(短編集)
さあ、気ちがいになりなさい
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フレデリック・ブラウンは有名SF「火星人ゴーホーム」などの著者として知っていたものの読書歴がなかったが、某ブック系女性ユーチューバーが本作を激賞していたため読んでみることにした。結果、とんでもなく面白い短篇集で、未読であったことを後悔するほどだ。短編11篇と表題作である中編1篇が収録されていて、白眉はやはり表題作。ただそのほかの諸作も、SF、ミステリ、ホラーなど多彩で、いずれも極めてレベルが高い名作ぞろい。ブラッドベリとならぶ短編の名手と確信した。以下は各篇の紹介。 ・「みどりの星へ」 宇宙船が故障し、ある惑星に取り残された一人の男。地球に戻ろうと放浪を続けていたある日、男の前に一隻の宇宙船が現れて…。 ・「ぶっそうなやつら」 凶悪な殺人犯が脱走したいなか町。偶然出会った二人の男が、相手が脱走犯ではないかと疑心暗鬼に陥り、お互いにとった行動の結末は…。短篇集「真っ白な嘘」にも収録。 ・「おそるべき坊や」 封印されていた悪魔がついに目を覚まし、本性を現したのは手品ショウの舞台上だった。そこに、手品に興味津々の幼い少年があらわれる。 ・「電獣ヴァヴェリ」 宇宙からの侵略をうけ、地球では一切の電気が使えなくなった。蒸気や油の活用で電気を使わない生活に順応していく人類だが…。 ・「ノック」 宇宙人の出現で、一瞬にして人類は滅ぼされた。宇宙人に監視された部屋の中で、生物標本としてただひとり生かされた男の目に、ある日ひとりの女が現れる…。 ・「ユーディの原理」 小説家の男の友人が、言葉にするだけで希望がかなうという発明をする。男は発明品を使い小説を執筆させることを思い付くが、その小説の内容とは…。メタフィクションな作品。 ・「シリウス・ゼロ」 宇宙船の船長らが発見した新たな惑星は、映画セットのような世界。そこで、かつての友人に再会し驚く。ところが船長があることを思い出した途端…。 ・「町を求む」 ある街を支配する組織のボスとその座をねらう手下が取引し、手下は街を出て新たな街を探す。彼が容易に支配できる街とは果たして…。 ・「帽子の手品」 男女4人組のパーティで、男二人が手品のタネをめぐり言い争いになる。行きがかり上、一方の男がある手品を披露することになるが…。 ・「不死鳥への手紙」 原爆戦で放射能を浴びて体質が変わり、18万年も生き続けている男。男は、宇宙の中で人類のみが不死鳥の存在であると語る。その理由とは…。 ・「沈黙と叫び」 駅で汽車を待つ男が、見知らぬ男に時間を尋ねるが反応がない。駅長によると、その男は耳が聞こえず、そして人殺しであると語りだす。短篇集「真っ白な嘘」にも収録。 ・「さあ、気ちがいになりなさい」 新聞記者の男は、編集長命で病を装い精神病院へ偽装入院することになる。しかし、彼は、本来の自分はナポレオンであるとの記憶を持っていた…。入院の実の目的はいったい何か、彼は何者なのか…。 | ||||
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フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」読了。尖ったタイトルだなと思ったら訳者はなんと星新一!期待通りのアイディアに溢れたSF短編だった。特に電獣ヴァヴェリが秀逸。正体不明の地球外生命に電力を奪われ危機に瀕した人類が意外にも明るい暮らしを見出していく展開に魅了された。手塚治虫や藤子不二雄の作品にも影響を与えたんじゃないかなと思われるものも散見され著者のSF的なアイディアを生み出す底力を感じた。 | ||||
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かの星新一による訳です。ひらがなが多い。 いきなりタイトルに放送禁止用語、倫理的にどうかな?と思います。 昔はよかったのかもしれませんが。 原題が「Nothing Sirius」というタイトルは「シリウスゼロ」と訳されています。 「Nothing serious (だいじょうぶ、気楽に行こう)」を恒星のSiriusにかけたシャレですが、英語を英語に訳すというのもどうなのでしょう?タイトルオチのストーリーなのですが。 「電獣ヴァヴェリ」 wavery は電波のことですから普通なら表記はウェイヴリーかウェーブリーでしょう。 vader の表記はヴァデルですが、本文にもinvader の略とあるのでヴェイダーかベーダーと読むべきです。 スターウォーズ のダースヴァデル?ありえない。 Radio はラディオと読みがながあります。ラジオかレイディオが普通です。 もしかしたら原文に発音記号があるのかもしれませんが。 内容は、光線銃、電波怪獣、ナポレオン・パラノイア・・・ 古き良き時代のふつうのSF、星新一を好きな読者向き。 | ||||
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星新一さんの前にもショートショートの傑作があったのだな。「電獣ヴァヴェリ」設定と文明批評がすばらしい。「不死鳥への手紙」“人間にとっては、ただ狂気だけが神なのだから”。「沈黙と叫び」シュレディンガーの猫。「さあ、気ちがいになりなさい」読者の意識の足元をゆさぶる傑作。 | ||||
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異色作家短篇集新装復刊第2弾。 収録作は 「みどりの星へ」 「ぶっそうなやつら」 「おそるべき坊や」 「電獣ヴァヴェリ」 「ノック」 「ユーディの原理」 「シリウス・ゼロ」 「町を求む」 「帽子の手品」 「不死鳥への手紙」 「沈黙と叫び」 「さあ、気ちがいになりなさい」 となっております。 書かれた時期が40年代から50年代の作品が多い様で、今の視点で読むとSFというより牧歌的なほら話タイプの作品が多い様に思えました。 この頃はまだ21世紀は火星を開拓して植民したり、他の星に住んでいるらしい生命体と交流したり海底に都市を造って暮らす、という感じの幻想があった頃らしいので、そういう時代の雰囲気を反映した作品になっている感じに思えました。 それと、作中人物が読んでいる人に語りかけたりする作品が幾つかあるので、小説の虚構性を暴露した後にメタフィクションと呼ばれる感じの作品もあるので、先鋭的な感じもしました。 少し古くなりましたが、今でもそれなりに読める短篇集。機会があったら是非。 | ||||
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