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ヘヴン



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【この小説が収録されている参考書籍】
ヘヴン
ヘヴン (講談社文庫)

ヘヴンの評価: 3.41/5点 レビュー 156件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全156件 1~20 1/8ページ
No.156:
(4pt)

読後の感情が難しい

文体に特徴があるので読みづらい人はとことんまで読みづらいだろうと思います。いじめの描写が長く続き鬱々とした展開が続きますが、結末はかなり美しく印象に残りました。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.155:
(3pt)

思考の深みにハマる

黄色い家を読んでから、川上作品を遡っています。
この作品を好きな作品と挙げる人が多い気がしたので、読んでみた。
とあるレビューで、プチサルトルと、プチボーヴォワールである、というものがあり、主人公が斜視という点で、なるほどサルトルかと思ったが、読み進めていくうちに、主人公である「僕」はサルトルではなく、どこにでもいる私達と同じ弱い人間であり、コジマはガンディーでありシモーヌ・ヴェイユであると思った。

感じたことはいくつかある。
いじめの描写がつらい。Audibleで聞いたが、過去最速の2倍速まで早めてしまった。書籍ながら細目で読み飛ばしていただろう。人間サッカーなんかは、怒りで震えた。いじめが苦手な人は要注意である。

次に、コジマについて。彼女については、賛否両論あるだろう。
コジマが「僕」のことを理解していると思っているのが、初めから間違いのような気がする。コジマは「僕」のことを理解してなどいない。本当は、彼女の母親と同じで、「僕」のことを「かわいそう」と思っていたのではないか。
いらいらした。自分の理想を押し付けるコジマ。自らいじめを受ける要因を作り、そして抵抗しないことを正当化するコジマ。(抵抗することでいじめっ子はますます喜ぶので、ある意味正解ではあるのだけれど、逃げることは決して間違いではない)
コジマがいじめを我慢することで、誰かが救われるわけではない。
コジマの父親は、コジマが「しるし」などというものを作って皆にいじめられることよりも、コジマが幸せに暮らすことを望んでいるはずだ。
と、思って読み進めていたが、クライマックスではコジマに圧倒的な強さを見せつけられ、そのような私の思考は、吹き飛んでしまった。コジマは「ほんもの」であった。

そして、百瀬。この人に関しては、単なる思考停止であり、論理も哲学も正義もない。
「自分にはそれができる」と思っている、という点に疑念を抱かないという点で、思考停止している。
根深い差別は、差別する側が差別される相手を憎んでいるのではなく、「自分たちには当然その権利がある」と思い込んでいて、なぜそう思っているのかに疑念を抱かないものだからだ。
百瀬が「僕」になんの興味もないのも、そのような理由であると思う。まだ、二ノ宮のほうがマシなのかもしれない。相手を憎んだり、笑ったりすることは、相手を同じ人間だと認めているといえることだからだ。

クライマックスの百瀬とコジマが交互に現れるような描写は見事で、「僕」の混乱が追体験できた。何度も聴いてしまった。

伏線の回収不足、という声もあるが、川上さんは純文学志向なのではないだろうか。文章が平易なので、純文学らしくはないが。
最近のエンターテイメント性の高いミステリー小説などは見事に伏線を回収するものばかりだが、純文学であれば、書いたら書きっぱなし(言い方)なのは当然ではあるまいか。私は嫌いじゃない。むしろ好き。
ただ、色々なことを考えすぎて、総合的にこの本をどう評価すればいいのか、わからなくなってしまった。レビューを書くのにも、何日もかかってしまった。好きか嫌いかでいうと、「好き」である。
思考の深みにハマりたい人にオススメしたい。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.154:
(1pt)

残念

ただただ読んだ後の不快さ。。残念です。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.153:
(5pt)

