ゴーレム 100
- 儀式 (103)
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ゴーレム 100の総合評価:
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アタマの中の"ごきげん目盛"が振り切れて・・・ お腹の中のリモコンがコチョコチョくすぐってきた気分! ひぇぇっ!これが "Wide-screen Baroque" てぇモノですかい⁉ 本作と比肩しうるサクヒンを日本で捜すとしたら・・・ 杉浦茂『猿飛佐助』? 根本敬『ミクロの精子圏』?あたりか⁈ | ||||
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内容は素晴らしくロックでファックなのですが届いた商品の状態がシットでした。 多分、倉庫に眠っていたのを引っ張り出してきたのでしょうが表紙の角が潰れているのは気持ちの良いものではありません。 返品までする酷さではありませんが書籍の保管の為にポリ袋を一冊々々に被せて欲しいと思いました。 | ||||
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厚めのハードカバーを前に「よっしゃ」と気合入れて読み始めたが、あっという間だった。 スピード感あふれる文体に引っ張られたせいだ。もうひとつの理由は、眺めるだけのページが大量にあったから。 ベスター読者ならわかりますね。本書がいちばん凄い。 22世紀のニューヨーク、暇を持て余した富裕層の女たち(自称・蜜蜂レディ)が悪魔召還の儀式を行ったところ、 意識下に潜んでいた怪物ゴーレム100が目覚めてしまう。この名前はゴーレム100乗と読むのだが、小さい100が出せない。 ゴーレムは物理法則を越えた大量殺人を繰り返す。精神工学者ナンは、化学者プレイズ・シマを関係者と見なして尾行する。 捜査官インドゥニも事件の真相に迫っていた。 視点人物たちは全員マイノリティだ。ナンは黒人美女・シマは日系人・インドゥニはインド系である。 猟奇事件の解明が、イドの世界と現実をごった混ぜにする大騒動へと発展する。 プロメチウムという稀少元素を用いたドラッグとかパレスチナ・マフィアとか、変なアイデアが大量にぶち込まれている。 目のくらむような飛躍が連発するが、基本は捜査と真相解明であって、軸は一貫してぶれない。 これがベスターだ。「分解男」「虎虎」のベスターだ。「コンピュータ・コネクション」は失望しただけに、ことのほか嬉しい。 悪ふざけやブラック・ジョークが上手く訳されていて、楽しくて仕方がない。 底には人間の意識下と集団意識という深いテーマが横たわっている。これは、ほぼすべての実験小説のテーマでもある。 いわゆるニューウェーブの退屈さに比べて、ベスターは文句なしに面白い。 解説に「サイバーパンクの元ネタになったのでは」とある。サイバーパンクは肌が合わず三冊くらいしか読んでいないが、 意識下のネットワークを扱ったという点で、たしかに本書が原型のような気がする。 ここでもベスターの破天荒な娯楽性に比べて、サイバーは独りよがりで無駄に難解で退屈だ。 本書さえ読んでおけば、変な前衛小説など読む必要はない。なにより単純に面白い。 | ||||
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22世紀を舞台にした空想科学小説です。 テーマは殺人事件、悪霊の召喚、科学捜査、ドラッグ、性、スラム化した雑多な社会での生活等々、多岐に渡ります。 表現も通常の文章表現の他、フォントいじり、隠語、自動筆記、さらには図画をとりいれた抽象表現等、こちらも盛りだくさんです。よくこんなのが翻訳できたもんだと、翻訳者さんの力量を感じます(特に19章はぶっとびすぎ)。 また、内容も濃いので、頭に入れるべき情報が多すぎて、読んでいて大変疲れます。 が、また、それだけの情報を物語の構成力と力技でまとめあげていく過程がリアルで感じられるので、ものすごく面白いです。ドキドキしながら読めます。30年以上前に書かれた(米で1980年刊)とは思えない。 ただ、多大な情報量と、上下左右にものすごく振り回す話の筋、そして500ページというそれなりのボリュームは、この手の小説に慣れていない人が初めて読むには、適していないかもしれません。 