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破壊された男
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破壊された男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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普段SFはほとんど読まない人間ですが、勧められて読みました。訳の良さや作者の別作品等は存じませんので、純粋に物語としてのレビューを書きます。 ストーリーはそれなりに面白かったです。良くも悪くも疾走感があります。 ただ普段洋書のSFを読み慣れないせいか、情報がごちゃついているように感じました。一言で言うと読みにくい。情報の取捨選択が上手くできず、イマイチ乗り切れないというか。そのせいで最後の真相もさほど衝撃がありませんでした(展開自体はそこそこ衝撃的ですが、それに衝撃を受けるための準備がこちらに整っていない)。 設定部分は数十年前の作品とは思えない新鮮さがありましたし、文体にも実験的な仕掛けが多々あって、それらは面白かったです。 | ||||
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70年前は面白かったのかもしれないが2023年に読むと流石にしんどい250pあたりで断念 | ||||
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新訳発売月に買って家で5年寝かして読んでみました。いやいや、これは賞とりますよ!確実に20代で読んだ本sf部門マイベスト10に入ります。すごい凄すぎるベスタぁぁー!! | ||||
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「虎よ!虎よ!」と合わせてべスターの2大お宝を保管用に。 | ||||
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エスパーが人の頭の中を覗き見られるので、殺人事件が70年以上も発生していない時代の物語。モナーク産業の社長であるベン・ライクは会社を守り成長するためライバル企業の社長であるドコートニーを殺害する。もちろんエスパーにばれないように綿密な計画を立ててだ。一方でニューヨーク市警心理捜査局総監のパウエルは自身のエスパーとしての能力を活用しながら、ライクを追い詰めようとする。逃げるライクに追うパウエル。「顔のない男」に苦しめられるライク。そして驚きの真相が結末にくる。最後までスリル満点で楽しめました。 | ||||
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御多分にモレず、沼沢 洽治・訳の 創元SF文庫版『分解された男』 の方を先に読んで シマッタ!ってクチなんですが。 伊藤典夫先生の純正品にふれて はじめてちゃんとしたカタチで 第1回ヒューゴー章を受賞した 伝説の長編SFに触れることができた気がします。 でも、こうして読み比べてみると アッチのひどさ加減に もしかして伊藤先生が雑誌『面白半分』に連載してた ”メチャクチャ翻訳”の 知られざる一篇なのでは? という思いも湧くな~。 あ~、”メチャクチャ翻訳”もこの際どっかで 単行本にならンものかねぇ? | ||||
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一読して、SFと言うよりミステリー風である。ラストの意外性、衝撃性は迫真にせまるモノがある。と同時に、ベスターはこのような作家だったのか、という感じがしないでもない。他の作品に期待しましょう。 | ||||
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改めて読んでみた(前回は沼沢訳、30年以上前だったと思う)。単純に言って、設定などが過剰で物語は破綻している。だが第1回ヒューゴ賞を取った事が示すように65年前の感覚はこれだったのでしょう。「虎よ虎よ」ほどではないが、理詰めではない書きなぐりの勢いを味わう作品なのだと思う。ここは頭の切り替えが必要。ともかく罵倒のような会話は結構楽しいし、ガジェットを示す漢字単語はわくわくする。読み終わって何かが残る感動作・感心作ではないが、読むという楽しみは確実に与えてくれる。ただし奇天烈な記号的単語表現は原文を当たっていませんが、私の好みではなく、今ではちょっと恥ずかしい。ゆえにマイナス1点。 | ||||
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当時としては斬新だったかもしれないが、今一つ入り込めなかった。 | ||||
