「ピクニック」について。ネタバレありあり。 読み始めでどこがピクニック?と疑問に感じると思う。最後で分かる。 しかしこれまた、真っ黒だな(笑)。作家さんは対比をよく使う。 一見、いい話かと錯覚させる語り方。これが巧いなと唸る所よ。 人の表と裏を推察しながら読む。でもまさか語り手に悪意があるなんて思いもよらない、してやられた感が最後にあった。 読んでいくうちにアレ変だな、と思い始める。疑い出してからが面白くなってくる(逆に悲しくなって気分悪くなってくるかも)。 これも捉え方でどんな解釈でもできる事よ。 どちらの作品でも、希望が見出せそうにないが、しかし風刺のきいた、余計な事を語らぬ事でこちら任せをさせるその文章力。 一気に読ませますね、読んでよかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今村夏子さんの小説大好きです。こちらあみ子 は出てくる暖かな人たちに囲まれたあみ子を思うと、心揺さぶられます。もう何回読んだか判りません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
プレゼント用でギフトのボタン押してるんやからもっと綺麗な本にして欲しかった 端の方潰れてるやん、お金払ってるねんからちゃんとしいや 本はいいです、自分も読んで好きで買ってるので | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 117件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|