(短編集)
あひる
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日常にある違和感や些細な出来事を描いているように思えますが、視点と作者の書き方により、ホラーや夢の中にいるような、奇妙な話を読んでいる感覚になります。 ラストでは「これが私たちが住む世界の本質ですよね?」と静かに教えてくれ、人間の気持ち悪さを突きつけられます。 | ||||
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Amazon商品紹介より以下。 【新たな今村夏子ワールドへ】 読み始めると心がざわつく。 何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。 淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。 あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。 一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。 おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在り様を、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。 * 単行本で読んだ。2016/11/18発行。 よく伏線というか、沢山ありそうで読み返すと面白い。以下、ネタバレしまくり。 表題の「あひる」と、「おばあちゃんの家」「森の兄妹」が続く。 実はこの3編、全部繋がっているのではないかと思う。 時系列でいうと後の2編から戻って「あひる」へ。 ・弟は「将太」くん ・姉は「みのり」 ・おばあちゃんがいた 「あひる」では大人になった「みのり」か?名前が出て来ず「わたし」人称。 そして「おばあちゃんの家」では弟が出てくるが名前は出て来ず、「あひる」では「将太」が出てきた。 そうやって考えてみていくと可能性が大きかった。 家族構成がおばあちゃん・母と父、姉と弟で共通するからまさかな、と思っていたら。うっわ、面白いってなった。 びわ、って家庭で植えると不吉と言われている。 理由は諸説あるが、病人が寄ってくるとかいう。びわは食物としては病気にいいのだが、それが返って病人を寄せつけるというものだ。現に、「森の兄妹」の2人が誘われている。 そして唸ったのが“鳥”だ。気づいた人がいないのかと他を探してもいない。 3編とも“鳥”が出てくる。ニワトリ、あひる、孔雀、キジ。 ニワトリ小屋をあひる小屋にし(「あひる」)、あとの2編中で孔雀とキジが出てきた。 2編が繋がっている事は読めば察しがつくと思う。わたし(みのり)が小さい時に見た孔雀を森の兄妹が見た。実はキジだったが。 それを読んでまた「あひる」を読み返すと、“わたし(みのり)”のとある行動の前に、違った解釈ができた。 あひるが死ぬ前に、カギを探しにきたと言っていた男の子が現れる。 “わたし”は彼が何者なのかを考える。「真夜中に突然やってきて、食べるだけ食べたらサッサと帰っていった不思議なお客さん」「でもどこかで見たことがあるような気が、しないこともない」と思考を綴っている。 これは「森の兄妹」の事を思い出そうとしている。 思い出したどうかは不明だが、結局“わたし”はあひるの恩返しの方をとったようだ。都合のいいように生きる、悪い事は隠す。本書のテーマに添うかもしれないが、1つの発見だった。 「あひる」が他2編の後日談となるなら、おばあちゃんは亡くなったか居なく、 悲しい事を隠すような両親が痛ましい。このままだと断絶してしまいそうだったが、弟夫婦に子どもが生まれ、もしかしたらおばあちゃんが住んでた小屋(可能性が)の後に、取り壊してブランコができる。 こうやって人間は生きていくんだよ。 それを皮肉たっぷりに受け止めた、本作だった。いやぁー、ブラックは好きなもので、こんな短い話の中で探し物をしながら読む、面白かったですな。 こちらを読む前に「こちらあみ子」「ピクニック」を読んだので、ただ坦々と表面では日常を書きながらも、何かあるな~と期待しながら本書を読む事ができた。 もっと深堀りしていったらまた違う発見が出てくるかもしれない。 もしやおばあちゃんは小屋に押し込められていたんじゃないかとか(そこまでは無いだろうと信じたい)。 次は「星の子」を読んでいますが、宗教が出てくる。これも作家の持ち味がふんだんに出てきそうで、楽しみです。 | ||||
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今村夏子の「あひる」は、静かな日常の中に潜む不穏さと不条理を描き出す短編集。 この作品集は、どこか現実離れした出来事が普通の人々の生活に突如として入り込む様子を描写し、読者を引き込む力を持っている。 表題作「あひる」では、一見すると平凡な日常が、少しずつ不穏な色合いを帯びていく様子が巧妙に描かれている。 主人公は日常の中で不可解な出来事に直面し、その異質な現象に対して無力感を抱く。 著者の筆致は、細やかな描写と淡々とした語り口で、現実と幻想の境界を曖昧にし、読者に不安感と興味を同時に抱かせる。 この作品集の魅力は、普通の生活の中にある微細な変化や違和感を丹念に描き出す点にある。 著者のストーリーテリングは、読者が自分自身の日常にも同様の不条理が潜んでいるのではないかという感覚を呼び起こす。 物語の結末が必ずしも明確な解答を与えない点も、読者に考察の余地を残し、余韻を楽しませる要素となっている。 このストーリー展開を楽しめればの話だが。 また、今村のキャラクター描写は非常に繊細で、登場人物たちの内面世界が深く掘り下げられている。 彼らの些細な行動や思考の変化が、物語全体の不安定さや緊張感を増幅させる役割を果たしている。 本書は、今村夏子の文学的技量を存分に感じさせる作品集だと感じる。 日常と非日常が交錯する独特の世界観は、一度読み始めると止まらなくなる魅力を持っており、読者にとって忘れがたい読書体験を提供してくれる。 彼女の作品は、日常の中にある異質さや不条理に対する鋭い洞察を持つ人々に特におすすめ。 | ||||
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ハッピーエンドではなく、読後心にざらっとした感覚が残ります。 『むらさきのスカートの女』が好きな人にはお薦めです。 今村ワールドの読後のざらっと感が、癖になるんだよね… | ||||
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日常を切り取った短編集。 ただ、ジャンルはよくわからない。 タイトルにもなっている1話目の「あひる」は、ちょっと怖い… 親戚から譲り受けて飼い始めたあひる。そのあひるが病気になり病院から帰ってくると別のあひるにすり替わっていた。 そこから、主人公の家ではなんだか不思議で不安な出来事が起きる。 3話の短編があり、物語は淡々と進んで読みやすいが、正直何を伝えたいのかはよくわからない。でも、ぐいぐい惹き込まれる不思議な小説。面白かったです。 | ||||
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