闇ツキチルドレン



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初公開日(参考)2010年07月
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長編小説

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闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)

2010年07月07日 闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)

殺意の矛先は犬や猫、そして人間へ―。小さな地方都市を震撼させる事件の容疑者は、県警本部長も務めた元警察官僚・最上倉太朗!“共感覚”美少女探偵・音宮美夜は妙な出会い方をした高校生・城之内愛澄とともに捜査を開始する。だが最上は「私は音宮くんを殺したい」と宣戦布告!狙われた探偵は、裏を知り尽くした男を追い詰められるか。 (「BOOK」データベースより)




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No.5:
(4pt)

今後も期待の注目作家

第43回メフィスト賞を受賞したデビュー作「キョウカンカク」の続編として書かれた本作品は、前作を楽しめたならば、満足度は高い佳作と言えるでしょう。

「共感覚」──それは、人間の持つ五感が複数共鳴してしまう、特殊な能力のこと。
前作から引き続き探偵役を務める音宮美夜は、聴覚に視覚が共鳴し、音に色がついて見えるという「共感覚」の持ち主。

前作では、「フレイム」と名付けられた猟奇的殺人犯を追い詰めた音宮が、今回、真犯人を探すのは、「チャイルド」と名付けられた、犯行時に子どものような笑い声を発する連続殺人鬼。
ひょんなことで出会った高校生の少女、愛澄を助手役にして、前作から引き続き登場する怪しい刑事矢萩の手引きで、捜査を続けていく。

このチャイルドの容疑者とされたのが、元警察官僚の老人で、音宮の追及も巧みにかわしていくという設定。
そんな中、真犯人が誰なのか、登場人物は少ないのに、なかなか特定できないところが、この著者の物語構成の巧みな点だと思います。

そして、やはり着目すべきは、「題名」でしょう。
前作は、「共感覚」をテーマにしていたのに、なぜ「キョウカンカク」というカタカナ書きなのか。
前作を読了されている方なら、今回の題名にも、何か秘密が隠されていることを期待するでしょうし、著者はその期待に応えてくれます。

前作に引き続き、美少女アイドル系の表紙であることや、文章がライトノベル調であることから、ミステリ的に、軽いと感じる方がいらっしゃる方がいるかもしれませんが、この著者は、きちんと「本格ミステリ」を書ける作家と感じています。

前作の超弩級の真相には及ばないものの、シリーズものとしての設定を巧みに活かした真相は、十分すぎる第2作と言えましょう。

今後も活躍が期待できる作家として、私は注目しています。
闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)Amazon書評・レビュー:闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)より
4061827294
No.4:
(3pt)

〈悪趣味〉(バッドテイスト)の中での共感覚描写が光ります

声や音が、色や形に見え、殺人や破壊衝動を感知できる共感覚少女、音宮美夜が、連続殺人事件の犯人チャイルドと目された、元警察官僚の老人、最上を探るべく派遣されます。
 この老人が何とも気味の悪い言動の持ち主であるうえ、ひょんなことから美夜と知り合った少女愛澄の祖母もまた、「ぬるい声」で孫を精神虐待するやりきれない存在です。愛澄の知人で美夜をものにしようとする大学生も、読んでいて生理的に嫌悪をもよおすような性格で、作者はあえて〈悪趣味〉(バッドテイスト)な世界を作り出そうとしたようです。

 全体をつらぬくテーマは、タイトルどおり〈月〉。月のめぐりがキーになっており、最上の孫娘と愛澄を結ぶ呪わしい糸になっています。

 本作の謎解きには『キョウカンカク』にひきつづいて、共感覚者の宿命ともいうべきものが絡んでいますが、こちらのほうが破綻は少なく、ミステリとしてはほぼ完結したかと思います。とはいえ、すべてにおいてたがが外れ、斜めにかしいだようなパーソナリティの人物が多すぎ、読後感は心地よいものではありませんでした。
 異常なはずの美夜が一番まっとうに見え、男装しての捜査シーンなど、見せ場はありましたが、安手のきらびやかさが破片のようで痛々しい感じも。

