■スポンサードリンク
(短編集)
さあ、気ちがいになりなさい
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
さあ、気ちがいになりなさいの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フレデリック・ブラウンは有名SF「火星人ゴーホーム」などの著者として知っていたものの読書歴がなかったが、某ブック系女性ユーチューバーが本作を激賞していたため読んでみることにした。結果、とんでもなく面白い短篇集で、未読であったことを後悔するほどだ。短編11篇と表題作である中編1篇が収録されていて、白眉はやはり表題作。ただそのほかの諸作も、SF、ミステリ、ホラーなど多彩で、いずれも極めてレベルが高い名作ぞろい。ブラッドベリとならぶ短編の名手と確信した。以下は各篇の紹介。 ・「みどりの星へ」 宇宙船が故障し、ある惑星に取り残された一人の男。地球に戻ろうと放浪を続けていたある日、男の前に一隻の宇宙船が現れて…。 ・「ぶっそうなやつら」 凶悪な殺人犯が脱走したいなか町。偶然出会った二人の男が、相手が脱走犯ではないかと疑心暗鬼に陥り、お互いにとった行動の結末は…。短篇集「真っ白な嘘」にも収録。 ・「おそるべき坊や」 封印されていた悪魔がついに目を覚まし、本性を現したのは手品ショウの舞台上だった。そこに、手品に興味津々の幼い少年があらわれる。 ・「電獣ヴァヴェリ」 宇宙からの侵略をうけ、地球では一切の電気が使えなくなった。蒸気や油の活用で電気を使わない生活に順応していく人類だが…。 ・「ノック」 宇宙人の出現で、一瞬にして人類は滅ぼされた。宇宙人に監視された部屋の中で、生物標本としてただひとり生かされた男の目に、ある日ひとりの女が現れる…。 ・「ユーディの原理」 小説家の男の友人が、言葉にするだけで希望がかなうという発明をする。男は発明品を使い小説を執筆させることを思い付くが、その小説の内容とは…。メタフィクションな作品。 ・「シリウス・ゼロ」 宇宙船の船長らが発見した新たな惑星は、映画セットのような世界。そこで、かつての友人に再会し驚く。ところが船長があることを思い出した途端…。 ・「町を求む」 ある街を支配する組織のボスとその座をねらう手下が取引し、手下は街を出て新たな街を探す。彼が容易に支配できる街とは果たして…。 ・「帽子の手品」 男女4人組のパーティで、男二人が手品のタネをめぐり言い争いになる。行きがかり上、一方の男がある手品を披露することになるが…。 ・「不死鳥への手紙」 原爆戦で放射能を浴びて体質が変わり、18万年も生き続けている男。男は、宇宙の中で人類のみが不死鳥の存在であると語る。その理由とは…。 ・「沈黙と叫び」 駅で汽車を待つ男が、見知らぬ男に時間を尋ねるが反応がない。駅長によると、その男は耳が聞こえず、そして人殺しであると語りだす。短篇集「真っ白な嘘」にも収録。 ・「さあ、気ちがいになりなさい」 新聞記者の男は、編集長命で病を装い精神病院へ偽装入院することになる。しかし、彼は、本来の自分はナポレオンであるとの記憶を持っていた…。入院の実の目的はいったい何か、彼は何者なのか…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」読了。尖ったタイトルだなと思ったら訳者はなんと星新一!期待通りのアイディアに溢れたSF短編だった。特に電獣ヴァヴェリが秀逸。正体不明の地球外生命に電力を奪われ危機に瀕した人類が意外にも明るい暮らしを見出していく展開に魅了された。手塚治虫や藤子不二雄の作品にも影響を与えたんじゃないかなと思われるものも散見され著者のSF的なアイディアを生み出す底力を感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かの星新一による訳です。ひらがなが多い。 いきなりタイトルに放送禁止用語、倫理的にどうかな?と思います。 昔はよかったのかもしれませんが。 原題が「Nothing Sirius」というタイトルは「シリウスゼロ」と訳されています。 「Nothing serious (だいじょうぶ、気楽に行こう)」を恒星のSiriusにかけたシャレですが、英語を英語に訳すというのもどうなのでしょう?タイトルオチのストーリーなのですが。 「電獣ヴァヴェリ」 wavery は電波のことですから普通なら表記はウェイヴリーかウェーブリーでしょう。 vader の表記はヴァデルですが、本文にもinvader の略とあるのでヴェイダーかベーダーと読むべきです。 スターウォーズ のダースヴァデル?ありえない。 Radio はラディオと読みがながあります。ラジオかレイディオが普通です。 もしかしたら原文に発音記号があるのかもしれませんが。 内容は、光線銃、電波怪獣、ナポレオン・パラノイア・・・ 古き良き時代のふつうのSF、星新一を好きな読者向き。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
