三十棺桶島
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三十棺桶島の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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「モーリス・ルブランの手による江戸川乱歩風味」といった趣の物語。忌まわしい伝説が伝わる島に監禁された愛息を救うべく、島に渡った母親、悪の首領が支配するその島には壮大な地下迷宮(!?)が存在し、万能の力を持つ「神の石」が眠る…。 | ||||
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例によって小学生の時に図書館に歴代小学生が読みふけってぼろぼろになったルパン全集のなかにこれがあったのでございます。 この様にルパンに接した日本人は、その後の時代であれば尾田栄一郎「ワンピース」や岸本斉史「ナルト」、青山剛昌「名探偵コナン」を読んだ人と同じぐらいいるのではあるまいか。 と、いう訳で何冊か読んだあとで数十年が経過し、ふとしたきっかけでかつてのルパン全集(今の20巻本の怪盗ルパンシリーズではなく、20世紀に刊行されていた30巻本の方)の11巻の古本を手に取った。 最初、ヒロインでるドミニク・デルジュモンが自分のサインと老人の死体を発見するくだりからもうルパンワールド炸裂で、ここでおどろおどろしい江戸川乱歩横溝正史系統の話になるかと思いきや、モーターボートで悪い悪人(笑)が三十棺桶島から逃げ出そうとした純朴なる島民の船に爆弾を投下、逃げ惑う島民を景気よく銃撃して30人ぐらいあっさり殺される所でモードが変わり、その後も隠されていたヒロインの息子フランソワとの冒険だの、元夫(これが絵に描いたようなDV夫であった)が出て来たりと入り組んだ人間関係にも関わらず物語は物凄いターボがかかっており、250ページは1時間もしないで読み切ってしまった。 謎を秘めた「神の石」はキュリー夫妻の発見した当時最先端の科学をアイデアにしており、モーリス・ルブランは「まぼろしの怪盗」でも見られるのだが、また20世紀初頭という時代の性格なのか、当時の人間はとくにジャンル横断的にそうした発想を持つのか(コナン・ドイルもチャレンジャー教授に「ロストワールド」で恐竜を登場させているし)、科学的な知見がミステリ(というよりも寧ろサスペンスに近い)の中核になる作品を見ると、SFとミステリが現代よりももっと地続きで接近していた時代の息吹を伝えていた。 当然、善は栄え悪は滅び、児童向け怪賊にふさわしい勧善懲悪の物語の快楽に陶酔できたのであった。 もちろん子どもの時の視点と同じではないが(同じだったらそれはそれでスゴイが、それはそれでヤバイ)物語のドライブに身をまかせて疾走していく、天空が開けていくような快楽を感じさせるのはやはり天才南洋一郎で、その魔術に身をまかせ、手に汗握る幸福でノスタルジーな現実逃避を満喫できました。 | ||||
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ルパンの長編は ルパン自身がのっけから活躍する事件と、 その話限りの主人公のドラマが展開され ルパンが途中から加勢する事件に 分けられると思うが、 本作ではルパンが登場するのは 最後の1/3くらい。 それまではヒロインであるベロニックを中心に 恐ろしい殺人劇が展開されていく。 本作の悪役のとある信念が さまざまな事件を起こしていくのだが、 最後にルパン(ドン・ルイス・ペレンナ)が語るように、 本シリーズの第1巻から第11巻に至るまでの中で言うと 確かに想像を絶する凄まじい事件だと言える。 それまでにも『奇岩城』や『813』や『水晶の栓』など 結構劇的な展開を含む作品はあったし 特に『水晶の栓』の悪役の極悪ぶりは 目を見張るものがあった。 しかしそんなのまだ甘いと思えるほど 本作の事件は痛ましい。 タイトルともども読者に恐怖を感じさせるような おどろおどろしさはあると言える。 しかし、どれだけ凄惨な事件であっても そういう生々しさをグロテスクに描くことは ルブラン(ルパン)の趣味ではないらしく 一部の江戸川乱歩や横溝正史に見られるような 恐ろしさとは異なる。 ルパンは登場とともに 事件を解決し、解説するのは いつもお決まりのパターンだが、 ルパンがそんなに短時間に解決できる事件なのに なぜどの登場人物たちも 一切事件が解決できないのだろうと 思ってしまう。 だが、ルパンには超人的な力があって 彼が登場することで 事件が大団円を迎えるという安心感を 読者は必ず感じさせられる。 ルパンが物語のクライマックスで 登場するというのは ルパンならではのお約束で 途中出場とはいえ 彼が出てくることで どの作品もルパンものだなと 感じさせられてしまう。 ルパンものは読者の期待に応えるように 設計された物語だといえるだろう。 比較的短編の多い シャーロック・ホームズと比べると ルパンシリーズは 推理ものと呼ぶよりも 冒険ものと呼ぶほうがふさわしいくらい 話のスケールが大きい。 本作には、前作『金三角』に登場した 主人公も友情出演している。 ルパンシリーズを読むなら できれば第1巻から順に読んでいくほうが 楽しいと思う。 | ||||
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懐しかった | ||||
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犯人の正体が分からずじまい弟子たち。 | ||||
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この文庫版を読んでいて違和感を感じたので所有している同じタイトルの単行本版(昭和61年の第83刷)と交互に読み比べてみたのですが、翻訳や挿絵が変更されていました。 印象深い挿絵や南洋一郎さんオリジナルの特徴ある軽妙な言い回しの表現などと違う所があるので、昔読んだものと同じと思っているとがっかりするかもしれません。少なくとも私はとてもがっかりしました。 南洋一郎さん訳の怪盗ルパンシリーズは不朽の名作なので変な変更をせずにそのまま文庫本化して欲しかったです。 | ||||
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