灰に埋め尽くされ、僕は穴になってしまった―目眩がするような観念の戯れ、そして世界観―。

頼子が残りの房を口に放り込む。この果実の味を、彼女の顔が語っている。

星泉は、17歳の高校2年生。

一九八八年、世はバブル景気の頂点。

スナイプを使ったオペは、目覚ましい戦績をあげた。

日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは反地上的な夢、濃密な幻想である。

いつものようにタイムスリップした香里、拓哉、亮平の3人組。

「十字架が立っているのは、僕が書いてきた物語の丘だ」(重松氏) あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。

「どうしたんだ、暗い顔して。またちゅーでもしてやろうか?」「全部君が原因だよっ!」都築初のクラスに車椅子の少女が現れた。

権の魔に魅入られた者の業は深い。将軍家斉の父一橋治済、執政から外れた松平定信、御三家の一角水戸徳川家。

〜金杉父子の絆。

フレーバリスト(香料研究者)の向井紅美子が都内のホテルで殺された。

ある日萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。

太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。

ひと瓶の香水、それがナンシーを新たな事件に導くことになろうとは。

小さな田舎町にアンティーク調のカフェが開店。その名もカックルベリー・クラブ。

晴明の呪、博雅の笛が京の闇に響

海賊が跋扈する17世紀半ばのカリブ海。スペインの財宝船を奪うべく、百戦錬磨の英国私掠船船長が繰り広げる激闘。

『さくら』で彗星のように華やかなデビューを飾った西加奈子の第4作にあたる長編小説。

矢吹由利子、桑田旭子、弘野香子の花園学園二年生仲良しトリオは試験休みに温泉へ。そこで三人は知り合いの芸能プロ社長と会う。

浅見光彦の眼前で、女神に扮した美女が転落死した!年に一度の“御堂筋パレード”。

四月吉日午前三時の爆破決行を予告する手紙が、国鉄総裁宛に届いた。

近代日本美術の父・岡倉天心の直筆画が発見された!?「筆を持たない芸術家」と呼ばれた天心の実作はきわめてまれだが、神永はズバリ、破格の値をつけた。

東京でインテリア・アートの販売員をするOL、真紅。仕事に挫折し、母親の待つ故郷に帰るべきではないかと悩んでいたある日。

遭難死した夫の追悼登山に行った早坂知恵と山岳ガイドが刺殺体となって発見された。

新作の撮影中に謎の失踪を遂げた鬼才の映画監督・大柳登志蔵。

その執拗なまでの観察眼で対象に肉迫する作家・大岡昇平の散文精神は、愛好した推理小説を実践する際にも、その威力を遺憾なく発揮した。

不況のさなか、ようやく警備会社に再就職できた中年男四人が命じられた、老人と可憐な少女のガード。

長年の旅と探求がこの作家にもたらした、深沈たる一滴、また一滴―。

全国の相棒ファンをうならせ、日本民間放送連盟賞ドラマ優秀賞を受賞した「バベルの塔」をはじめ、滑稽ながら深刻な夫婦愛を描く「Wの悲喜劇」、薫の男の涙が読者の涙腺を刺激する「裏切者」、日本版CIA設立という壮大な舞台を背景とした「サザンカの咲く頃」など、名作中

武家の非情な掟の世界を端正な文体で描き、直木賞を受賞した表題作。

人類の命運を握る悪意に対抗するのは、この街に偶然集結した人々の小さな勇気。

1986年10月、あの忌まわしき“六軒島大量殺人事件”が再び繰り返されようとしていた。

若き名執権・北条時宗が闇に葬り去った驚愕の真実とは?北九州大学の考古学者、馬渡俊が九州の海岸で棒状の物体を発掘した。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

