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海を失った男



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【この小説が収録されている参考書籍】
海を失った男 (晶文社ミステリ)
海を失った男 (河出文庫)

海を失った男の評価: 4.00/5点 レビュー 13件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(3pt)

8つの短編それぞれに記された洞察が心を擽る

わからないから知りたいと思い、まるで関心を引きたいかのように知ったかぶりしてみる。奇妙な振るまいが魅力的で、平凡が特別になる。嗚呼まるで恋心のようではないか?鼓動は音楽、身を捧ぐ、成熟の証、投影された自我、人徳のすすめ、善悪は表裏一体、自制心あるいは還らぬ人へ払う敬意、走馬灯、8つの短編それぞれに記された洞察が心を擽り、翻訳に移し変えて尚そのスタイルに魅了される。
海を失った男 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:海を失った男 (河出文庫)より
4309463029
No.12:
(5pt)

圧倒的名作「海を失った男」

好みの分かれる作家の、好みの分かれる短編集です。
個人的ベストはなんといっても表題作「海を失った男」。文章から立ち上がる凄みに何度読んでも打ちのめされます。
本書の収録方針として、単に「よく書けている」とか「誰にでもわかりやすい」ものは選ばずに、「これがスタージョンだ」という作品を提示するように心がけたとのこと(『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』あとがきより)。初めての方は『不思議のひと触れ』(大森望編/河出文庫)のほうが全体的に取っ付きやすいのでオススメです。
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No.11:
(4pt)

色々なスタージョンが読める

河出文庫のスタージョン短編集も三冊目だ。本書は先鋭的な短編と物語性の強い中編が同時に収録している。まず短編から。
『音楽』と表題作は、観念的な掌編だ。ピンと来ない。
『ビアンカの手』フェチズムと強迫観念で練り上げられた作品で、かなり好き。性的なのに、エロくない。
『シジジイじゃない』本書の白眉だ。この世は少数の人間が見ている幻覚だった。幻想作家としての個性が目立つ傑作。
『墓読み』墓を読めば故人の人生がわかる。ホラー風味の佳作だ。

次の三篇は中編だ。
『成熟』胸腺が消失しない男は、内分泌異常のため天才となった。
成熟とは何か?どうしても必要なことか?というテーマを追求すれば大長編になるだろうが、そこまで深くはない。
SFぽくもなく、あっさりした普通小説だ。
『三の法則』三体が一組となるプラズマ生命が、人体に憑依した。失われた伴侶を求めて苦闘の旅が始まる。高品質な本格SFだ。
編者は「性的なテーマを描くなら、SF的設定は邪魔だ」と書いている。
作者自身も「愛が一夫一婦制に限らない」と語ったそうだが、素直に読む限りは、メインテーマはエネルギー型宇宙人の地球における冒険であって、
性的テーマはオマケに過ぎないような印象を受ける。

『そして私のおそれはつのる』超能力SFだ。この手の話なら結末は読める、と思いきや、意外なツイストが待っている。お気に入りの一篇となった。

この作家の多芸さが理解できる一冊でした。
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No.10:
(3pt)

二人の花嫁

本書の収録作品は下記の通り。

 ・「音楽」 ("The Music”) 1953年
 ・「ビアンカの手」 ("Bianca's Hands") 1947年
 ・「成熟」 ("Maturity") 1948年
 ・「シジジイじゃない」 ("It Wasn't Syzygy") 1948年
 ・「三の法則」 ("Rule of Three") 1951年
 ・「そして私のおそれはつのる」 ("...And My Fear Is Great...") 1953年
 ・「墓読み」 ("The Graveyard Reader") 1958年
 ・「海を失った男」 ("The Man Who Lost the Sea") 1959年

全編に渡り、何とも言えない「惜しさ」が満ちて来る作品集に映る。
出だしや作中に「おぉ!」と呻くような気をひく箇所も有るのだが、
話全体では「冗長」で「不可思議」、「おい」と突っ込みたくなった。
この不完全燃焼感?がイイのかな。アレンジが効くと化ける気も。
収録作品では「ビアンカの手」がお薦めだ。魔力って有るのよね。
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No.9:
(2pt)

作者にシンパシーを持てる読者だけに通用する、困った類のアンソロジー

作者の作品を読むのは「輝く断片」に次いで二度目。その「輝く断片」は玉石混淆のアンソロジーであり、読み手を選ぶ作者の気難しさを感じさせるものだったが、本アンソロジー中から「玉」を見出すのは難しい。

編者は<人間的SF>と称しているが、作者の関心が、普段見落としがちな日常生活における大切なもの、愛の形の自由性といったものに向けられている事は良く分かるが、如何せん、読んでいて面白くないのである。意表を突いたかに思える結末も、何でこの程度の事をこうした形式で描く必要があるかが理解不能な短編が多い。例えば、愛の形の自由性を謳った「三の法則」に宇宙人を登場させる必要があったのか ? 中編と言っても良い分量を掛けた「成熟」の結末の平凡さ加減は何なのか ?

