昭和39年東京オリンピック前夜。一方的な別離の電話を最後に、挙式を翌月に控えた萄子の前から、婚約者・勝が姿を消した。

“われわれはかつて自然界に存在しなかった生物―キメラ―を作り出そうとしているのだ”。

丑の刻、貴船神社に夜毎現われる白装束の女が鬼となって、自分を捨てた男を取り殺そうとする。

昭和九年浅草、吉原・弁財天。神隠しの因縁まつわる古木「触れずの銀杏」の側に、ぐったりと座る老人の姿があった。

今宵のテーマは「ロボットの夜」。ホラー、ミステリ、幻想怪奇、ロマンス…さまざまな意味合いの「夜」が登場します。

飯倉菜子は16歳。女流ミステリーの大家・神乃瀬志帆を母に持つ。

ブラックな笑いと、前人未到の恐怖に彩られた異才田中啓文、初の短篇集。

仕事もイヤになり、恋人もいないOLが下着ドロに手錠をかけた。頭に来てベランダにつなぎ、顔も見ないで外出してしまう。

思うままにならない三匹の豺虎を前に自らの至らなさを嘆く景王・陽子の傍にはいつしか祥瓊、鈴、二人の姿があった。

天命により慶の国、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。

四国八十八ケ所の取材中に知った十二年前の事件に、浅見光彦の胸は騒いだ。車の転落事故を装われ男女が谷底に消えたのだ。

気が付くと、血のついたナイフを握っていた。眼前には血まみれになって倒れている男。

お前は今日から川中歩美だ―少年院を出たその日から、私は財閥令嬢の身代わりとなった。

組織に莫大な借金を負わせ、東京から地方の温泉街に逃げ込んだ経済ヤクザ・高見。

清麗女学院理事長の塩谷勝弘が石神探偵事務所を訪れた。

一人の男が殺された。被害者の足どりを追う刑事たちの焦燥は深まるばかりだった。

我利我利亡者の地主、不気味な絵を描く洋画家、弾けなくなった天才ピアニスト、元博徒の顔役、腺病質な少年、書かない少説家…といった人々が住む小島、知る人ぞ知る“変人島”に続発した事件の犯人は?本格仕立ての『変人島風物誌』と、冒頭にプロローグとエピローグを並列し

三月ウサギに誘われ、宇佐見博士は目くるめく謎また謎の時空へ。

殺人方法考案の天才だった父が、通信教育で殺し屋を育成していたことを知った青年・桔梗信治は、彼らを消すことで父の「血に餓えた遺産」を清算すべく、東京へと赴いた。

深夜の新宿二丁目―同性愛者や不法滞在者の楽園でゲイバー経営者が惨殺された。

探偵社の調査員・日高健介は同僚の湯村亜木子と結婚し、亜木子の希望で九州・高千穂へ新婚旅行に出かけた。

飛騨高山でスケッチをしていた謎の女性が突然の失踪。東京では、不可解な連続殺人の発生。

群馬県の温泉地で、ほぼ同時期に、3人の若い女性が行方不明となった。都内では、少年のホームレス狩りによる殺人事件が発生。

隅田川に浮かんでいた十歳の少女・関谷正子の死体を発見したのは偶然にも、浅草署の刑事の田島だった。細い首には扼殺の跡。

新宿の街を震撼させたチャイナマフィア同士の銃撃事件から二年、警察の手すら届かない歌舞伎町の中国系裏社会を牛耳るのは、北京の崔虎、上海の朱宏、そして、銃撃事件で大金を手に入れた台湾の楊偉民だった。

嵯峨敏也は謎の女からの電話を受けた。

一葉の写真、一枚の絵が呼びおこすひそやかな官能、秘密のかおり。言葉と映像―甘美で危険な交歓が紡ぐ作品集。

予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。

不毛な愛に翻弄された夏子と冬子。親友の二人は、東京での生活を捨て、京都でスナックを開店する目的で西へ向かう。

私、椎名耕助は、大学の同僚・乙骨三四郎とともに避暑を兼ねて信州へ旅行することになった。

30冊の警察手帳紛失に内部犯行説が…。男たちの矜持を描く迫真のミステリ。

だから、私から誘惑する…。藍沢晶子は、夫の優秀な部下であり娘の婚約者でもある青年を、愛してしまう―。

「兄貴は無実だ。あたしが証明してやる!」誕生日と夏休みの初日を明日に控え、胸弾ませていた中学生の渚。

空手選手としての生命を断たれ、杖をつき、整体院を経営する私は、深夜突然何者かに襲われた。

月の森の蛇ガミをひたすら愛し、一生を森で送ったホウズキノヒメ。

骨董店で手に入れた京都・大江山の鬼の文鎮。その直後、友人から蝶の上に角を生やした鬼が乗っている写真を見せられた。

SF仲間である山本・吉永・伊東・三波の四人は、二十数年間消息を絶った後、ある日ひょっこり戻ってきたという山本の叔父・浄閑寺公等なる人物に興味を抱く。

熊田十兵衛は父を闇討ちした山口小助を追って仇討ちの旅に出た。

高校一年生の笹倉里加は何者かに川へ突き落とされ、いったん死んでしまう。

讃岐名物の「醤油豆」。焼いたカマスのすり身と味噌をこね合わせた「さつま」、黒砂糖と醤油で煮つけた豆腐と揚げの煮物。

明日の二時までに十億円を用意しなければ、菓子を食べた人が百人死ぬ―大手食品メーカーにかかってきた突然の脅迫電話。

まだ雪の残る上高地で、女と男の死体が見つかった。

会津に取材に訪れたルポライターの浅見光彦は、漆器工房で製造実演のさなか、塗師・平野浩司が謎の死を遂げるのを目撃する。

G国で軍事クーデター勃発。楢崎練の帰りを待つ祖父ら家族は突然の報に不安を募らせた。

日本最古の歴史書であり、物語も謎もふんだんの「古事記」。

現実生活はみじめなものだった。恋人も去り、大学も行かず、金はない。

オレの同居人、作家の桜川ひとみは、山奥の「柚木野山荘」で開かれる結婚式に招待された。

ケア付きマンションを餌に、老人から金を騙し取っていた男が、三島市内で刺殺された。

東大研究生として来日したアメリカ人女性ジュディ。

「三人もが変死している!」私立探偵片山は呆然とした。米国の実業家ハサウェイからの依頼であった。

もうひとつのイギリス、パラレル英国で活躍するパンクス出身の捜査官キッド・ピストルズとピンク・ベラドンナ。

「恋人がエレベーターに乗ったまま戻ってこない」という男の訴えを聞いた警備員がビル内を捜すが女の姿はなかった。

伏見桃山の御香宮絵馬堂で、証券マンが毒死した。

1999年4月、岡山県幻影島にある日本初の映像テーマパーク「ハルキ・ワールド」で、「『四重密室』殺人事件」と、「『空中密室』人間消失事件」が連続して発生した。

誰も描かなかったブラインド・スポット―孤絶の空間を舞台に、音道貴子の刑事人生は最大の危機に突入した。

おれがリングで闘い続けるかぎり、あの男の魂は、死にはしない。ボクシング小説の金字塔!!第25回文芸賞受賞作。

犯罪とは無縁の一色温泉で若い白人女性が殺された。死因は打撲による内臓破裂。

乳がんの手術以来、何をするのもかったるい25歳の春香。この洞窟の出口はどこにある―現代の“無職”をめぐる五つの物語。

熊本で、局地的に死者が蘇る現象が多発。老いも若きも、死んだ当時の姿そのままで生き返る。

