「精神科医・深崎透の失踪を、木村絵美子という患者に伝えろ」。臨床心理士・嵯峨敏也は謎の女から一方的な電話を受ける。

日本史教科書編纂の分野で名を馳せる島地章吾助教授は、学会で変わり身の早さと女癖の悪さで名を知られていた。

教授になった島地章吾は、妻と愛人がいるにも関わらず、学生時代からの友人佐野が単身赴任中、妻明子と強引に関係を結ぶ。

昭和23年1月26日、帝国銀行椎名町支店に東京都の腕章をした男が現れ、占領軍の命令で赤痢の予防薬を飲むよう告げると、行員らに毒物を飲ませ、現金と小切手を奪い逃走する事件が発生した。

津本まひるは、冴えない探偵事務所のオーナーだ。

織江が実の娘であることを知った松浦静山。だが静山は、織江にそれを知らせぬまま、ひそかに守りつづけることを決意する。

理性で抑えようとしても、身体のどこかが疼くような感覚とともに深まっていく憎しみ―。

信玄亡きあと屈指の大国を受け継いだ武田勝頼は、内憂外患を抱えていた。

美貌の青年茶道家・洗足伊織は、妖怪のDNAを持つ異質な存在。

織田信長の圧倒的な戦力である鉄砲隊は、火薬の原料となる硝石をもたらすポルトガルに支えられていた。

織田信長軍団の若武者・長岡与一郎(のちの細川忠興)は、仲間の万見仙千代、荒木新八郎らとの勝負を経て、彼らの友情に支えられ、信長の養女にして重臣・明智光秀の娘・玉(のちのガラシャ夫人)を娶った。

昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。

安城民雄は、駐在として谷中へと還ってきた。心の傷は未だ癒えてはいない。

二十七歳の誕生日に仕事をクビになるのは悲劇だ。僕は四年間勤めた片説家集団を離れ、途方に暮れていた。

歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。

長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。

ついに重兵衛がおそのに求婚。その余韻も冷めぬまま、二人は重兵衛の朋輩だった柿ヶ崎作之助に出くわす。

三十歳まで女を抱いたことがない牧場の一人息子・秀一が、日本語を話せない中国の娘を嫁に迎え入れる表題作「恋肌」ほか五編を収録。

六十歳―還暦という人生の節目を迎えた会社社長が、五千万円の小切手を持って失踪。

伊勢神宮奉納全国花火大会の夜に殺人事件は起こった。被害者は中学2年生の町村花歩。

名も無き男の人生だろうが、この手で拓いた人生だ。もはや死に場所などない新しい時代。

今度お逢いした時は、きっと誠さんを刺します…吉原の惣名主となった松永誠一郎の前に、凛とつややかな女が現れる。

もう一度最後にもう一度思い出そうと思うんだ…伝えるためにこの気持ちを…届けるために僕の手紙を…。

石神探偵事務所の一員でもあるアキは、友人の多賀谷紫織らと、紫織の伯父が住む玄武屋敷を訪れた。

ある日突然、友人・魔作子を殺害し、それを天誅と言った正子。

音楽教師、杉山博之が変死した。

有名ニュースキャスターの娘が、都内アパートの浴槽で「凍死体」となって発見!その恋人である人気モデル小嶋英介の関与が疑われたが、彼もまた雪の八甲田山で無残な姿で見つかった!二人は誰からも好かれる人柄のよさで知られ、怨まれる理由がまったくわからない。

2035年から届いたメールがすべての始まりだった。

編プロに勤める三枝英子は、ある日の深夜、帰宅中に変質者に襲われそうになったところを、見知らぬ男性に助けられる。

真夏の母娘の光景を切り取った「空蝉」。初代将軍頼朝にまつわる因縁を描いた「されこうべ」。

女子高生の神代エリカ。

神代エリカは「正統な」吸血鬼の父を持つ女子高生。彼女の身の周りで、怪奇な事件が次々と起こる。

警視庁VS神奈川県警、勝つのはどっちだ!12億円を目の前にした刑事。その時頭に浮ぶのは、正義か打算か隠蔽か…。

東京深大寺。テレビ番組ディレクターの井上美奈子が、お遍路姿で殺害された。

小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。

武士を捨て、飴売りとなった三左。腕が立ち、肝も据わり、頼りになる。

自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。

太平洋の真ん中、赤道直下に浮かぶ、名前のない小さな島。

灰に埋め尽くされ、僕は穴になってしまった―目眩がするような観念の戯れ、そして世界観―。

頼子が残りの房を口に放り込む。この果実の味を、彼女の顔が語っている。

星泉は、17歳の高校2年生。

1997年、香港返還前夜―激変する麻薬ビジネス。壮大なユーラシア大陸を舞台に、日米潜入捜査官の苛烈な闘いが幕を開ける。

ロシア、中国、日本―ユーラシア大陸に広がる“白い悪の連鎖”を潰せ!謎の男ホワイトタイガーを追いつめる潜入捜査官三崎。

一九八八年、世はバブル景気の頂点。

スナイプを使ったオペは、目覚ましい戦績をあげた。

日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは反地上的な夢、濃密な幻想である。

何の因果か「魔道書」に封じ込められた妖魔たちの使い手となった夕士。

いつものようにタイムスリップした香里、拓哉、亮平の3人組。

終戦の夏、父はなぜ洪水の川に船出したのか?母が遺した「赤革のトランク」には、父親関係の資料が詰まっているはず。

「十字架が立っているのは、僕が書いてきた物語の丘だ」(重松氏) あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。

