マクダフ医師のまちがった葬式
- ペニーフット・ホテルシリーズ (3)
- 犯人捜し (82)
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1900年代初頭エドワード7世時代の英国を舞台にしたシリーズ3冊目です。初巻から続けて読んできましたが、おもしろさでいうと個人的には1、3、2の順でしょうか。ただ、今回は読後感がなんとなく釈然としませんでした。 ひとつめの理由は、老医師マクダフ氏をあっさり殺してしまったことです。バジャーズ・エンドの村人たちの診療を長年に渡って一手に引き受けてきたマクダフ先生、思いやりがあり思慮深く聡明で、時に主人公セシリーの相談にものっていた、そんなレギュラー・メンバーの遺体が棺から引き出され、重しをつけて凍った池に沈められていたなんて、ちょっとあんまりではないかと思ってしまいました。作者はこの老先生にそんなに愛情を持っていなかったのか?3作目にしてこんなやり方で退場になるとはびっくりでした。 そして二つ目の理由。ペニーフット・ホテルはロンドンから上流階級たちがお忍びでやってきて滞在し、スタッフたちも口が堅いので安心して過ごせるという場所です。が、常連客が知り合いを引き込んで地下にあるレンタルルームで賭博を行っていたことや、それが宝石の盗難や、あげくは殺人事件まで引き起こしてしまったことを、オーナーであるセシリーは「ホテルの人気や経営に悪影響を及ぼすから」という理由で、警察からひた隠しにしようとします。セシリーは誠実で清純なイメージがあったので、ホテルのためだったら平気で犯罪に目をつむるというのは、まるで犯罪の片棒をかついでいるいかがわしい宿の女主人みたいで、どうなんだろ・・と思ってしまいました。 村にいる巡査は切れる方ではありませんし、近くの町からやってくる警部も決してすぐれた人物ではないので、自分たちで事件を解決しようとするのはわかるのですが・・・。安心して読めるユーモア・ミステリという印象だっただけに、このあたりはなんだか納得がいきませんでした。 明るい話題としては、恋人同士だった下働きのイアンとメイドのガーティが晴れて結婚することになります。また名コック、ミシェルの意外な側面が見えたりと、登場人物たちのキャラクターもだんだんと明らかになってきます。 ふと思ったのですが、なんとなく内田康夫氏作の浅見光彦シリーズに共通するものがあるかも・・と。毎度登場するメンバーに感情移入し、にやっと笑いながら雰囲気を楽しむという感じです。正直、ミステリとしてのレベルはそんなに高くないと思うのですが、古き良き時代の英国が味わえます。 | ||||
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安定したミステリーのおもしろさと ちょっとずつしか進まないジリジリラブ。 ここでついに、バクスターにライバルが登場します! 友人として親しくなりたい女主人セシリーに対して 身分の違いから距離をおきつつ彼女を気遣っていたバクスターですが 新しいドクター・プレストウィックの出現で態度に変化がみえます。 ドクターのちょっと強引なくらいのセシリーへの近づき方や 隠さない好意的な表情などにいらだちを隠せません。 きたきたきたーっ!! やっぱこうでなくっちゃっ! 今まではセシリーからの歩み寄りばかりでしたが ここからバクスターの方からの歩み寄りも見えてきます。 う〜ん、大人の恋の進展にワクワクします。 しかもこの時代設定もいいですよね。 貴族社会が残りつつも、戦争も終わり そろそろ女性も自立を考える時代。 ふたりの身分違いが問題にならなくなる時代が近づいています。 | ||||
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今は昔20世紀初めのイギリスの小さな田舎町で最愛の夫亡き後も女主人として気丈に上流宿ペニーフット・ホテルをきりもりし犯罪にも果敢に立ち向かうヒロインのセシリーと彼女を盛り立てる個性的な面々の活躍を描く人気ミステリー・シリーズ第3弾です。今回は長年に渡り村人達がお世話になって来たマクダフ医師が亡くなるという悲しい出来事で幕が開きますが、去る人あれば来る人ありで事件がきっかけになって新たなロマンスが芽生える事となります。 女主人セシリーの粋なはからいでメイドのガーティと恋人イアンの結婚披露宴とバレンタイン舞踏会を同じ日に開催する事になって大忙しの時に、またもや厄介な事件が起きる。何とマクダフ医師の葬儀の途中で棺の中に医師でなく見知らぬ若い男の死体が入っているのが見つかったのだ。しかもペニーフット・ホテルとの関連を疑わせる物証を偶然見つけたセシリーは何としても宿を守る為に頑固一徹の支配人バクスターの反対を振り切り事件調査に乗り出す。 今回の推理は冒頭の魅力的な謎の割にはやや平凡でイマイチの解決でしたが、セシリーが犯人探しの為に取った男顔負けの度胸の据わった偽装劇にはお見事と感心させられます。シリーズの魅力の人間ドラマの方は、地味なメイドのエセルが村の英雄の若者と恋に落ちるめでたい一幕、シェフ・ミシェルの意外にひょうきんな一面、装花係マデラインの魔女度アップ、結婚直前のガーティとイアンのハラハラさせる大喧嘩と今回も大賑わいですが、やはり本書最大のネタはハンサムな新任医師プレストウィックの我らがセシリーへの大胆な急接近でしょう。今も亡夫ジェイムズを愛するセシリーは揺れ動く心にどう決着をつけるのか?バクスターの新医師への反感はもしかしてセシリーへの愛故なのか?果たして彼は本当に良い人なのか?といった多くの疑問を抱えるシリーズの今後が待ち遠しく、次回はミステリー面のリベンジも期待しましょう。 | ||||
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