身近にある残酷な世界を感じた

個人的に、コジマが言う「自分たちに理解できないものがあることがこわいのよ」と、百瀬が言う「君が置かれている状況っていうのは、そういうたまたまが一致した単なるけっかなんだと思うよ」というセリフがいじめのきっかけをとてもよく言い表していると感じた。
また、主人公と話す百瀬のセリフからいじめる側の世界観を伺うことができた。動物的で倫理観がない世界。他人の立場になって考える想像力がないと人間は平気で残酷なことができてしまう。恐ろしく悲しいこと。
コジマがいじめに対処しないことを"受け入れること"として正当化してしまっているがために、イジメの世界から抜け出せずに環境を変えられないのではないかと思い、終始もどかしい気持ちがふつふつしていた。ただ、自分がいざ同じような状況に開かれた場合、何かアクションを取れるだろうかと想像するとわからない。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.152:
(5pt)

種蒔き

読書とは種蒔き、読んでる時は理解出来ない事があっても時間が経ちその本の理解出来なかった所がフと思い出してその事を考えたり。
そうこうしていく中でその種から芽がでて成長して(あー、、、もしかしたらこういう事なのかもしれない、、、)と思ったりの繰り返しだったり。
彼女の作る世界はその種が沢山あってどれも私の中で面白い花を咲かせてくれてる。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.151:
(4pt)

こんな終わり方もアリ

黄色い家を読んでからのヘヴン。
中盤くらいまで徐行していた車が突然加速をはじめ、
最後の最後あり得ないスピードで飛ばしたかと思うと突然消えた。
そんなイメージ。

エピローグの部分がなかったので一瞬戸惑いましたが、
こんな終わり方もアリですね。
本でも映画でも伏線回収にこだわる人が必ず一定数いるんだけど、
自分はそんなの別にいいだろって思う。
話がより主人公目線だってことだよ。リアリティを出したのだと思う。
自分が生活してても回りの人間の動きなんて知らないことのほうが多い。

黄色い家と違って250ページしかないので、内容こそ重いですが短時間で読めます。
もう一度読み直して味わいたいです。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.150:
(4pt)

‘実存小説です。おんなは度胸を見せてくれますよ。感動作品。

いったい存在とは何かを問いている。劇的展開をみせる。プチサルトルとプチ・ボーボワールの大変な物語ですぞ。 久々の”実存主義”小説でした。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.149:
(3pt)

理不尽な暴力への抵抗

この世の中は理不尽な暴力に満ち溢れている。国家による侵略、残虐なテロ、学校でのいじめ。それらに対抗する唯一の策は、相手に自らの非をわからせてやるまでひたすらそれを受け入れ続けることなのか。それですべての暴力がなくなるわけではない。相手が自分の非に気が付くことはまれである。だから、暴力を受ける側がそこから逃避することも選択肢としてはあるだろう。それを潔しとせず、逃げるものを非難する権利は誰にもないし、逃げるものが罪悪感を感じることもないはず。ただ、当事者でなければ、こうした暴力は日々のニュースの中で流れ行くだけで、やがてみな忘れてしまう。筆者は当事者でない読者にこの問題の重さを突きつけているのだ。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.148:
(1pt)

「いじめ」をオカズに飯を食うガッカリ本

子供のころから斜視で毎日馬鹿にされてきて、辛い思いをしてきました。斜視は手術しても「戻り」があり、数年ですぐに斜視に戻ります。小説では手術で簡単に治ると書いてありました。私は30代で既に4回手術しておりますが、見た目は気持ち悪い斜視のままです。周囲には「気にならない」「手術前ほどじゃない」など言ってくれる優しい人がいます。しかし、目を見て話しているつもりなのに、いまだに相手が後ろを振り返る事があります。コンビニの店員などにやられてもその度に傷つきます。

作家がこのような病気をろくに調べず「おかず」にすることに強い嫌悪感を感じます。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.147:
(2pt)

重い内容

いじめを受けた側の内面を描写。ひたすら重く展開が少ない。人の内面を上手く描いているとは思うが気持ちが晴れない。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.146:
(3pt)

対象の読者は限られるかもです。

「黄色い家」が面白かったのと、賞を受賞した本という事で読みました。延々と、主人公の男子中学生と同級生の女子中学生が学校でいじめられる光景が続きます。しかも結構エグいいじめです。読むべき人は限られるのかも知れないですね。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.145:
(1pt)

