三十棺桶島



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

4.00pt (10max) / 1件

5.00pt (10max) / 2件

Amazon平均点

4.35pt ( 5max) / 17件

楽天平均点

5.00pt ( 5max) / 1件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
0pt
サイト内ランク []D
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

5.00pt

48.50pt

10.00pt

30.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)1959年10月
分類

長編小説

閲覧回数2,493回
お気に入りにされた回数0
読書済みに登録された回数2

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

三十棺桶島 (ポプラ文庫クラシック)

2010年05月07日 三十棺桶島 (ポプラ文庫クラシック)

ベロニクは、見知らぬ土地で見つけた自分のサインに導かれるように「三十棺桶島」と呼ばれる島へたどり着く。恐ろしい陰謀に巻き込まれたベロニクを救い、島にあるという人間の生命を自由にあやつる「神の石」の謎をとくため、ルパンがスーパーマンのような活躍をみせる。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

三十棺桶島の総合評価:8.44/10点レビュー 18件。Dランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

江戸川乱歩風ルパン

「モーリス・ルブランの手による江戸川乱歩風味」といった趣の物語。忌まわしい伝説が伝わる島に監禁された愛息を救うべく、島に渡った母親、悪の首領が支配するその島には壮大な地下迷宮(!?)が存在し、万能の力を持つ「神の石」が眠る…。
ほら、乱歩以外何物でもない!
しかも、珍しく主役のルパンは何と、物語の3/4を過ぎた辺りから登場という異例の展開。
なのに安っぽいんだなぁ、これが…。

Tetchy
WHOKS60S
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.17:
(4pt)

中条省平の新訳は「アルセーヌ・ルパン」シリーズ。小学生以来、久しぶりに手に取った。

「学恩」という言葉があり、この字義は「学問を教わる上で師から受けた恩義」ということだが、私のような、普通の社会人をしていて、何事も独学で勉強し、師にあたる人がいなくても、いつの間にか学恩らしきものを感じている人がいる。中条省平は、その一人だ。

というのは、まず映画批評であり、日経新聞に時々掲載される、映画史を俯瞰した中条の批評を、私は大変楽しみにしている。そして、「教養としてのフランス映画220選」(祥伝社黄金文庫、2023年)を眺めては、この220の映画を全てを見切れていないことに、ため息をついている。いったいいつ、見切れるというのだろうか。

次に、マルセル・プルースト「失われた時を求めて」のフランスコミック版の2冊(祥伝社)で、この中条訳のおかげで、私は難解なプルースト作品を少しイメージする手がかりを得た。この続編は出ないのだろうか。

最後に、カミュ「ペスト」の光文社古典新訳文庫から出ている新訳で、これについては、思い入れたっぷりのレビューを書いたので、関心ある方は、レビューのみならず、中条訳も読んでほしい。

そして、モーリス・ルブラン「三十棺桶島」の新訳が出されると知って、予約して、読むのを楽しみにしていた。ちょっと、訳者あとがきから引用すると、「そんなわけで、二年ほど前に光文社古典新訳文庫の編集者の今野哲男さんから、カミュの『ぺスト』の次は何を翻訳しますか、と尋ねられたとき、思わず、 ルブランのルパン物の一冊、なかでも 『三十棺桶島』をやってみたいと答えていました。ルパン物のなかでもいちばん荒唐無稽な作品を、違和感なくスピーディな現代文に移すことは、翻訳者としてやりがいのある試みだと思ったからです」(596頁)とあるとおり、訳者として張り切って訳した感じが、この訳文にはあって、とても読みやすく、生き生きした文章だった。

また、小学生以来、本当に久しぶりに、アルセーヌ・ルパンのシリーズ作品を読んだが、ルパンは、シャーロック・ホームズでもエルキュール・ポワロでもなく、どちらかと言えば、ジェームズ・ボンドとかイーサン・ハントのような活劇中の人物で、フランス的な洗練が加えられている。本格的ミステリーとは少し違うし、冒険活劇というジャンルだからこそ、小学生の私は熱中したのかもしれない。