中年になったって冒険心は変わらない。

著者の傑作ショートショート14話+巻末に読みごたえ◎の短編1話を収録。どれからよんでもおもしろい。

本シリーズの特徴は、話がつぎつぎに些末な方へ、否、多方面へと逸れていくために、なかなか話が進まない、本題が何であったかを忘却してしまう、もともと本題などない、というまさに人間の思考、人間の会話、人間の会議、人間の委員会、人間のワーキンググループ、人間の国会

法廷を舞台に渦巻く陰謀、緻密な頭脳戦、前代未聞の巨額訴訟の幕が開く!新人弁護士・水戸裕介のもとに事故死した夫の損害賠償を求める妻が訪れる。

1921年、コンチネンタル探偵社を辞めたサム・スペードは、サンフランシスコに自身の探偵事務所を構えた。

保安官候補の選挙参謀が、密室状態の丸太小屋で殺害された。第一容疑者は、発見者で選挙のライバルでもあるレンズ保安官。

「手を下さなければ殺人ではない。

涙なくしては読めない宮部ワールドの感動巨編！ 讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。

モスクワの英国大使館内で男の遺体が発見された。顔面は後頭部からの銃弾で消失、右手の指紋も消されていた。

遺体の身元はつかめない。盗聴器を仕掛けた犯人も二重スパイも見つけられずにいる。

「私ったら、死んじゃったのかしらねえ」長崎屋が大火事に巻き込まれ、虚弱な若だんなはついに冥土行き!?三途の川に着いたはいいが、なぜか鳴家もついてきて―。

なんだか妙に仲のいい、香緒里と友徳姉弟。浮気のあげく家出してしまった父・和志とその愛人・花さん。

たったひとりで県立坂越高校文芸部を守る、ハカセこと河本博士に春が来た。なんと、可愛い新入生が入部してきたのだ。

修学旅行先で、真夜中に目を覚ました少女は、左手の小指に巻かれた赤い糸に気づき、その糸をたどっていくが…(「赤い糸をたどって」)。

200余篇の生と死と愛の物語。

瀬戸の海と山に囲まれた懐かしいまち・潮ノ道にはちいさな奇跡があふれている。こころ優しい人間たちとやんちゃな客人が大活躍。

脳天唐竹割り、四方斬り、眉間割り、潜り袈裟…。一流の舞に似た、厳しく美しい剣のかたち。

欲望と孤独に縁取られた都市に暮らす女たちが、ふとしたきっかけから、殺人事件を招き寄せる。

三谷葉子は確固たる殺意を秘めて

渋谷のクラブで十五人もの惨殺死体が発見された。客や店員が死ぬまで斬りつけ合ったというのだ。

遊郭の打ち壊しが起こり、闕所物奉行、榊扇太郎は競売の入札権を持つ天満屋とともに後始末にあたる。

「家族」のかたちが見えればいいのに。壊れはじめたら、すぐに分かるから。

嫁の実家の料亭の副社長として、飾り物のような日々を送る坂石浩季。

廃棄物の不法投棄で摘発された解体業者・保津間興産は、毛利谷一家の企業舎弟。

11歳のあたしは、イギリスの片田舎で、化学実験に熱中する日々をすごしてる。

イギリスの田舎町。病弱なマシューは、優しく利発な姉に守られ、幸せな少年時代を過ごした。

時は平安。京に上った東国の長者が妻と荒れ果てた邸宅に宿を取った。

部下の白石の無能ぶりに卒倒し、病院に運ばれた黒川刑事。

誰も知らない場所行きの列車が、いま、目の前で動き出す―なつかしくなる、旅に出たくなる、じんわり切ない大人の青春小説。

想いは人知れず、この世の終わりまで滾り立つ―。死んでもいいと海を漂う茉莉香に、虚空を彷徨う大鷲が語りかける。

“眠れる龍”が目覚めるとき、日本は崩壊する!東北で見つかった超巨大逆断層―。

舞台はアメリカ沖合の都市サンテレサ。日系人刑事ケイ・マトバが囮(おとり)捜査を行なう場面で幕を開ける。

孤児のエイミーとダンは、ケイヒル家の遺産相続人候補となり、世界中に隠された39の手がかりを探す旅に出た。

奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。

現代にタイムスリップして来た黄門様、美貌の女子高生にして正義感の強い麓麗に三須七海、私腹を肥やすため高速道路を新たに造ろうとする政官財のトップたち、日本中の自動車工場の爆破を企むテロリスト集団「赤い馬」。