星新一さんの前にもショートショートの傑作があったのだな。「電獣ヴァヴェリ」設定と文明批評がすばらしい。「不死鳥への手紙」“人間にとっては、ただ狂気だけが神なのだから”。「沈黙と叫び」シュレディンガーの猫。「さあ、気ちがいになりなさい」読者の意識の足元をゆさぶる傑作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
異色作家短篇集新装復刊第2弾。 収録作は 「みどりの星へ」 「ぶっそうなやつら」 「おそるべき坊や」 「電獣ヴァヴェリ」 「ノック」 「ユーディの原理」 「シリウス・ゼロ」 「町を求む」 「帽子の手品」 「不死鳥への手紙」 「沈黙と叫び」 「さあ、気ちがいになりなさい」 となっております。 書かれた時期が40年代から50年代の作品が多い様で、今の視点で読むとSFというより牧歌的なほら話タイプの作品が多い様に思えました。 この頃はまだ21世紀は火星を開拓して植民したり、他の星に住んでいるらしい生命体と交流したり海底に都市を造って暮らす、という感じの幻想があった頃らしいので、そういう時代の雰囲気を反映した作品になっている感じに思えました。 それと、作中人物が読んでいる人に語りかけたりする作品が幾つかあるので、小説の虚構性を暴露した後にメタフィクションと呼ばれる感じの作品もあるので、先鋭的な感じもしました。 少し古くなりましたが、今でもそれなりに読める短篇集。機会があったら是非。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奇想天外、摩訶不思議な12の短編集から構成されており、今読んでもそれ程色褪せもしていなく SF初心者の僕でもサクサクと楽しく読める入門書的な位置づけになるであろう本作でした。 同じく狂気モノのフィリップ・K. ディックの『市に虎声あらん』は触手を伸びなかったので 丁度良い機会で次回は挑戦しようと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フレデリック・ブラウンの小気味良い文体と意外性がミックスした作品集である。【ノック】では、地球上で最後に残った男が、部屋にいた。するとノックの音が…。【みどりの星へ】では、ある惑星へ不時着した、宇宙飛行士の悲劇と哀しみが胸をうつ。【さあ、気ちがいになりなさい】では、衝撃のラストとハッピーエンド。さすがです。フレデリック・ブラウンの文句無しの快心作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本編は、素晴らしい短編集。 ただ、巻末の坂田女史の解説は読む価値がないというか、他のレビューにもあるけど【読んではいけない】。ネタバレされます。 この本を読んでブラウン作品をもっと読んでみようと思った私の読後感を最悪にしてくれた。この短編集に収録されていない短編について、 「この作品は、こう見せかけて、こういうオチなの!」 を何個も書き連ねているだけで文字数を稼ぐのは、解説なのか?作品の仕掛けというか、オチが素晴らしいと力説する割に、それを何の捻りもない拙い文章に纏めるという最低の方法で伝えてしまうのは、無神経かつ自己中心的だし、作者へのリスペクトも感じない最低の行為ではないでしょうか。創作者とは思えない。 素晴らしいのはブラウン作品であって、それを読んだことがあるあなたではないのです。 坂田靖子さんは漫画家としてはすごい方だとは思うけども。 「これくらいみんな読んでるはずだから問題ないよね^^」って意図ならあらすじを何本も書き連ねる意味はないし、ほんと文字数稼ぎしたかったようにしか見えない。 色々書きましたが本編は本当に素晴らしい。 また読みたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
愛読書の再読は、なるべくしないことにしている。きりがないから。 でも、本書は新装版を数ページ読み始めると、止まらなくなって読了した。 最もタイトルを口にしにくい本のひとつ。 収録作の大部分は40年代の発表なので、改めて感心した。 奇想縦横、微妙な人情の綾から宇宙の運命まで、題材のバラエティの広いこと。サスペンスもSFも、どちらもいい。 短編小説のエッセンスが詰まった作風は、黎明期の日本SFに大きな影響を与えた。 総解説の本に「SFアイデアだけで書けた時代がうらやましい」みたいな意見があった。アホぬかせ。 アンタがその時代に生まれていても、絶対にブラウンにはなれなかった。 ブラウンの作品群が、ほかの誰に書けるというのか。 坂田靖子の解説は読まないほうがいい。本書だけでなく、ほかの作品までオチを割りまくっている。 創作者とは思えない無神経さだ。 初読なら間違いなく最高点だが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このタイトルを一目見て興味を持つかスルーするかで合うあわないわかります。大変すぐれたタイトル。 面白いは面白いのですが奇想天外というほどではなく、オチは読んでて予測できる範囲。 でもそれがいいんですよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非日常的なものから日常的なことさえも題材にして心の中にぐさりと切り込んでくる感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