着想の妙やストーリー展開の巧みさで読ませる短編は皆無で、作者にシンパシーを持てる読者だけに通用する、困った類のアンソロジーだと思った。
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4309463029
No.8:
(5pt)

まとわりつく言葉

スタージョンの文章は一種独特である。
丹念に紡がれた言葉達が読者の脳に絡みついてくるのだ。
彼の短編集は特に切なく、温かい物語が収録されている。ストーリーと文体は実に調和していて心地よいぬるま湯に浸かっている気分になる。(褒めてます)
ただ、この短編集はよりマニアックな作品を集めたらしい。わからないけど凄いっていう感覚に陥るのが好きな人には特にオススメ。

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4309463029
No.7:
(5pt)

海を失った男だけはいいね

海を失った男だけはいい
ディティールに気を取られていくうちに
どんどん話のフレームが切り替わり
遠隔視的な感覚に没入できる

スタージョンの他の話のようにハンパなリリカルさはなく
自分の視点から世界を切り取って把握していく過程が好きだ
海を失った男 (晶文社ミステリ)Amazon書評・レビュー:海を失った男 (晶文社ミステリ)より
4794927371
No.6:
(5pt)

最高傑作・・・

はっきり言おう。スタージョンは間違いなく天才だ。もしかしたら・・・いや絶対、テレビなんかで人生語ってるそこら辺の先生方よりはるかに深い洞察を持っている。『薔薇と雷』、『孤独の円盤』でもふとそう思ったが、『成熟』を読んではっきりした。誰がこんな事が出来るだろう。たかだか数十ページの短編の中に、人生の重大な疑問を提示し、そして最後に読者を完璧に納得させる回答を提示するなんて。単なる『SF作家』なんてとんでもない。私の中では『ハックルベリー』のマーク・トゥエインと比肩しうる数少ない作家の一人だ。
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No.5:
(4pt)

ちょっと待ってくれ!

この本を手に取ろうとしているあなた!

あなたはスタージョンをいまだに体験したことのない人間ですか?
もしそうならば、悪いことは言わない!
まずは他の短編集……『不思議のひと触れ』あたりを……読むことからはじめた方が無難ですよ?
なんともはや、読む人を選んでしまう短編集ですから、コレは……。

もしも、あなたがスタージョンをすでに一度以上体験したことのある人間ならば、悪いことはいわない!
ぜひとも、その手に取っていただきたい。
なにげないお話に、深くて・どこか冷たい含みを持たせるスタージョンの技量に舌を巻き、その読後感に身をゆだねましょう。

いやはや、物凄い小説家である、スタージョンというのは……。
表題作のストーリーの核の部分を理解した時、「なんでここまで膨らませられるんだ!?」と驚愕したものです。
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4794927371
No.4:
(3pt)

……

難しい。ぶっちゃけた話よくわからない。
 ただ、それでもこの作者の奇抜さはよく伝わってきます。ビアンカの手、墓読みはめちゃくちゃ面白かった。あとは、シジジイじゃないとかよかったかな。結構、こういうのは読みなれてないと、本当に楽しめないのかな? 修練だ。
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No.3:
(3pt)

難易度が高い

スタージョンの短編集としてはかなり難易度が高い。本書の前に『人間以上』や『不思議のひと触れ』を通過していないと、戸惑い、理解できないかも知れない。 本書にはスタージョンの最盛期である1940-50年代の作品8篇が収められている。いずれも叙情性豊かで読後はなんとも言えぬ、もやもやとした気分に包まれる。人間的な温かみとやるせなさ、もどかしさ。一方でメッセージ性の強い「成熟」「三の法則」「そして私のおそれはつのる」も、ものすごい存在感を放っている。そのメッセージは、『人間以上』にも通じる、チームを組むことによって個人としての人間を超えるという思想である。ここに共感できないと、スタージョンの世界を受け入れることが出来ない。私には出来なかった。
海を失った男 (晶文社ミステリ)Amazon書評・レビュー:海を失った男 (晶文社ミステリ)より
4794927371
No.2:
(5pt)

スタージョンは、結果として、読者を選んでしまっている。

国際幻想文学賞を受賞した『人間以上』が代表作のスタージョン。ブラッドベリ辺りと同じカテゴリに分類されがちですが、その独特の感覚は「何々的」という形容があてはまらない不思議な作家です。本作はそんなスタージョンの「濃い」短編を集めた作品集です。「ビアンカの手」が一番メジャーな作品なのでしょうが、個人的なベストは「そして私のおそれはつのる」。『夢みる宝石』が好きな方なら、これは絶対気に入るはずです。「墓読み」は癖があまりない上に出来が良いので、初めての人にはお薦め。そして、表題作…。傑作です。これが他作品をおさえて本短編集のタイトルに選ばれたのかは、本作を読んだ人のみが知ることになるでしょう。
海を失った男 (晶文社ミステリ)Amazon書評・レビュー:海を失った男 (晶文社ミステリ)より
4794927371
No.1:
(5pt)

学校で。

学校で、これを読みました。そして、尋常さを超えた、イマジネーションを感じました。
とにかく、些細な部分が今でも思い出されます、小説の。積み上げた衣服の上で、寝るなんて・・・。
海を失った男 (晶文社ミステリ)Amazon書評・レビュー:海を失った男 (晶文社ミステリ)より
4794927371

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