山の民―。特殊防諜班・真田は、誇り高きその血を受け継いでいた。

高層ビル群やテーマパークの建設計画を打ち立てた「京都再生会議」。その座長塩崎が、謎のメモを残し殺害される。

渋谷のマンションの一室でバスローブ姿の女性の絞殺死体が発見された。

気鋭が描く全く新しい『忠臣蔵』。雅(朝廷)と武(幕府)、西と東の戦い。

今日も珍妙な事件探索に江戸の町を奔走する徳川竜之助。ある日出会った浪人と意気投合。

「天城越え」から、「神々の乱心」まで、「点と線」から、「昭和史発掘」まで。

一見なんの関わりもない女性3人の不可解な自殺…実は何者かによって仕組まれた殺人だった?そして魔の手は4人目へと迫りゆく。

高校の同窓会に現れた、離婚歴三回、妊娠中の若い恋人同伴の大富豪。

「これだけは忘れないようにしてくれ。

現代社会とは無縁と思われる習わしや言い伝え。その禁忌を破ったとき、平穏だったはずの世界が、恐ろしいものへと豹変する―。

北海道の海岸から、三組の新婚旅行客が相次いで失踪した。

ハーレムの高校に通う16歳のジェニーヴァが、博物館で何者かに襲われそうになるが、機転をきかせて難を逃れる。

強姦未遂事件は、米国憲法成立の根底を揺るがす140年前の陰謀に結びついていた。

女子修道院で、頭部のない若い女性の死体が見つかった。

女子修道院での調査は困難をきわめた。高慢な修道院長に、敵意に満ちた修道女たち。

村の果てに広がる何の変哲もない原っぱ。そこに一人の考古学者が現われ、古代遺跡を発見したからさあ大変。

吸血鬼映画のヒロイン役・白石澪は、相手役の不思議な魅力に惹きつけられてゆく。

江戸の町で女が次々と殺された。

スペンサー、強請屋を追う―情欲と金に目のくらんだ女たち。流儀を曲げぬ男たち。

22世紀―イヌが世界の頂点に立ち、ハンドと呼ばれるヒトは、お犬様の手としてお仕えする身分に!昔々、徳川綱吉により発せられた「生類憐れみの令」。

1957年、第3回江戸川乱歩賞を受賞した『猫は知っていた』がベストセラーに。

大藪春彦賞を受賞し、新たなステージを迎えた東山彰良。

第1回『このミステリーがすごい!』大賞銀賞&読者賞をダブル受賞した著者の、2作目が新装版になって登場! 何者かに唯一の収入源である台湾製ドラッグ「百歩蛇(ひゃっぽだ)」を奪われた、零細暴力団井島組。

情報漏洩、そして少年犯射殺の責任を問われ閑職に回された警察官僚・湊俊介。

ホラー作家・岩井志麻子絶賛!「選考委員の皆様、よくぞこのような書き手と作品を見つけてくださいましたと、額づきたい気持ちになる作品」。

『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作がついに文庫化! 凍てつく極北の地で生まれた明治期の怨念が、現代によみがえる! 桐花憲章のついた古風な外套の肩には雪。

九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。

馬込光代は双子の妹と佐賀市内のアパートに住んでいた。携帯サイトで出会った清水祐一と男女の関係になり、殺人を告白される。

ノーベル賞作家である父アクセル・ラグナーフェルトは、脳疾患で全身麻痺となり施設に入っている。

女優の夢破れ、ニューヨークを去ろうとするジュリエット。一年前に妻に自殺され、深い心の傷を負った医師、サム。