風船を売る男



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初公開日(参考)2010年04月
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長編小説

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風船を売る男 (創元推理文庫)

2010年04月28日 風船を売る男 (創元推理文庫)

ドラッグ漬けの夫と横暴な義父。シェリーは息子の養育権をめぐって闘うことに。妨害工作員として送り込まれた男の罠が迫り……。サスペンスの名手アームストロングの本邦初訳作。 (「BOOK」データベースより)




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No.3:
(4pt)

まっとうに生きていれば悪人に勝利し悲運も乗り越えられると信じさせてくれます。

平凡な善意の人々に降り掛かる災難と救済のドラマを巧みに描き今も根強いファンを持つサスペンス推理の名手アームストロング女史の本当に久々の翻訳作品です。1968年に発表された本書にはミステリーでは珍しく計画殺人が出て来ませんし(偶発殺人は一件ありますが)、今の忙しないスピード社会では考えられないゆったりのんびりした時代色があると思います。最近のミステリーを読み慣れた方には途中展開が遅く感じられると思いますが、焦らずにじっくりと細かい心理描写を味わいながらお読み下さい。
ある朝朝食の席に着いた主婦のシェリーは、麻薬漬けで錯乱した作家志望の夫ウォードから突然襲い掛かられ自分は危うく難を逃れるが、幼い息子のジョニーが巻き込まれて重傷を負ってしまう。日頃から二人の結婚を快く思っていなかったウォードの父エドワードは実情を全く理解しようとせず、ジョニーの入院先に現われて二人を離婚させ自分が孫を引き取るとシェリーに宣言する。やがてエドワードはジョニーの養育権を巡る裁判に是が非でも勝つ為に手段を選ばずシェリーの評判を貶めようとウォードの旧友の小悪党クリフォードを雇う。
本書の面白さは、小悪党クリフォードがシェリーの引っ越した病院の隣の下宿屋に入り込んであの手この手で罠を張り最初は上手く行っていたのですが、元々プロでなく不器用なせいで次第に行き詰って焦り遂には計画の破綻につながる偶然が招く出来事のおかしさです。著者は無防備で弱いシェリーに救い主を与えずに、終盤には自然に運命がねじれて行く神の御業としか思えない予測不能のストーリーを展開させます。まっとうに生きていれば悪人に勝利し悲運も乗り越えられると信じさせてくれるヒロインの幸福な運命に対し、己の利益の為なら苦境に立つ人間の苦しみも意に介さない悪人に自ら墓穴を掘る形で襲い掛かる非情な運命が衝撃的で、久々に見事な勧善懲悪のドラマを堪能しました。
風船を売る男 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:風船を売る男 (創元推理文庫)より
4488263046
No.2:
(4pt)

悪意の行方

 Charlotte Armstrongの『The Balloon Man』(1968年)の翻訳。
 長編ミステリである。いや、サスペンスというべきか。微妙な位置づけの作品だ。
 夫との離婚を決意した若妻が、悪意を持つ義父や、その手先によって追い詰められていくというストーリー。
 しかし、読みどころは「手先」の微妙な立ち位置。単なる悪意の塊でもないし、善良な存在へと転換してしまうこともない。そのあいだを揺れ、しかも、思わぬ陥穽に落ち込んでいくのだ。
 主人公の若妻にとっても、単線的な物語には決してならないのが、アームストロングらしい書きぶりだと思う。
 ファンには満足の一冊だろう。
風船を売る男 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:風船を売る男 (創元推理文庫)より
4488263046
No.1:
(4pt)

時代状況を意識して読むと・・・

これが書かれたのが1968年頃で作品の時代設定もほぼ同じ年だと思われますが、解説にも少し触れられてる様にこの頃アメリカで起こったことを考えながら読むと色々な読み方が出来るように思いました。テト攻勢等によるベトナム戦争の激化・泥沼化、キング牧師・ロバート・ケネディ暗殺による公民権運動の挫折、ヒッピー等によるドラッグカルチャーの台頭、これらの事象がこの小説にあまり露骨には書かれてないですが影を落としてるように伺え、例えば主人公の女性がアームストロングに代表される一般的小市民、主人公と敵対する人物達がこの当時のアメリカ政府のメタファーで、政府のいい加減な政策で社会が混乱し一般市民が翻弄され被害を被り普通の日常生活さえ全うに送れない、あるいは筋の通った正論も通用しない社会になっているという静かな告発と受け取ることも可能に思いました(ドラッグに関してはかなりはっきり批判してますが)。あと登場人物が殆ど白人でアフリカ系の人等が全然出てこないのも多少気になりました。人種問題に踏み込んで余計な煩いを避けたかったのでしょうか。
以上は私の個人的深読みで多分作者の執筆意図とは全く関係ない可能性が高いですが、こういう風にも読めるのでは、ということで書いてみました。巻末の解説の方の読み方のほうが正確な読み込みになってると思います。上記の深読み抜きにしても健気な主人公が不条理な状況下で人々の善意に支えられながら懸命に生き抜こうと努力し、また敵対する登場人物によるマインドコントロールの先駆的とも言える悪意の卑劣な罠等読みどころ満載の正統派サスペンスとしても楽しめると思います。
この作品によって絶版になってる他の作品の復刊や未訳で埋もれている傑作の紹介が促されると嬉しいです。でも十年周期でたまに紹介されてるところをみると以外に支持者が多いのでしょうか。
風船を売る男 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:風船を売る男 (創元推理文庫)より
4488263046



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