「どうしたんだ、暗い顔して。またちゅーでもしてやろうか?」「全部君が原因だよっ!」都築初のクラスに車椅子の少女が現れた。

権の魔に魅入られた者の業は深い。将軍家斉の父一橋治済、執政から外れた松平定信、御三家の一角水戸徳川家。

〜金杉父子の絆。

寝る場所を求めて深夜の街をさまよっていた植草治夫は、オフィスビルに次々に女が入っていくのを見る。

フレーバリスト(香料研究者)の向井紅美子が都内のホテルで殺された。

ある日萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。

慶安年間、幕府転覆を企てた謀叛人・由井正雪が隠した数万両の軍資金。

太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。

アメリカ合衆国の首都、ワシントンDCにある空港で少年が車に撥ねられ死亡した。撥ねたのは日本人留学生・カオリ。

会社のエースとして飛ぶ鳥を落とす勢いだった山名功は、突然、関連企業末端のゴルフ場に異動となった。

晴明の呪、博雅の笛が京の闇に響

『さくら』で彗星のように華やかなデビューを飾った西加奈子の第4作にあたる長編小説。

矢吹由利子、桑田旭子、弘野香子の花園学園二年生仲良しトリオは試験休みに温泉へ。そこで三人は知り合いの芸能プロ社長と会う。

沖縄本島沖の孤島―水波照島にあるヒラモリ電器の保養所で開かれたクリスマスパーティー。

浅見光彦の眼前で、女神に扮した美女が転落死した!年に一度の“御堂筋パレード”。

四月吉日午前三時の爆破決行を予告する手紙が、国鉄総裁宛に届いた。

轢き逃げで一人息子を喪い、妻にも先立たれた作家の成田正隆は、妻の郷里・佐賀へ、傷心を癒す旅に出た。

夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。

奈良の山中の村で、珍しい雨乞いの儀が行なわれるという、村に豊かな水をもたらす湖には水魑という神様がいるとも―。

近代日本美術の父・岡倉天心の直筆画が発見された!?「筆を持たない芸術家」と呼ばれた天心の実作はきわめてまれだが、神永はズバリ、破格の値をつけた。

東京でインテリア・アートの販売員をするOL、真紅。仕事に挫折し、母親の待つ故郷に帰るべきではないかと悩んでいたある日。

遭難死した夫の追悼登山に行った早坂知恵と山岳ガイドが刺殺体となって発見された。

新作の撮影中に謎の失踪を遂げた鬼才の映画監督・大柳登志蔵。

その執拗なまでの観察眼で対象に肉迫する作家・大岡昇平の散文精神は、愛好した推理小説を実践する際にも、その威力を遺憾なく発揮した。

早池峰山、カッパ淵、曲り家…。

不況のさなか、ようやく警備会社に再就職できた中年男四人が命じられた、老人と可憐な少女のガード。

大手都市銀行の行員3人がさらわれる誘拐事件が発生した。身代金要求額は10億円。

身代金の要求額は、10億円―。大ؤ

長年の旅と探求がこの作家にもたらした、深沈たる一滴、また一滴―。

原子力潜水艦内で乗組員多数が謎の攻撃により変死、アメリカ海軍は海底基地に調査員を派遣する。

全国の相棒ファンをうならせ、日本民間放送連盟賞ドラマ優秀賞を受賞した「バベルの塔」をはじめ、滑稽ながら深刻な夫婦愛を描く「Wの悲喜劇」、薫の男の涙が読者の涙腺を刺激する「裏切者」、日本版CIA設立という壮大な舞台を背景とした「サザンカの咲く頃」など、名作中

武家の非情な掟の世界を端正な文体で描き、直木賞を受賞した表題作。

同期の女の子を呼んで開いた週末の鍋パーティー。みんなを送り出した翌朝、部屋には、女物の靴が一足。

人類の命運を握る悪意に対抗するのは、この街に偶然集結した人々の小さな勇気。

妻の病を治したい、子供を一流中学に入学させたい…。

乱れる髪、墨を塗ったような隈、黄色く澱んだ白目。

六欲滅失を誓うマントラ唱和、過去の罪を詰られる懴悔の行、全裸で赤子や動物になりきる自我滅失の行…。

1986年10月、あの忌まわしき“六軒島大量殺人事件”が再び繰り返されようとしていた。

若き名執権・北条時宗が闇に葬り去った驚愕の真実とは?北九州大学の考古学者、馬渡俊が九州の海岸で棒状の物体を発掘した。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

中年になったって冒険心は変わらない。

著者の傑作ショートショート14話+巻末に読みごたえ◎の短編1話を収録。どれからよんでもおもしろい。

本シリーズの特徴は、話がつぎつぎに些末な方へ、否、多方面へと逸れていくために、なかなか話が進まない、本題が何であったかを忘却してしまう、もともと本題などない、というまさに人間の思考、人間の会話、人間の会議、人間の委員会、人間のワーキンググループ、人間の国会

法廷を舞台に渦巻く陰謀、緻密な頭脳戦、前代未聞の巨額訴訟の幕が開く!新人弁護士・水戸裕介のもとに事故死した夫の損害賠償を求める妻が訪れる。

「手を下さなければ殺人ではない。

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。

加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。

涙なくしては読めない宮部ワールドの感動巨編！ 讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。

「私ったら、死んじゃったのかしらねえ」長崎屋が大火事に巻き込まれ、虚弱な若だんなはついに冥土行き!?三途の川に着いたはいいが、なぜか鳴家もついてきて―。

なんだか妙に仲のいい、香緒里と友徳姉弟。浮気のあげく家出してしまった父・和志とその愛人・花さん。