道誉と正成
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吉川英治、山岡荘八のそれぞれの太平記を以前読んだ。そして初めての安倍龍太郎。 大河『太平記』の再放送を観てる最中なので、陣内孝則演ずる道誉を想像した。 史実を元に脚色した小説であるが、道誉も正成も、義を重んずるので、感情移入しながら読めた。 派手な道誉と、実直な正成と、イメージは大きく違うが、共に経済力を持ち、天皇の独断政治に疑問を抱き、 信義にあつい。 独断政治を排し、天下万民のための世を作らんとする大塔宮、それに心酔する正成、道誉。 若干綺麗事に感じたが、その実現のために、命を散らせる様は、もの悲しいものがあった。 (敵の習性をつかみ、意表をついて混乱させ、隙に付け込んで叩く。兵法は詭道だと 孫氏も言っているが、そのコツは獣を獲るのとまったく同じだった。)p254 「政も商いも、誰かのやり方に従えばうまくいくというものではない。いずれも欲と妥協の産物じゃ。 それゆえ多くのものの意見を取り入れ、失敗したら改める柔軟さが必要なのじゃ。」p395 鎌倉幕府を倒して以降の後醍醐天皇が、忠臣の意見を傾聴していれば、思ってしまう。 | ||||
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佐々木道誉と楠木正成の交流を描いているらしいと思い、購入しました。 佐々木道誉の婆裟羅振りが今一つ書かれていないのと、道誉と正成という割には楠木勢が都に攻め込んで道誉の屋敷を占拠した時の道誉のもてなしの行動や、退去するときの楠木側の心遣いなどの逸話が書かれていなく、「道誉と正成」と云うに、両者の直接的で具体的な交流が描かれておらず、少々物足りない気がしました。 太平記には「もともと楠木は同族(足利方)で、云々」と書いてあるが、楠木氏が静岡県静岡市清水区の出である事、楠木氏が長崎氏の被官であったことは現在でも「楠木」「長崎」の地名が残っていて、歴史的な事実であることが学者によって証明されているが、その事が掛かれている事を見ると、著者の勉強ぶりがうかがわれて田の小説も読んでみようかとの気持ちになった。 | ||||
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武士の勃興期の1場面を見事に描いている。 | ||||
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楠木正成については子供のころからいろんなところで語られている姿を目にしたけれど、佐々木道誉はあまり印象がなかった。以前、NHKの大河ドラマで「太平記」をやった時に陣内孝則氏が演じていて生け花やって見せているシーンが印象にあるぐらい。その二人が道誉を先にして並べられているのが珍しくて購読。本書は2009年8月刊行の単行本の文庫化とのこと。 一読して本作品の影の主役は後醍醐天皇であった。しかも読んでいて「定家明月記私抄」堀田善衛ちくま文庫を思い出してしまった。同書においては、承久の乱において北条政子の檄に応じて京都に迫った幕府軍に後鳥羽上皇があっさり降伏した場面で以下のように述べられている。 注目すべきは、首謀ノ公卿等の断罪が、あろうことか、掌をかえすようにして、後鳥羽院の勅命によってなされたということになっている点である。首謀者はいったい誰であったのか。 「首謀ノ公卿等ヲ断罪」せしめたり出来る資格が、後鳥羽のどこから出てくるのか。 ここに天皇制というものの実際的応用に関する、実に端倪すべからざる、当初の大義に対しての裏切りをも含む両義性、あるいは和歌のそれにもさも劣らぬ多義性が、むき出しに路頭していることを見る。 同書174p 時代は100年ほど違うが、後鳥羽も後醍醐も似たように思える。本作品では大塔宮が良い者で、広域流通に深く関与する佐々木道誉(名門代表)と楠木正成(低い出自代表)が夫々の「史的唯物論」的背景を踏まえて後醍醐に味方したり齟齬を来す。足利尊氏の弟の足利直義がけっこう悪者だったりっする。総じて経済的基盤と天皇との関係に独自性を発揮しつつ物語は悲劇的に史実に収斂していく。結末に関して史実を無視したことでその悲劇性を高めながらも、一方で「ああよかった」と思わせるようになっていて手が込んでいる。途中の様々な描写など史実性を重視しながら自由に空想を飛躍させていて面白い。 | ||||
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これを読むと正成、道誉が好きになっちゃいますね 是非南北朝時代を長編で書いてほしいな | ||||
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