魔女の館
- 魔女 (24)
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大学講師パット・オシーは、盗みの疑いのある同僚エヴェレット・アダムスを追跡する。エヴェレットを追い詰めたパットだったが、エヴェレットの反撃にあい気を失ってしまう。パットが目覚めると、そこは老婆と凶暴な犬の住む館であった。傷ついたパットが何を言おうが、まるで老婆は耳をかさない。老婆は、パットをその昔逮捕された息子ジョニーと同一視し、自由を束縛しようとするのだった。 ・・・ 監禁ものは、拉致された人がどのようにそこから脱出するか、もしくは助けだされるかが見所だ。本書では、パットの妻アナベルとエヴェレットの娘ヴィーがその鍵を握ることになる。シャーロット・アームストロングの作品は、登場人物の行動によって発生する様々な出来事がストーリーを盛り上げていくのだが、ややもすると強引さがだけが目立ってしまうことがある。本書は、そういう不自然な印象を受けることなく、登場人物たちの行動を見守れるので、純粋にスリリングな作品世界を楽しむことができるだろう。 夫を案じるものの周囲から理解を得られないアナベル。パットとともに行方がわからなくなった父エヴェレットを案じるヴィー。何やら奸計を企むパットの若い後妻のセリアとその双子の兄のセシル。ひたすら保身に奔るドリンクウォーター学長。事件性を否定し捜査に気が入らないボウとマクラーレン警部補のコンビ。そして、パットを監禁し、近隣から魔女と恐れられるミセス・ブライド。 登場人物たちの自己主張のぶつかり合いが事件をさらにややこしくしていく。特に、アナベルの向こうっ気の強さともどかしい気持ちのないまぜな表現が巧み。亡き母の面影を負い常に上品であろうとするヴィーとの合わなさ加減が面白かったりする。 アームストロングの作品は、最後はまあるく収まる傾向にあるようで、本書も同様だ。ラストはハラハラドキドキの展開を見せてくれるし満足感は高いと思う。 ただ、パットがエヴェレットを追いかけようとしたその事の顛末や、思わせぶりなセリアとセシルの過去が判然としなかったり、本筋とは関係が少ない箇所での未消化な部分が見られる。ここはボウとマクラーレン警部補のちょっとしたサプライズに免じて許してあげよう。 | ||||
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大学講師パット・オシーは、盗みの疑いのある同僚エヴェレット・アダムスを追跡する。エヴェレットを追い詰めたパットだったが、エヴェレットの反撃にあい気を失ってしまう。パットが目覚めると、そこは老婆と凶暴な犬の住む館であった。傷ついたパットが何を言おうが、まるで老婆は耳をかさない。老婆は、パットをその昔逮捕された息子ジョニーと同一視し、自由を束縛しようとするのだった。 ・・・ 監禁ものは、拉致された人がどのようにそこから脱出するか、もしくは助けだされるかが見所だ。本書では、パットの妻アナベルとエヴェレットの娘ヴィーがその鍵を握ることになる。シャーロット・アームストロングの作品は、登場人物の行動によって発生する様々な出来事がストーリーを盛り上げていくのだが、ややもすると強引さがだけが目立ってしまうことがある。本書は、そういう不自然な印象を受けることなく、登場人物たちの行動を見守れるので、純粋にスリリングな作品世界を楽しむことができるだろう。 夫を案じるものの周囲から理解を得られないアナベル。パットとともに行方がわからなくなった父エヴェレットを案じるヴィー。何やら奸計を企むパットの若い後妻のセリアとその双子の兄のセシル。ひたすら保身に奔るドリンクウォーター学長。事件性を否定し捜査に気が入らないボウとマクラーレン警部補のコンビ。そして、パットを監禁し、近隣から魔女と恐れられるミセス・ブライド。 登場人物たちの自己主張のぶつかり合いが事件をさらにややこしくしていく。特に、アナベルの向こうっ気の強さともどかしい気持ちのないまぜな表現が巧み。亡き母の面影を負い常に上品であろうとするヴィーとの合わなさ加減が面白かったりする。 アームストロングの作品は、最後はまあるく収まる傾向にあるようで、本書も同様だ。ラストはハラハラドキドキの展開を見せてくれるし満足感は高いと思う。 ただ、パットがエヴェレットを追いかけようとしたその事の顛末や、思わせぶりなセリアとセシルの過去が判然としなかったり、本筋とは関係が少ない箇所での未消化な部分が見られる。ここはボウとマクラーレン警部補のちょっとしたサプライズに免じて許してあげよう。 | ||||
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Charlotte Armstrongの『The Witch's House』(1963年)の翻訳。 1996年にトパーズプレスから出た単行本の文庫化。訳文などに手が入れられているという。 実にアームストロングらしい一冊であった。周囲から理解を得られない可哀想なヒロインが、孤軍奮闘するうちに味方が集まり、最後はパズルのピースがするするとはまって、幸せな結末を迎える。そのラストの収まり具合が実に気持ちいい。 また、作品を通して登場人物たちが成長していく姿も読んでいて心地よかった。 ファンにはたまらない一冊だろう。 | ||||
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一番最初のほうを読んでいくと追跡型サスペンスなのかなと思いましたが、読み進むと巻き込まれ型サスペンスになってなかなか巧みな展開だなと思わせるサスペンス小説の傑作。その後も主要登場人物の過去の話が織り込まれ主筋傍筋入り乱れますがあまり複雑にならずアームストロングの鮮やかな手腕に感心させられました。その他にも主人公の主婦の焦燥、もう一人の主人公の学生の実父と継母に対する複雑な思い等も簡潔ながらも読ませ、一気に読ませてくれます。「風船を売る男」も書かれた時代を反映しながら静謐な感じでしたが本書もやはり似たような雰囲気で、一部時代を意識した部分もありますが(学校と学生の不和、消えた登場人物が共産圏に寝返ったと思われる所等)、この著者の時代意識を反映しているようで興味深かったです。興を削ぐかもしれませんが、登場人物が監禁されるところは確かにキングの「ミザリー」を彷彿とさせますが、多分単なる偶然だと思います。 アームストロングは翻訳された物全て読んだわけではないですが、その出来あいからすると、本書が最高傑作かな、と思いました。まだ面白い物が残っているようなので更なる紹介を期待したいところです。 | ||||
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一番最初のほうを読んでいくと追跡型サスペンスなのかなと思いましたが、読み進むと巻き込まれ型サスペンスになってなかなか巧みな展開だなと思わせるサスペンス小説の傑作。その後も主要登場人物の過去の話が織り込まれ主筋傍筋入り乱れますがあまり複雑にならずアームストロングの鮮やかな手腕に感心させられました。その他にも主人公の主婦の焦燥、もう一人の主人公の学生の実父と継母に対する複雑な思い等も簡潔ながらも読ませ、一気に読ませてくれます。「風船を売る男」も書かれた時代を反映しながら静謐な感じでしたが本書もやはり似たような雰囲気で、一部時代を意識した部分もありますが(学校と学生の不和、消えた登場人物が共産圏に寝返ったと思われる所等)、この著者の時代意識を反映しているようで興味深かったです。興を削ぐかもしれませんが、登場人物が監禁されるところは確かにキングの「ミザリー」を彷彿とさせますが、多分単なる偶然だと思います。 アームストロングは翻訳された物全て読んだわけではないですが、その出来あいからすると、本書が最高傑作かな、と思いました。まだ面白い物が残っているようなので更なる紹介を期待したいところです。 | ||||
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