「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

林ちひろは、中学3年生。

あひるを飼い始めてから子供がうちによく遊びにくるようになった。

違和感を抱えて生きるすべての人へ。不器用な「私たち」の物語。

クラスでは目立たない存在の結佳。

“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。

母は結婚をほのめかし、アクセルを思い切り踏み込んだ。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。

受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。

正子は75歳の元女優。

「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。

逆境にもめげず簡単ではない現実に立ち向かい非日常的な出来事に巻き込まれながらもアンハッピーな展開を乗り越え僕たちは逆転する!無上の短編5編(書き下ろし3編)を収録。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。

築21年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。

「大きくなること、それは悲劇である」。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

「死者の提示する謎を、先生が解き明かしてくださいーー」 推理作家として難事件を解決してきた香月史郎【こうげつしろう】は、心に傷を負った女性、城塚翡翠【じょうづかひすい】と出逢う。

東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリが音楽教師として長崎にある中五島中学校へ赴任してきた。

戦争の傷跡を残す大阪で、河の畔に住む少年と廓船に暮らす姉弟との短い交友を描く。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の最新短篇&エッセイ 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」で、 現実こそが正しいのだと、強く信じている永岡。

出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。

恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性ユカリと出会う。

おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティーと、絵が得意でやせっぽちの麦くん。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

いつになったら、私は自由になれるのだろう。恋愛小説の最高傑作。

直木賞作家が５年間苦しみ抜いて到達した祈り。再生と救済の長篇小説。

母と娘。二種類の女性。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。

二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。

大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、 偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。 だが翌日、翠は事故死する。

俳句のリズム、いのちのリズム、俳句を発見する歓びにあふれる、小川楓子の第1句集『ことり』 自然や生き物との対話、暮らしの情景……。

学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

平凡なセールスマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢からさめたある朝、一匹の巨大な褐色の毒虫へと変わった自分を発見する。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ―。

あのとき、ふたりが世界のすべてになった―。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。