欲
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主役は介護士の女性だが、タイトルが示す通り登場人物全員が「欲」に駆られて動いている。 その心理描写にワクワクし頁を捲った。文体には落ち着きと重厚感があった。 だが、読後思うことがたくさんあった。ふたつの殺人のトリックは、30年前の小説ならともかく現在は、五秒でバレる。 会社の乗っ取りも、この方法での登記変更は緩すぎる。またラストの箱根における三人の会話と行動描写は読者を焦らすつもりのだろうが、リアリティがなさすぎる。すぐに修羅場になったほうが現実的である。オチを読者の想像に委ねる手法も、30年前の松本清張でもあるまいし、ストレスの方が強かった。 中盤まで本格派の匂いを感じたが、読了してみれば、安っぽい2時間ドラマを見た感がぬぐえない。 | ||||
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この著者の作品ははじめて読みましたが、よかったです。 十分楽しめました。 リアリティーが感じられて素晴らしいです。 ただ、売買による移転登記での不動産の扱いですが、このままだと、資金の出所が不明で、 生前贈与で、贈与税かかります。その点の問題について、どうするつもりだったのか、 資産家老人の胸の内についても、描写してほしかったです。 | ||||
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作者の手馴れた文章が、主人公にまつわる二つの死の物語を紡いで行く。主人公の心は、その都度大きく変化した。介護すべき老人に殺意を抱いたとき。そして、自身がひとりのヘルパーから介護事業会社の社長になることを決意したとき。作者は、その瞬間の主人公の心の動きを敢えて描写しない。それをも読者の推理に委ねて、もうひとつの「ミステリー」として提供している。 エンディングは思いを遂げた主人公が「こぼれるような笑みを浮かべ」るが、物語はこれで終わるはずがない。やがて捜査の手が主人公にもおよび、ひとりほくそ笑む男の姿が眼に浮かぶ・・・ 全体に、読み手の自由度の大きさに配慮した作品となっている。作者の的確な描写力と合わせて読者に楽しみの多い作品と言える。 | ||||
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死が迫っている老人「雄吉」と、それを介護する「彩」。この二人が主要人物となっているのだが、全く違う境遇を持つ二人が出会い、生活を共にしていく中で、その立場やそれぞれの思惑が変化していく様が読んでいて実に興味深く、読み進めて行く程、より物語の中に引き込まれた。 特に私が興味を持ったのが、老人の余命が物語の時間軸となって話が進んで行くその展開である。明日生きていられるかどうか分からないという、老人の焦り、恐怖、不安が、物語に絶妙なスピード感を与えており、明日どうなってしまうのかと私自らが気になって読み進めてしまった。 タイトルの「欲」を見た時に、思わず目を引かれて手に取った本であるが、確かに読み終えた感想としては、このタイトル以外には考えられない。それほど見事に人間の内面に潜む「欲」を書き表しているのではないだろうか。 余計な小細工を弄するわけではなく、主要人物たちの心の変化だけでこれほど物語に広がりを作れるこの作家は、今ではあまり見ることがない本格派の一人だと思う。 文章もゆるみなくこなれていて文学的であり、映像性を感じる。願わくば本作品を映画化して欲しく、雄吉役を演じきれる俳優は山崎努しかいないと思う。彩役は清純派悪女として稲森いずみで観てみたい。 | ||||
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