破壊された男



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    初公開日(参考)1965年01月
    分類

    長編小説

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    破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)

    2017年01月07日 破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)

    時は24世紀、テレパシー能力をもつエスパーの活躍により、いかなる計画犯罪も不可能となり、殺人はすべて未然に防止されていた。だが、顔のない男の悪夢に悩まされるモナーク産業社長ベン・ライクは、エスパーを買収しその協力を得ることで、ライバル企業の社長殺害を決意する……ニューヨーク市警心理捜査局総監パウエルと、完全犯罪をもくろむ殺人者ライクとの息詰まる死闘を描き、第一回ヒューゴー賞に輝いた名作登場!(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    破壊された男の総合評価:8.25/10点レビュー 16件。Bランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (8pt)

    破壊された男の感想

    東京創元社の《分解された男》として読んだものの再読。ずっと気になってはいたけど、中古価格(amazonで3万ほど)に手が出ず読めないものと諦めていました。文庫化に感謝!
    両訳とも全く同じ時期(昭和40年 5月)に刊行されたもので、当然、訳者はお互いの訳を意識していないので文体がけっこう違っています。

    “ミスタ・ライク、あなたのアイデアの太陽系的なひろがりには、われわれなど足元にも及びません。飛ぶように売れますよ!” 《破壊された男》150ページより
    “社長のアイディアは、まさに太陽のごときスケールの大きさ、私ら一同ただただ、圧倒されて一寸法師のごとき気分でございますぞ。これは絶対確実、楽勝の手で” 《分解された男》153ページより

    大雑把に読み比べてみると、《破壊》は古い言い回しが極力抑えられていて読みやすく、《分解》はそのぶんコミカルさが際立っている印象です。なので初めて読む人には、《破壊された男》のほうをおすすめしたいです。

    巨大企業の社長ライクは、邪魔なライバル企業の社長の殺害を決意する。しかし、人間の意識を透視するエスパーたちが闊歩している24世紀では、殺人を計画しようものなら未然に防がれてしまう。そこで、彼は一級のエスパーである主治医と、音楽会社を経営する女友達の協力によって透視を妨害した上で標的に近づく。こうして、計画通り殺害に成功。ところが、突然現われた被害者の娘に犯行の瞬間を見られ逃げられてしまう。さらに、現場に駆けつけた一級エスパーの捜査官パウエルに目をつけられ……。

    ・世にも稀な倒叙形式のSFミステリ
    ライトノベルが現われてジャンルミックスも盛んになってきた最近はSFミステリと呼べる小説が増えてきいるのですが、それでも《破壊された男》のような倒叙形式の作品はかなり少ないのではないでしょうか。新潮社のアンソロジー《SF九つの犯罪》でも、編者のアシモフが“SF作家はあまり倒叙小説に手を出さない”とはっきり書いています。
    じっさい、これ以外で読んだことがあるものは《73光年の妖怪》《ゴールデン・フリース》くらいしか思いつきません。どちらもSFの要素が探偵対犯人の駆け引きとマッチしていてとても好みの作品です。
    《破壊された男》は頭脳戦というよりも鬼さんこちらの逃亡劇といったおもむきですが、ミステリ要素はしっかりしていてSFミステリにありがちな「ちょっと殺人が起こったので申し分程度に証拠あつめて犯人捕まえたよ」というようなおまけ程度の扱いではなく、伏線の張り方や銃弾消失のトリックなど本格的なつくりになっています。

    ・どれだけ詰め込んでも過負荷にならないベスターの構成力
    作家のディーン・R・クーンツが“他の一ダースぶんの小説に匹敵するアイデアと興奮が盛り込まれている”と評したとおり、どの1ページを開いても楽しいアイディアに溢れています。<共鳴銃>が出てくるところは強烈だし、65年前の作品なのに、<LINE>のような場面が出てきたのには驚きました(読みづらいけど)。
    主人公ライクも社長として働きます。社内のスパイをつまみ出します。歌を聴きます。殴られます。殴り返します。目撃者を追いかけます。パウエルには追いかけられます。葛藤します。裏切られます。コネを使います。宇宙へ逃げます。口封じのために関係者を人工の大自然へおびき出します。爆発に巻き込まれます。見捨てられます。カオスをさまよいます。悪夢におびえます。他にもいろいろ大変なめに遭います。さらにパウエルの視点も織り込んで物語が展開します。なのに、最後はきちんと話をまとめてしまいます。
    一歩間違えれば奇怪なごった煮になりかねないこの作品を物語たらしめているのは何か。それは、現代にも通用するテーマです。
    “ライク、きみの中には、人間が二人いる。一人はいいやつだが、もう一人は腐りきっている。きみがまるっきり人殺しだったら、別に問題はない。だが、半分はくそったれで、半分は聖者なんだ。だから、どうしようもないんだ” 128ページより
    このパウエルの言葉に表れているのは、誰もが持ちうる二面性で、探偵である彼も<うそつきエイブ>(創元版は<嘘つき大統領>)という内なる人格に悩まされている設定です。こういったテーマが通奏低音となって全体に流れているので、様々な要素を包含していながらもひとつのまとまった印象が読後に残ります。
    そして、感動的なラスト。パウエルが放ったテレパシーが心に響く。人の気持ちを考えよう、相手の顔を見よう、正直になろうといったメッセージが込められています。
    いまや古典、しかし時代の垣根を超える傑作です。

    samil1890
    7F502VMK
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.15:
    (3pt)

    素人の感想として

    普段SFはほとんど読まない人間ですが、勧められて読みました。訳の良さや作者の別作品等は存じませんので、純粋に物語としてのレビューを書きます。

    ストーリーはそれなりに面白かったです。良くも悪くも疾走感があります。
    ただ普段洋書のSFを読み慣れないせいか、情報がごちゃついているように感じました。一言で言うと読みにくい。情報の取捨選択が上手くできず、イマイチ乗り切れないというか。そのせいで最後の真相もさほど衝撃がありませんでした(展開自体はそこそこ衝撃的ですが、それに衝撃を受けるための準備がこちらに整っていない)。

    設定部分は数十年前の作品とは思えない新鮮さがありましたし、文体にも実験的な仕掛けが多々あって、それらは面白かったです。
    破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)より
    4150121117
    No.14:
    (1pt)

    今更読んでも陳腐でつまらない

    70年前は面白かったのかもしれないが2023年に読むと流石にしんどい250pあたりで断念
    破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)より
    4150121117
    No.13:
    (5pt)

    足ガクガクで立てなくなります

    新訳発売月に買って家で5年寝かして読んでみました。いやいや、これは賞とりますよ!確実に20代で読んだ本sf部門マイベスト10に入ります。すごい凄すぎるベスタぁぁー!!
    破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)より
    4150121117
    No.12:
    (5pt)

    分解された男

    「虎よ!虎よ!」と合わせてべスターの2大お宝を保管用に。
    破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)より
    4150121117
    No.11:
    (5pt)

    最後までスリル満点で楽しめる

    エスパーが人の頭の中を覗き見られるので、殺人事件が70年以上も発生していない時代の物語。モナーク産業の社長であるベン・ライクは会社を守り成長するためライバル企業の社長であるドコートニーを殺害する。もちろんエスパーにばれないように綿密な計画を立ててだ。一方でニューヨーク市警心理捜査局総監のパウエルは自身のエスパーとしての能力を活用しながら、ライクを追い詰めようとする。逃げるライクに追うパウエル。「顔のない男」に苦しめられるライク。そして驚きの真相が結末にくる。最後までスリル満点で楽しめました。
    破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:破壊された男 (ハヤカワ文庫SF)より
    4150121117



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