そのほか、第一次世界大戦の影響、横溝正史との関連や、江戸川乱歩の分類などは、読み応えのある訳者解説を読んでほしいが、私が個人的に関心を持ったことは、モーリス・ルブランが大のドイツ嫌いだったことである(453頁注釈)。そして、次のルパンの言葉は、後々のナチスの到来を予見させるようである。深読みしすぎだろうか。「彼は何よりもまず、ドイツ民族の神秘的な衝動に従っていたのです。ドイツ民族は自分の運命があらかじめ定められていると思いこみ、つねに運命のあたえる使命に従うことを誇りに感じます。 その使命が、民族を再生させることであっても、強奪し、焼きつくし、皆殺しにすることであっても、まったく同じことなのです」(496頁)。「素晴らしい小説の基準点」として☆を4つとした。また、「アルセーヌ・ルパン」シリーズの翻訳と出版に期待したい。これは私の書いた69番目のレビューである。2025年5月28日読了。
三十棺桶島 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:三十棺桶島 (光文社古典新訳文庫)より
4334106471
No.16:
(5pt)

光文社古典新訳文庫で『三十棺桶島』!

光文社古典新訳文庫で『三十棺桶島』が出るなんてちょっと驚きました。怪盗ルパンの新翻訳というだけでもびっくりですが、『奇巌城』でも『813』でも『八点鐘』でもなく、僕の中ではちょっとマイナーな『三十棺桶島』ですから意外ではありましたが嬉しい驚きでした。実は……、ルパン物は、小学生の頃南洋一郎翻案(?)の物を読んだだけで、大人向けに翻訳された創元やハヤカワのものは読んだことがありません。当時出ていたポプラ社の怪盗ルパンシリーズは全巻読んだのですが、南洋一郎さんが子ども向けに超訳していたと分かったのはだいぶあとになってからです。その中でも『三十棺桶島』はインパクトのある題名だけは覚えていたのですが、面白かったという印象があまりありませんでした。それが今回、中条省平さんの翻訳で読んだところ,こんな面白い話だったんだと改めて思いました(逆にこれを子ども向けに翻案した南洋一郎さんは素晴らしい!)。本書には、あの怖かったポプラ社版の挿絵よりはちょっと上品(?)な挿絵が24点も入っていて楽しく読めました。お薦めです。……中条省平さん、光文社さん、その他のルパン物の新翻訳もお願いします。中条さんの翻訳で『奇巌城(空洞の針)』『813』『カリオストロ伯爵夫人』等が読みたいです。
三十棺桶島 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:三十棺桶島 (光文社古典新訳文庫)より
4334106471
No.15:
(5pt)

痛快にして躍動、あっという間の250ページ

例によって小学生の時に図書館に歴代小学生が読みふけってぼろぼろになったルパン全集のなかにこれがあったのでございます。
 この様にルパンに接した日本人は、その後の時代であれば尾田栄一郎「ワンピース」や岸本斉史「ナルト」、青山剛昌「名探偵コナン」を読んだ人と同じぐらいいるのではあるまいか。
 と、いう訳で何冊か読んだあとで数十年が経過し、ふとしたきっかけでかつてのルパン全集(今の20巻本の怪盗ルパンシリーズではなく、20世紀に刊行されていた30巻本の方)の11巻の古本を手に取った。
 最初、ヒロインでるドミニク・デルジュモンが自分のサインと老人の死体を発見するくだりからもうルパンワールド炸裂で、ここでおどろおどろしい江戸川乱歩横溝正史系統の話になるかと思いきや、モーターボートで悪い悪人(笑)が三十棺桶島から逃げ出そうとした純朴なる島民の船に爆弾を投下、逃げ惑う島民を景気よく銃撃して30人ぐらいあっさり殺される所でモードが変わり、その後も隠されていたヒロインの息子フランソワとの冒険だの、元夫(これが絵に描いたようなDV夫であった)が出て来たりと入り組んだ人間関係にも関わらず物語は物凄いターボがかかっており、250ページは1時間もしないで読み切ってしまった。
 謎を秘めた「神の石」はキュリー夫妻の発見した当時最先端の科学をアイデアにしており、モーリス・ルブランは「まぼろしの怪盗」でも見られるのだが、また20世紀初頭という時代の性格なのか、当時の人間はとくにジャンル横断的にそうした発想を持つのか(コナン・ドイルもチャレンジャー教授に「ロストワールド」で恐竜を登場させているし)、科学的な知見がミステリ(というよりも寧ろサスペンスに近い)の中核になる作品を見ると、SFとミステリが現代よりももっと地続きで接近していた時代の息吹を伝えていた。
 当然、善は栄え悪は滅び、児童向け怪賊にふさわしい勧善懲悪の物語の快楽に陶酔できたのであった。 
 もちろん子どもの時の視点と同じではないが(同じだったらそれはそれでスゴイが、それはそれでヤバイ)物語のドライブに身をまかせて疾走していく、天空が開けていくような快楽を感じさせるのはやはり天才南洋一郎で、その魔術に身をまかせ、手に汗握る幸福でノスタルジーな現実逃避を満喫できました。
三十棺桶島 (シリーズ怪盗ルパン)Amazon書評・レビュー:三十棺桶島 (シリーズ怪盗ルパン)より
4591063879
No.14:
(5pt)