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創元版の「分解された男」は未読ながら知っていましたが、復刊された本書の存在は知らず…「分解」「破壊」では結構違うよな、と思いながら読み始めました。 まず登場するやたら感情的、好戦的な大成功を収めたアメリカ人ビジネスマン--こんな人物造形を2017年初頭に読むと、どうしてもイメージとして彼の国のリーダーになった不動産王のイメージと重なってしまい--いやいやベスターの描写ではずっと年齢の若いそれなりに風采の良い男のはずなのですが…せめて2年前に読みたかったなという気持ちが拭えぬまま、でもドライブ感の強い文章からたちまち内容に引き込まれていきました。 そして終盤まで読み進むと、創元版の翻訳者が、タイトルのdemolishに対して「破壊」ではなく「分解」の訳語を選んだ意図がわかります。「分解」したものは「再構築」できる、という点で、この世界のdemolishは確かに「分解」に近いから。 それでも私としては、原タイトルの意により近い「破壊」がやはりふさわしいと考えました。 私にとってベスターの魅力は、作家本人が意図しているのかいないのかすらよくわからない、明るくスタイリッシュなディストピア、と思える世界観なのですが、本書においても、完膚無きまでの破壊ではない--破壊が最適な言葉かどうかも判然としない--この「破壊」の状態は、まさに明るく、前向きですらあるディストピアに思えます。 こういう感想は、同時代に読んでいたら抱かなかったであろう読み手の勝手な解釈によるものかもしれません。が、そういう読み方を許容してしまうからこそ、今でも色あせない作品なのでしょう。そう思うと、彼の国のリーダーのイメージ含め、2017年になって始めて読んだことを後悔しなくてもいいかな、と思い直しています。 | ||||
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時は2301年。地球には他人の心を読み取る能力をもつエスパーが多数存在し、その異能を活用して犯罪を未然に防ぐ心理捜査局が設けられていた。 経営危機に陥ったモナーク産業の社長ベン・ライクは買収を計画したライバル会社ドコートニイ・カルテルの社長を殺害する。心理捜査局のエスパー総監リンク・パウエルはライクを容疑者とみて追及するが、確たる証拠を見つけることができない…。 ----------------------- 1953年に出版され、第1回ヒューゴー賞を受賞した古典SFです。寺田克也氏のおどろおどろしいカバーイラストを目にして、これがかなり怪異に満ちた小説なのだろうと構えた上で頁を繰り始めたのですが、私のこの予想を裏切る奇妙なユーモアが全編を覆っていることに早々に気づきました。 そもそもライクがコートニイを殺すに至る経緯が、ライクの勘違いにあります。冷静な読者であれば、なぜこれが殺害の動機になるのかと首をかしげたくなるほど迂闊な話で、私は一瞬、このくだりはひょっとしたらベテラン訳者・伊藤典夫氏の誤訳ではないかと思い込んだほど。ライクの粗忽者ぶりたるや苦笑を禁じ得ません。 またライクの凶器は古風な拳銃なのですが、銃というものがこの300年ほどで姿を消してしまった世界での殺人事件であるため、死因を特定できない捜査当局の会話がなんとも珍妙な展開を見せます。ここも思わず笑ってしまいました。 さらには、エスパー2人がテレパシーで交わす会話は、頁の上下で別れて当世風のLINEのやりとりのように記述されます。そのところどころに<笑っている馬のイメージ>だの<ウィンクした眼のイメージ>だのが挿(さしはさ)まれるさまは、現代の絵文字あるいはスタンプと全く同じ。サム・@キンズと書いてアトキンズ、ワイ&(原著ではWyg&)と書いてワイガンドと読ませるところもネット時代を先取りしていると言わざるを得ません。1950年代にこうした表現方法はポップかつクールこの上なかったことでしょう。 フィリップ・K・ディックの『マイノリティ・リポート』(1956年)よりも3年早く、超能力によって犯罪を未然に防ぐというプロットを構築している点でも、この小説が時代のかなり先を行った作品だといえます。 金星に人類が移住しているなど、さすがに現代の科学知識に照らすと無理のある設定が見られるのは仕方ないとして、完全犯罪を目指すライクの手管といい、物語の終盤でパウエルがライクを追い詰めていくSF的展開といい、SFミステリ劇としてなかなか読ませる作品に仕上がっています。 残念なのはこの作品を発表から60年を経過した古典としてしかもう私たちは読むことがかなわない点です。発表当時にコンテンポラリー(同時代)な作品として読むことができた読者は、時代の最先端を行く物語として楽しむことが大いにできたことでしょう。そうした読者が羨ましくなりました。 --------------------------- *97頁:「図太く」に「オーダシアス」とルビが振られていますが、英語の「audacious」の発音はカタカナ表記するなら「オーデイシャス」とするのが原音に近いといえるでしょう。 *176頁:「ライクは彼女を無視し、神経混濁銃を手に取るチューカの額につきつけた」とありますが、この場面では神経混濁銃を手に取っているのはライクです。ですから「ライクは彼女を無視し、神経混濁銃を手に取ると、チューカの額につきつけた」とするのが正しいと思います。 *192頁:「ジョン・F・ケネディ空港に連絡してくれ」とありますが、1953年に書かれたこの小説にどうして1963年に暗殺された大統領の名前がついた空港が出てくるのだろう、ひょっとして作者のベスターには未来予測の力があるのかと思って原著を調べたら、「Call Idlewild. (アイドルワイルド空港に電話してくれ)」となっていました。1963年にジョン・F・ケネディ空港に名称変更されるまであの空港はアイドルワイルド空港と言われていたわけです。ただ24世紀のアメリカを描いたこのSF小説の中で20世紀前半のアイドルワイルド空港という呼称が使われるのはおかしいと訳者の伊藤典夫氏は考えたのでしょう。 これも翻訳のひとつのありかたといえるのかもしれません。 | ||||