異色作家短篇集の中でも1、2位を争う強烈なタイトルだと思います。 印象に残っているのは「ユーディの原理」はドラえもんの道具を思い出しました。 時間の経過を感じさせずに時間を進めることの出来る道具。 凄い細かいネタですが「おそるべき坊や」にガーバー大王というキャラが出てくるのですが、このネーミングがじわじわきます(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ブラウンと言えば、悪ふざけするときは思い切りよくふざけるし、 大マジメなときは、徹底してマジメという作風の触れ幅が魅力ですが、 本書ではその二つの作風が同時に味わえるという大変ナイスなセレクトがなされています。 それも星さんの味わい深い名訳で読めるというこれはもう御得というしかない良著です。 個人的にツボだったのは 「電獣」がなんとも言えず沁みるのと 「ぶっそうなやつら」「おそるべき坊や」 は久しぶりに小説で声を出して笑わせてもらいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
異色で面白いのは確かなのだけれどもう少しボリュームが欲しかった | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フレドリック・ブラウンですよ. それを星新一の訳で読めるのですよ. こんな至高の逸品はございませんよ. おとぎ話的なものもあり,ハードSFもあり, 複雑に見えてシンプルこのうえなくもあり わかりづらいようでわかりやすい表題作あり. この御時世よくこのタイトルで出せたなと感心. 個人的には冒頭「みどりの星へ」の 悲壮感がツボでした. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特に電獣ヴァヴェリは凄かったです。 電車の中で通勤中に読了したのですが、漏らしそうになりました。 本の装丁も実にいいです。 2千円しますが、好きな人は買って損ないですよ。 早川書房の担当の人の意気込みがわかります。 実にいいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ブラウン本は本当に少なくなっています。本書も絶版で入手困難 でしたがようやく新装版で帰ってきた。本書を契機にブラウンの 作品がまた再刊されることを願っています。SF、ショートショート、 サスペンス全部ブラウンから教えてもらいました。いろんな作品 を書いたよろず職人という感じです。どの作品も読みやすい、わかり やすい。底が浅いのではなく、人間心理に通じていないとこういう 面白いものはなかなか書けないものです。読者を常に考えている職 人芸です。淡白な文章を読み終えた後の余韻がいい。本当にいい 書き手に出会ったという実感が残ります。ブラウンは初めてだし 本書は値が高い、と思われる方はまず「未来世界から来た男」(創 元SF文庫)を読まれるといいでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者について多くを語る必要はないでしょう。 知っている人には説明は不要ですし、知らない人は……読んで損のない作家です、とひとことだけ(『スポンサーから一言』を真似ているわけではありませんが)。 フレデリック・ブラウンも名作だけを書くわけではありません。 これはちょっと、という出来のものも混じっています。 でも、私は小さな声で言いたい。 フレデリック・ブラウンを知らない人は人生の何%かを損している、と。 一度だけ読んでわかった気になっている人も人生の何%かを損している、と。 読みましょう。 しばらく経ったら再読しましょう。 その時その時でとっても良い味がしますよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1962年10月に異色作家短編集として刊行され、永らく絶版になっていたものの同・新装版第一回配本の②です(①はロアルド・ダール著のキス・キス)。全12編が収録されていますが、どれも重い、深刻な内容ではなく、著者お得意のおバカSFあり、ブラックユーモアあり、予想も出来ないようなオチありと、人を喰ったようなストーリーをテンポ良く読ませてくれます。一話読むと、もう一話と、途中で止まりませんでした。訳者も変わっていないそうです。私は以前出版された方は未読なのですが、星新一さんの訳、いい感じです。解説は坂田靖子さんが書かれています。異色作家短編集シリーズは全20巻刊行されるそうなので、全巻揃える予定の身としては、値段が若干高い気がします。フレデリック・ブラウン氏の作品を初めて読もうと思っている方にもオススメします。異色作家という括りには、あと誰が入っているんでしょうか?次回配本予定を見るのが楽しいです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!