(短編集)
失われた探険家
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イギリスの異端作家パトリック・マグラア氏の短篇19篇を集めた短篇集。 どれも、普通に始まり、普通だと行かない方向に話が進むという正に異色な短篇ばかりで堪能できました。 主人公が一人称の場合、殆どがわたしで思慮深い感じの語りなので(少し長靴とか蠅の一人称もありますが)、話を読み進めないと男性か女性かよく判らない場合もあるので、よく読んだ方がいいです。 比喩として正確かどうか判りませんが、ある程度清潔で質素な食堂で残飯を食うという感じを覚えましたが、どうでしょうか。 兎に角異色短篇が好きな方は必読。それ以外の方は機会があったら是非。 | ||||
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【マグラアの短編では、不老不死の同性愛者、吸血鬼、両性具有、核戦争後のミュータント蠅の恋愛など、常軌を逸した物語が語られる。まさに奇想に満ちた作品ばかりだが、決して難解なものではなく、したり顔の解説など必要としないはずである。】 SFだったり、ゴシックホラーだったり、ジョーク・パロディだったり、語り口もいろいろあって一口に表現できないが、ギミックよりもその雰囲気を味わう短編集。『天使』では、老紳士のもとに通う青年という、退廃的で耽美な設定でありながら、腐臭を感じさせつつも、そこに惹きつけられる。表題作である『失われた探険家』の少女が持つ危なっかしい不思議な魅力。『アーノルド・クロンベックの話』は上質の短編ミステリであり、物語全体から感じられる設定な舞台の空気感が素晴らしくよい。 | ||||
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この作家については予備知識なく、当然全くの未読のまま本書を読みました。 この叢書は「奇想コレクション」といいつつ、普通にSFとファンタジーばかりだ、と思っていたのですが、その中でこの作品集、この作家は一番「奇想」という文字通りの意味が合っているかもしれません。 叢書としてはむしろ早川の「異色作家シリーズ」のほうがおさまりがよさそうな印象です。ホラー味もシニカルさもあり、「信頼できない語り手」が与える謎めいた雰囲気も含め、かなりミステリ寄りです。近い作家としてロアルド・ダールとかスタンリー・エリンとかの名が浮かぶものの、もっと茫洋として定まらないというか、切れ味が鈍い分痛みがあとをひくというような、癖になるような独特の味わいがあります。 個人的な趣味としては、こういう作品は数編にひとつ混ざっているくらいでちょうどいいかなというところなのですが、好きな方にはたまらない作品集でしょう。 | ||||
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マグラアの持つエレガントな不気味さを、翻訳家の宮脇孝雄氏(クライヴ・バーカーの訳者としておなじみ)が見事に訳しきった。(パトリック・マグラアの名が、パトリック・“マグラス”と、誤って伝えられなかったのは、同氏の功績によるものである) 19の短編からなる本書は、『血のささやき、水のつぶやき』からの再録が13本と、アンソロ本からの再録が3本。初出は3本のみだが、この秀逸な3作品のためだけでも、新たに買い求める価値がある。 「マグラアの作品をまだ読んだことがない」という読者には『スパイダー』などよりも、むしろこの短編集をおすすめしたい。 | ||||
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ゴシック的なホラー作品やSF的な寓話なども悪くは無いのだが、 語り手の精神的な歪みを描いた作品や犯罪を扱った作品が とても真に迫っていて面白いと感じた。 著者の父は精神医ということであるが、なるほどなと思った。 特に心に残ったのは、語り手の語る物語の最後になるまで、 奇妙な出来事だとか、語り手の周囲の人々に非があるように思わせ、 真実が判ってくるうちに、語り手の妄想や病んだ心に気付き、 最後にあっと驚かされるという手法の鮮やかさと怖さである。 例えば、『もう一人の精神科医』の語り手の精神科医によると、 同僚の精神科医がかなり異常で問題のある人間に思えるが、 実は、本人が一番恐ろしい人間であると判るラストにはぎょっとした。 | ||||
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