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再読。と言うのかな?35年前に創元の沼沢訳「分解された男」を読んでいるのですが、伊藤訳は今回が初めて。名訳とのうわさを聞いていたので、以前から一度読んでみたいと思っていたのです。正直、ストーリーもほとんど忘れているし。創元の小さな活字はちょっと辛くなってきたことだし。 で、読みました。 そうだ、こんな話だったなあ。読心能力を持つエスパーがたくさんいる未来で、主人公ベン・ライクの計画殺人をエスパーのニューヨーク市警総監が捕まえようとする話だけれど、悪役のベン・ライクの異様な迫力に妙な魅力があって、登場人物が多彩で、舞台もめまぐるしく変わり、サスペンスが盛り上がって、危機一髪で。 でもね。乗れないのですよ。ストーリーに。 『緊張と、張筋が 緊張と窮境と紛糾のはじまりや』では、頭に残らない。 頭の中にしつこく鳴り響く『もっと引っぱる、いわくテンソル 緊張、懸念、不和がきた』でなければ。 35年経ってもこのフレーズだけは覚えていました。 気になったので創元版を捜してきて比べてみました。他の箇所の訳はどっちもどっち。〈金ピカの死体(ほとけ)〉と《金色お化け》も、「ピップ」「ハップ」「ビム」「バム」と、「フン」「ヘン」「ホン」「ハン」も。両者の翻訳にはそれぞれ味があります。 まったく同時期に、別々に翻訳された長編がライバル社から同時に発売されるという、この時期でなければ考えられない奇蹟のような状況。 35年前、水鏡子の法則によって「分解された男」を読んだ男は、今もその影響から逃れられないことを実感したのでした。 | ||||
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半世紀ぶりについに復刊されたハヤカワ文庫版(伊藤典夫訳)の「破壊された男」。 創元SF文庫版(沼沢訳)の「分解された男」は流通していましたが、このハヤカワ文庫版は中古市場で高値がついて入手が難しかったため、今回の復刊は喜ばしいことです。 ハヤカワ版と創元版のどちらの翻訳がいいのかは、それぞれ個人の好みになろうかと思いますが、今回復刊されたハヤカワ版の伊藤典夫の翻訳には、ぐいぐいと引っ張るスピード感の強さとテンポの良さを感じさせられます。 たとえば、主人公ベン・ライクはしょっちゅう周りの人間に怒鳴り散らす場面がみられますが、エスパー医師による診断場面をそれぞれ比較してみると、 創元SF文庫版 「馬鹿野郎、このぶったくり屋!おれの頭の中をのぞけば、すぐわかるじゃないか、そのくらい。いや、すまん。おれとしたことが、いささかはしたないな。」 ハヤカワ文庫版 「うすのろの寄生虫め!自分でのぞいてさがせ。いや悪いことをいった。わるかった。子どもみたいだな」 となっています。 本書は、1950年代に発表されたSFの古典ともいえる作品ですが、古びた感じは全くなく、むしろ新鮮な面白さを味わえます。 たとえば「サム・@キンズ」「ダフィ・ワイ&」「ジョー・1/4メン」といった登場人物の名前もアルファベット以外の記号を含ませるなど、とてもクールです。「@」なんかはネット社会の現在において必須の記号ですが、50年以上前の小説で「@」を名前に使うなんて、その発想の先進性に今更ながら驚かされます。 悪夢に悩まされる大企業社長ベン・ライクの暴走ぶりと、ニューヨーク市警心理捜査局総監リンカーン・パウエルの冷静な行動、ライクのライバル会社社長の娘バーバラの謎の行動、質屋のジェリイ、心理ソング会社のダフィ・ワイ&などなど魅力的な登場人物に彩られたスピード感あふれるエンターテイメント作品の復刊に感謝。 | ||||
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アマゾンにはまだ予定になってないが、早川書房によると2017年1月7日に864円で発売予定になってます。 | ||||
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東京創元社から現在も出ている訳は、意外と知られていないようですが、非常に誤訳が多くとても読めたものではないのです。 それに対し、ブラッドベリなどの名訳で圧倒的な知名度を誇る「破壊された男」の翻訳家、伊藤典夫の訳はすばらしい。 訳文がとにかく美しいのだ。 貴方はこの訳文を読むためにだけでも本書を古本屋やらで買うべきである。 「分解された男」は読んではならない。あれでは翻訳の悪さによって、主題が掻き消されてしまっている。 「分解された男」をまずゴミ箱に放り込み、「破壊された男」の一字一字を味わいながら読むべきである。 | ||||
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