 しかし読んで1日ほどたつと、なぜか執拗に浮かんでくるのが、共感覚の描写のあれこれです。オーケストラが夢のような映像世界に見えたり、痛みが美しい綾取り模様に見えたりする、その描写が心に焼きついていました。この点は、作者のオリジナリティとして捨てがたいです。
 この設定で、もう少し深みと救いのあるミステリが書かれることを願っています。

 

闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)Amazon書評・レビュー:闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)より
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No.3:
(3pt)

警察の権力闘争

 地方都市で連続して起きる動物切りつけ事件。かつての大物警察官僚、最上倉太郎が関わっていると告げる現役警察官僚にして音宮美夜の飼い主でもある矢萩の指示に従って、事件現場へと入る美夜。電車内での痴漢犯を通じて出会い、妙に彼女に懐いてくる高校生の城之内愛澄を助手として、捜査を開始する。
 しかし相手は元大物。有形無形のコネと現在も衰えることのない風格を武器に、美夜の捜査を妨害してくる。遅々として進まない捜査の中、ついに事件はエスカレートして殺人事件へと発展してしまう。彼女の共感覚は犯人を見つけ出すことが出来るのか?
 何というか男性の扱いがすごく酷い。登場する男性は、変質狂、狂信者、女性を騙すやつ、陰謀家といった感じ。まあ、女性も含めて、総じて普通の人は登場しないので、仕方が無いといえば仕方が無い。周囲がこんな人間ばかりだったら、相手をするだけで疲れそう。そして、読んでいても釈然としなくて疲れる。
 今回は共感覚という能力があまり前面に出てこないんだなあと思っていたら、一応最後の解決の切り札として使われていました。
 作中で共感覚は特別なものではないと盛んに美夜は主張するけれど、やはりどうしても彼女はそこに囚われた人間にしか見えない。そしてその"傷"を自分に納得させるために駆使している感じがする。その結果として、もっと傷つくことを見続けているように思えるな。
闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)Amazon書評・レビュー:闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)より
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No.2:
(5pt)

さらにパワーアップ!

“音を見る”共感覚(キョウカンカク)美少女探偵・音宮美夜の第2弾。共感覚とは、文字に色が見えたり、音に匂いを感じたりするという特殊な知覚現象。音宮美夜の場合は、音に対して聴覚と一緒に視覚が反応するという共感覚の持ち主だ。音を聞くと、形や色が見える。
 デビュー作である「キョウカンカク」では、この音宮美夜の特殊能力が全面的に押し出されて、事件の真相が明らかにされるが、今回はこの共感覚が、超能力的な力ではなく、特殊体質的な扱いにトーンダウンされている。探偵役があまりに超常的な力を有すると、安易に犯人にたどり着いてしまう……、この弱点を二作目では見事に克服、本格推理小説としての謎解きの難易度(面白さ)がパワーアップしている。
 特殊能力を有するということは、普通ではないということ。異端の刻印は、子供の無垢な心には残酷過ぎる。その苦しみ、悲しみを織り込むことによって、物語がより重層的に、深みのある色合いに染まっている。容疑者や敵役もパワーアップ、元エリート警察官僚の老人と敵対した音宮美夜は、警察組織に裏切られることになるが……、探偵としての推察力、洞察力を存分に発揮して窮地を脱出、そして、伝家の宝刀であるキョウカンカクの切れ味は冷徹で鮮やかだ。
 それにしても、最後のどんでん返しには驚かされた。ここまで書き切ると、美しいまでに哀しい結末である。
闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)Amazon書評・レビュー:闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)より
4061827294
No.1:
(4pt)

本格推理シリーズ2作目

 本格ミステリーシリーズ第2弾が登場。
ライトノベルのような表紙で敬遠するのは
勿体ない丁寧な本格推理。
 探偵が共感覚を有する異能者であるにも関わらず
フーダニット(犯人当て)要素もあります。
 美夜は本作でも迷いや葛藤を見せたり
食えない刑事矢荻との水面下での駆け引きもあり
前作と違い今作の登場人物達は中々に個性派揃いです。
 メフィスト賞特有のノワール小説作家らしさは
まったく無く綾辻氏から始まる新本格推理に近い作風。
懐かしくも新しい作品だと思います。
闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)Amazon書評・レビュー:闇ツキチルドレン (講談社ノベルス アAI- 2)より
4061827294



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