それでもベスターの作品に興味がある場合、同著作者の代表作で、見聞きするところ「ゴーレム」よりも王道の冒険SF寄りの「虎よ!虎よ!」を先に読んだ方がいいのかもしれません(まだ私は読んでいないのですが)。 あまりに表現の実験に寄り過ぎているきらいがある作品だと思いますが、私はそれをやってしまう粋な作者の心根が好きです。だから作品としては満点。 ただ、この本で「嫌」な点がひとつ。山形浩生さんの解説がうるさいです。「SFファンの諸兄ならご存知の通りだが」「この表現はこの作品のオマージュ」「ここはウィリアム・バロウズ的表現」だと、私見でこの本をばっさりと語りきってしまいます(しかも仰々しい表現の連続でものすごくうるさい文章。この人はあんまり日本文学に興味ないんだろうなーと思いました)。 これだと、それに関連する本を読む意欲が起こらない。読後の感じ方なんか人それぞれだし、SFファンでなくとも、奇書としてこの本を読もうという人もいるだろうし。全部「あれはこれだ」と言われてしまったら、読む気なくします。もし私がこの「ゴーレム」を解説から読んでいたら、この本を読むのをよしていたでしょう。 ということで、解説のせいで評価減。読後感が悪くなってしまいました。解説は読まずに済ました方がいいと思います(訳者のあとがきはいいんですが)。 | ||||
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ベスターの長編は死後にゼラズニイが書き継いだサイコショップを除くと以上の5作品。 1953:分解された男 1956:虎よ、虎よ! 1975:コンピューターコネクション 1980:ゴーレム100 1981:デシーヴァー 最初の二長編でベスターは伝説になってしまった。第一回のヒューゴー賞を受賞し、オールタイムベスト10に入る作品を書いてしまった。そして、SFから離れてしまい、生きたまま伝説になってしまった。 問題はその後である。生きた伝説がSF界に戻ってくることになり、SFファンはそれ相応の期待をして彼の作品を待ち望んで読んだ。残念ながら20年近い歳月を経て復帰したコンピューターコネクションは期待に応えきったとは言えなかった。 さて、此処で観点の問題だが、果たしてベスターの水準が落ちたのだろうか? それとも、ファンの期待が過大だったのだろうか? わたしはコンピューターコネクションのときには前者だと思っていた。ところが、本作を読んで少し見解が変わってきた。実はベスターはそれほど変わっておらず、ファンの方が勝手に過剰な期待をぶつけていたのかも知れないと思うようになってきた。 コンピューターコネクションにしても本作にしても、虎よ虎よ!と比較すると物足りないと思うのだが、もともとベスターはこんなものではないのだろうか。いずれの作品の時も出版社の付ける惹句は凄いのだが、それは出版社のセールストークだから止むを得ないとして、そのセールストークも基本的には「あのベスターの作品だぞ!」という点を一番プッシュしているような気がする。逆に言えば、過去の伝説に依存して売るのが今のベスター作品の売り方になってしまっているように思う。 実のところ、コンピューターコネクションであれば、サイバーパンクを予見したベスターの先見的長編と言う惹句であれば違った読み方ができたように思う。 本作にしても、ベスターの得意テーマである悪魔召喚や超常感覚を近未来の連続変死事件のミステリーに織り込んで彼特有のタイポグラフィー実験を究極まで推し進めた実験的長編と言う惹句であれば、その通りだと思うし、その通りだから別段文句を言う筋合いではないような気がする。 ところが、昔のベスターの伝説を引き合いに出されてしまうと、どうしても虎よ虎よ!に匹敵するようなものを読ませてもらわないとフラストレーションが溜まってしまうのだ。 上述したとおり悪魔召喚と超常感覚という得意アイデアを盛り込んだ近未来のニューヨークの連続変死事件を扱ったミステリーで、その内容でどうしてこんなに分厚くなるのかと思わせるが、厚さを苦にせず一気に読ませてくれる佳作である。ただし、佳作であって傑作とまでは呼びにくいので、伝説の男の復活長編という風に構えて読むといささか噛合わないだろうと言う気がする。 | ||||
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