歴史的背景を含めた壮絶なドラマ

ルパンの長編は
ルパン自身がのっけから活躍する事件と、
その話限りの主人公のドラマが展開され
ルパンが途中から加勢する事件に
分けられると思うが、
本作ではルパンが登場するのは
最後の1/3くらい。

それまではヒロインであるベロニックを中心に
恐ろしい殺人劇が展開されていく。
本作の悪役のとある信念が
さまざまな事件を起こしていくのだが、
最後にルパン(ドン・ルイス・ペレンナ)が語るように、
本シリーズの第1巻から第11巻に至るまでの中で言うと
確かに想像を絶する凄まじい事件だと言える。

それまでにも『奇岩城』や『813』や『水晶の栓』など
結構劇的な展開を含む作品はあったし
特に『水晶の栓』の悪役の極悪ぶりは
目を見張るものがあった。
しかしそんなのまだ甘いと思えるほど
本作の事件は痛ましい。
タイトルともども読者に恐怖を感じさせるような
おどろおどろしさはあると言える。

しかし、どれだけ凄惨な事件であっても
そういう生々しさをグロテスクに描くことは
ルブラン(ルパン)の趣味ではないらしく
一部の江戸川乱歩や横溝正史に見られるような
恐ろしさとは異なる。

ルパンは登場とともに
事件を解決し、解説するのは
いつもお決まりのパターンだが、
ルパンがそんなに短時間に解決できる事件なのに
なぜどの登場人物たちも
一切事件が解決できないのだろうと
思ってしまう。

だが、ルパンには超人的な力があって
彼が登場することで
事件が大団円を迎えるという安心感を
読者は必ず感じさせられる。
ルパンが物語のクライマックスで
登場するというのは
ルパンならではのお約束で
途中出場とはいえ
彼が出てくることで
どの作品もルパンものだなと
感じさせられてしまう。
ルパンものは読者の期待に応えるように
設計された物語だといえるだろう。

比較的短編の多い
シャーロック・ホームズと比べると
ルパンシリーズは
推理ものと呼ぶよりも
冒険ものと呼ぶほうがふさわしいくらい
話のスケールが大きい。

本作には、前作『金三角』に登場した
主人公も友情出演している。
ルパンシリーズを読むなら
できれば第1巻から順に読んでいくほうが
楽しいと思う。
三十棺桶島 (アルセーヌ・ルパン全集 (11))Amazon書評・レビュー:三十棺桶島 (アルセーヌ・ルパン全集 (11))より
4038151107
No.13:
(5pt)

良かった

懐しかった
三十棺桶島   怪盗ルパン全集 (11)Amazon書評・レビュー:三十棺桶島 怪盗ルパン全集 (11)より
4591001660



その他、Amazon書評・レビューが 17件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク