金沢城嵐の間
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構成は安部氏独特の短編集の切り口で、特定のシーンに的を絞って展開し、最後まで描き切らず余韻を残すラストシーンがいいですね。 戦国の終焉に向けて、家康の陰の力が関ケ原の敗者だけでなく勝者にまでおよび、各家はその牙を抜かれていきます。 「残された男」 関ケ原で石田三成を捕縛した殊勲者、田中吉政。 その田中家取り潰しの原因となった、田中譜代衆と旧立花家臣団との確執。 「伊賀越えの道」 主君定次の野望で分裂する筒井家臣団。その後改易のきっかけとなる陰謀劇。 「義によって」 越前松平家内の豊臣派と徳川派の権力闘争。 「金沢城嵐の間」 前田利長の幕府恭順派と、利家の遺言を守ろうとする反徳川派の対立と亀裂。 「萩城の石」 吉川広家派と毛利秀元派の対立が、萩城普請中のある事件をきっかけに大騒動に。 「生きすぎたりや」 幕府の介入によって混乱する細川家の家督相続騒動。 「金沢城嵐の間」では太田但馬守が主役で幕府恭順派の家老、横山大膳と激しく対立します。 物語では横山大膳や主君の前田利長が悪者として描かれます。 安部氏の別の著作『関ケ原連判状』でも両者が登場しますが、こちらではこの逆で太田但馬守が悪役です。 両方を読むとどちらが正しく、どちらが悪いのかわからなくなってきます。 むしろどちらにも正義があった。 当時の日本中の武家の、先の見えない苦しみが伝わります。 | ||||
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作品中の中で「萩城の石」がやはり一番面白い。 毛利元就以来の調略を垣間見る傑作だ。 一般文学通算751作品目の感想。2011/12/08 | ||||
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田中忠政の家臣・藤崎六衛門を主役とする『残された男』 筒井定次の元家臣で隠居の中坊秀祐を主役とする『伊賀越えの道』 本多富正の家臣・大木十左衛門を主役とする『義によって』 前田利長の従兄で前田家家老の太田長知を主役とする『金沢城 嵐の間』 益田元祥の家臣・栗山三郎右衛門を主役とする『萩城の石』 細川忠興家臣の長岡宗信の妻・花江を主役とする『生きすぎたりや』 以上六編が収載された短編集。 かなりのマイナー武将や実在したかどうかも不明な武将が並びます。 そして舞台はどれも関ヶ原以後のお家騒動と、総じて地味。 そんな一見マニア向けの一冊ですが、実際はそうでもありません。 短編ながら導入部の書き方が秀逸で、時代背景に詳しく無くとも愉しめる事でしょう。 フィクション部分が強いからかもしれませんが… どの話にも共通して語られるのは「武士の一分」。 (『生きすぎたりや』では「己れの一分」。) どの主人公も謹厳実直で好感が持て、共感もし易い主人公らしい人物像。 それ故に悲しい結末が待っているのですが、意外にも読後感は良かったですね。 そして、これまたどの話にも共通する事柄ですが、結びがかなり独特。 若干肩透かしを喰った様な気分にもなりますが、消化不良感はありません。 巻末の解説で北上次郎氏が仰っている様に、記憶に残る終わり方と言えるでしょう。 出だしこそ全体像が掴み辛いものの、気付けば虜となっている見事な一冊。 短編集なので時間が無い方にも自信を持ってお勧め出来ます。 | ||||
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