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。

伝説の男が帰ってきた…。ニューヨークのダウンタウンでホームレスに身をやつし、隠遁していた謎の男・ヤザキ。

旅先で間違えたバッグの中には一通の手紙が。

堕胎手術で死んだ少女が残した謎の言葉“アルキメデス”。

堕胎手術で死んだ少女が残した謎の言葉“アルキメデス”。

旅先で間違えたバッグの中には一通の手紙が。

英文学翻訳家でフェミニスト、沢

十二世紀の中東。聖者たちの伝記録編纂を志す作家・ファリードは、取材のため、アリーと名乗る男を訪ねる。

葉月下旬、やたら元気な女子高生の身の上に、奇怪な事件が降りかかる。

航空ショーでアクロバット演技中のパイロットが撃たれ、死んだ。航空機は二人乗り。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

過去を隠し、人目を避けて山奥で暮らす榊原健三の許に、かつての暴力団仲間が現れた。

「犯人を捕らない刑事には用はない」。たとえ出世はしなくても、犯人検挙に全力を尽くす蟹沢石太郎警部補の信条だ。

友よ、おまえの大切なものは俺が守る。ひとりの少女を追って、あの川中良一が街にやってきた。

映画撮影のために集まった監督、カメラマン、プロデューサー、俳優たち。一番光り輝くのは誰なのか。

さびれた海岸沿いの裏通り。小さな借家には、潮の香りが漂い、波の音が聞こえる。

東海地震で倒壊したマンションの地下駐車場に閉じ込められた六人の高校生と担任教師。

卓抜なプロットを詩情豊かに描く本格推理の巨星・土屋隆夫の業績を俯瞰する待望の集成第二巻。

卓抜なプロットを詩情豊かに描く本格推理の巨星・土屋隆夫の業績を俯瞰する待望の集成第二巻。

北条由紀は、生後4カ月の娘紗江とともに、男に誘拐されてしまった。由紀は、夫から離婚を迫られていた。

プレイボーイの青年実業家・高原雅之が刺殺され、付き合いのあった五人の女が捜査線上に浮かんだ。

日系ブラジル人マーリオ。反対する祖父を殴り倒して出稼ぎにきた日本。

プラズマイマイは磁気をコントロールして宇宙を駆けめぐる。

私に結婚を申し込んだ男には、私より愛している女がいます。

舞台は北の田舎町。中学校の旧校舎で生徒会長の一村和人が遺体で発見された。

武士から町人まで、さまざまな男女の心を描く短編集。

関ヶ原以後、新座衆の扱いに苦慮する加賀前田家で、家老の罠に落ちた男・太田但馬守。

江戸の十二カ月を鮮やかに切りとった十二の掌篇「江戸おんな絵姿十二景」と、広重の「名所江戸百景」から触発された七つの短篇。

話は6年前。両親が旅行中の三姉妹にやっぱり事件が。

杉原爽香、二十七歳の秋。丹羽明男との結婚式を間近にひかえ、爽香は新婚旅行用に「うぐいす色の旅行鞄」を買った。

英文学翻訳家でフェミニスト、沢地逸子のホームページに「生理ガハジマリマシタ。

浅見光彦は、母・雪江にお供を命じられ、三州へ旅に出るはめとなった。目的は「殉国七士の墓」に参拝すること。

“「おらあ」イケがくるりと背中を向け、うしろ回し蹴りをサングラスの顔面に叩きつけた。

ジュラシック・パークに刺激された研究者が、6500万年前の地層の中にあるDNAから地球外生命体を復元してしまう「肉食屋敷」、西部劇をモチーフにゾンビの世界を描いた「ジャンク」、人間の一途な愛が恐怖を生み出す「妻への三通の告白」、自分の中にあるもう一つの人格

「こころの準備をしてください」―メイの元に届いた謎のメール。

だれも祝ってくれない誕生日。孤独をかみしめながら、その日彼女は無惨に殺された。

新婚半年で夫が失踪した。生死不明のまま三年が過ぎ、待ちつづける妻には新しい恋人が…。