薔薇の家、晩夏の夢
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作風とか全く知らずに、紹介文を読んで本格ミステリと誤解。 詩的情緒+それほど難しくない暗号+謎+ちょっと不思議、という要素の組み合わせを試してみた、 実験的小説なのでしょうか。 暗号は、某掲示板の縦読み系をやや複雑にしたものです。 なんとなく推測できる謎というか、秘密はありますが、ミステリじゃなかったです。 読み終わった後で、古い漫画を思い出しました。 (大きな家に母親と二人で住んでいる娘の話で、母親が変装して学校の先生の役もしていて 娘は一切外の世界を知らない。でもある日、一人取り残されている事に気づき・・) この手の閉鎖的世界観は、漫画で結構あって、たいていは未来への希望的ものが暗示されて終わっておりました。 この小説では、そういう希望的暗示はありません。 だからなのか、それとも私に詩的情緒を受け入れる素地がないからなのか、 残念ながら、私には合いませんでした。 一応最後まで読む事ができたので、★3つにしました。 | ||||
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これは、かつてない暗号小説です。 暗号を題材にした作品は数多く発表されていますが、これほど多数の暗号文を含んだ作品は読んだことがありません。しかもそのほとんどが、作成が極めて困難な形式で表現されています。作者はさぞや、もがき苦しみ、のたうちまわったことでしょう。 暗号が解けるにしたがって、ある一家の恐ろしい秘密が徐々にあからさまになっていき、悲劇的な事件も起こるのですが、論理的な謎解きや犯人探し、奇抜なトリックや異様な動機といった推理小説的興味は乏しく、ストーリーの骨組みだけを取り出せば、100頁もあれば書ける内容です。それを、これでもかこれでもかと暗号文を並べ、それらをひとつひとつ解いてみせることによって、300頁近くに膨らませてしまった作者の力業には感服するほかありません。 それにしても、その暗号文のほとんどが「つなげて読むとメッセージが現われる」ものばかりというのは、いかがなものでしょう。この形式の暗号は、実質的な解読作業をほとんど必要とせず、ひとつのルールさえ発見すればスラスラと読めてしまいます。それを物足りないと感じる読者(紙とボールペンを手に、文字や記号の羅列が文章に変換されていく過程を体験したいという読者)もいると思います。 この種の暗号は、大変な苦労をして暗号文を作っても、外見が暗号っぽくないため読者の謎解き意欲をそそる部分が少なく、解読の過程を興味深く描写することも難しく、唯一の取り柄は「実は暗号になっていた!」というサプライズを演出できることですが、この作品ではそれもありません。作者自身が初めから、これは暗号だと明言しているからです。 なお、この作品には、暗号以外にもある企みが秘められており、その方にむしろ感心する読者もいるでしょう。 傑作と呼ぶには躊躇を覚えますが、ミステリ・マニアを自認する人なら、このたぐいまれな力作をとりあえず入手しておくべきだと思います。 | ||||
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