残念

読書としては、加害者への制裁場面は少しくらい見ないと、こんな分厚い本読み終えたのに残念な気持ちになった。主人公が報われない。そして、コジマは精神科入院?回復はできたの?現実には、あそこまで不衛生な状況を学校や親は放置できないでしょう。哲学がどうのとかで評価されてるけど、胸糞悪いただのイジメをつらつら書かれた薄い内容だったと思いました。売れたら勝ちかもだけど、もう二度と読みたく無い本でした。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.144:
(5pt)

残虐な苛めシーンがあるが、考え方として大切なことが書かれてあった

重かった。
途中、残酷な虐めのシーンは読めなかった。

コジマと百瀬の言っている事は逆説のように取れた。
コジマは感情でなんとかできると信じて進んでいるように見受けられた。
対して百瀬の言っていることは至極真っ当なことであると感じた。人はこの事(百瀬の話す内容)に気付いた時点で強くなれるのかもしれない。
そして、この事に気付いたということは、百瀬も実は過去に悩み苦しんだ経験があったのかもしれない。

んー深かった。
頭から離れない。
時系列でコジマのストーリーも知りたくなった。

著者の他の小説も読んでみたいと思った。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.143:
(1pt)

ずっとモヤモヤ

作者の本は初読でした。
本当に小さな世界の話です。
教室とクラスメイトと病院と家。
大人の介入がほぼ無い、子供だけの世界。
ひたすら虐め、加害の描写が続きます。

私は文章を頭で映像として流して理解する人間のようで、1つ1つの描写が本当にキツかったです。
でも、何か全部モヤモヤとしました。
酷い加害のシーンも文章から熱量は感じましたが、なぜか可哀想も怒りの感情を沸かず、無。
いじめは虚無から発生するって事を伝えたいなかなぁと思いもしましたが、
登場人物の信念や考えが誰も理解出来なかった。作中にもありましたが、全員がマスターベーションしてるような感じ。
主人公とコジマは2人でいじめを理由に心の団結を図るけど、いじめから立ち向かう事は特に無く。逆にいじめられる側の美学のような表現もありましたが、被害者としてそのような思考になるのか?と疑問がモヤモヤと。
正直いじめ被害者が読んだらトラウマになると思いました。
いじめを題材にするにあたって、こんなにも加害者有利な表現ばかりはどうなのだろうとモヤモヤ。
加害者が正しいような表現が多々あり、個人的には理解出来なかった。
他の方のレビューを見たら哲学が関係してるとの事ですが、中学生のいじめが題材の今作に混ぜる必要があったのかな、と思いました。
主人公は斜視が治り、コジマの戦いを目の前で見て美しい世界に変わったような最後ですが、ひたすらいじめの描写が続いていたので何かが変わったかというと正直何も変わってない。
心の角度が変わったのかもしれませんが、そこまで何もしなかった主人公が幸せになれる未来は到底予想出来ず、無理矢理な最後だなと思いました。

作者の本は初めてだったので、
他の方々のレビューも見ながら理解していきたいなと思いました。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.142:
(5pt)

とてもよかった

読み進めるごとに絶えず正しさとコジマと僕が変化していった。読了後、作者の不在を感じた。作者の技量がすごい。ドストエフスキーとの関連からこれを読んだのもあって、性格なんてものはなく誰も誰にでもなりうるのだなと強く感じた。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.141:
(5pt)

息子が嗚咽しながら読む私を心配・・・

他のレビューを読ませていただいて、ドキドキしながら読み始めました。先品前半で既に止められなくなり、一晩で読み切ってしまいました。途中でタイトル『ヘヴン』の言葉が出てきますが、読み終わって、その意味を色々と考えさせられました。読書後の後味が良くない、何も解決していないなどレビューで読み、終わりは特に気になっていたのですが、私はこの終わりは好きでした。主人公側が輝くほど、対比でいじめっ子側のその後の落ちてく姿が想像できたからです。主人公にとって斜視であることの意味、コジマが清潔にしなかったことの意味、いじめの壮絶さよりも二人の世界の真実に嗚咽しながら読みました。百瀬のめちゃくちゃな論理も筋もない説明、小説の世界だけれども実の世界もこんな言い訳にもならないようなことがまかり通っているんだろうなと、北海道の旭川のイジメを思い出さずにはいられなかった。人間サッカーのシーンも最後の公園で雷と大雨を降らせた印象的なシーンもペンと紙だけで、ここまでの精神的身体的苦痛を描き切った作者に、改めて小説を読む意味を色々と考えさせられました。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.140:
(5pt)

全てが凝縮された小世界

というふうに感じられ、コジマの強烈な聖性にくらくらし、多分この小説で語られたことはおおよそ人が今まで苦しみの意味を考えてきたことの全てであるように思う。百瀬とコジマを超えてなお、僕らはこの世界をどう生きるのだろうか。これが小説というもののなしうることなのだろう、全てが小さな世界に凝縮されている。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.139:
(4pt)

ミーハーな哲学好きには楽しめる作品

レビューなので、どんな人が読めば面白いと感じられるか書きます。
タイトルにもある通り、僕のようなミーハーな哲学好きの人です。より詳しくいうと、先代の哲学者の思想や理論にはそこまで精通していないが、哲学的な思考を通じてさまざまな物事を考えるのが好きな人です。
哲学マスターな人からすると他のレビューにもあるように安直だったり、粗が目立つ作品のようです。僕にはそんなことよくわからないので、善悪や生の価値について、物語に沿って考えたり、作者が自分と同じ考えを描写してる!って思ったりして楽しみました。
逆に大衆的な勧善懲悪や、イジメに関して深く洞察する作品が読みたい方には全く向いていません。いじめっ子が成敗されるような描写はありませんし、イジメに関する問題提起や解決方法なんかも描写されていないからです。
最後に、星5ではなく、4にしたのは、思想を託すのが中学生なのはさすがに無理があるのではと思ったこと、伏線を全部回収し切る綺麗さがなかったこと(当方伏線回収大好きなので)などが減点だなと思ったからです。ただ、作品全体の面白さに影響はそんなにないと感じたので、4にしてます。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.138:
(4pt)

善悪ではわりきれないこの世界

ブッカー賞候補に選出されたと聞いて手に取った。この著者の作品は「すべて真夜中の恋人たち」に続いて2冊目。

全編胸糞悪いイジメが描かれ、非常に読後感は悪い。
エンタメ小説ではなく純文学なので、勧善懲悪的な読者の溜飲を下げる結末は用意されない。(いわゆる「いやミス」の類いではないのでご注意を。)
いじめる者といじめられる者のいる、この世界のありようを著者ならではの描き方で映しとろうとしてる。

僕と百瀬の直接対話がこの小説の肝だろう。「罪悪感を感じるから殴れない」僕と「感じないから殴る」百瀬(実際に手を下すのは二ノ宮だが)。「ただそれだけのこと、標的は誰でもいい」といういじめる側の論理を前に、噛み合わない対話の虚しさだけが残る。

いじめられる側にコジマという「仲間」の存在が描かれるが、僕が斜視を治す計画を語ることで2人の関係が崩れていく。コジマは斜視の僕をどこかで「可哀想」と思うことで僕とつながっていたかったのかもしれないと感じられる。

いしめる側の百瀬と二ノ宮の微妙な上下関係や、百瀬がなんらかの疾患を抱えていそうなこと、僕と母を中心とする家族関係などがさりげなく描き込まれ小説に奥行きを与えている。

一つ気になったのは、いじめる側の2人をイケてる存在として描き過ぎていること。
時代が違うとはいえ、あからさまにクラスメイトに残酷な嫌がらせをしている人間を怖れこそすれ、トキめいたりする女子ばかりではないはず。いじめる者はまた見えないところで必ず多くの者に嫌われるのだという現実は全く描かれない。

最後に、「すべて真夜中の」でも感じたのだが、美しくきらめく一文があちこちに散りばめられていて、読んでいてしばしばハッとしました。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.137:
(5pt)

読みやすい

好き嫌いはあると思いますが、まず、読みやすいです。日常的に考えられる、身近な問題がここにあると思います。読むかたによって、だいぶ感じかたがことなると思います。英訳されて、ブッカー賞にノミネートされた記事をみて買いました。
とてもいい小説です。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721

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