村椿五郎太、25歳。先祖の不始末といまいち野心に欠ける遺伝子が災いして、うだつのあがらぬ小普請の身。

十手と鑑札を返上し、岡っ引きから足を洗って十年。「泣きの銀次」も来年には不惑を迎えようとしていた。

憂鬱な不採用通知、幼い娘を抱える母子家庭、契約社員の葛藤…。

超人気シリーズが、書き下ろし長編小説に! 髪結いの伊三次と芸者のお文。

松前藩主の嫡子・良昌からの再三の申し出に、側室になることを決意した不破茜だが、良昌の体調が刻一刻と悪化していく。

伊三次とお文に支えられ、絵師修業を続ける息子の伊与太。

一人息子の伊与太が、修業していた絵師の家から逃げ帰ってきた。しかし顔には大きな青痣がある。

江戸の大火で住み慣れた家を失ってから十年。伊三次とお文は新たに女の子を授かっていた。

「この先、何が起ころうと、それはわっちが決めたこと、後悔はしませんのさ」―誤解とすれ違いを乗り越えて、伊三次と縒りを戻した深川芸者のお文。

材木商伊勢屋忠兵衛からの度重なる申し出に心揺れる、深川芸者のお文。

本業の髪結いの傍ら、町方同心のお手先をつとめる伊三次。芸者のお文に心を残しながら、今日も江戸の町を東奔西走…。

江戸に生きる人々が織りなす鮮やかな人生。

文明開花に沸く明治5年(1872)。突然の再会が若い男女の運命を揺るがした―英語通詞を目標に函館の商社で働く雨竜千吉。

岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な家を出ることに。

同心だった夫・高岡靫負はなぜ斬られたのか?蟠る疑問を胸に妻の琴は、侍を捨てて浮世絵師となった息子・賀太郎と日本橋通油町で同居を始める。

日本橋の玄冶店と呼ばれる路地で小間物屋を営むお玉は、元花魁。

日本橋「いせ辰」の手代・英助には誰にも言えない秘密があった。

茶碗、根付け、刀、簪(かんざし)、招き猫、徳利(とっくり)…… 古道具屋・鳳来堂に集まるものたちが浮かび上がらせる江戸人情譚、傑作連作集！ 本所五間堀にある鳳来堂は、親から継いだこの店を一度は潰しそうになった音松と、将来を誓ったはずの手代に捨てられたお鈴

将来を誓い合った男女に降りかかった突然の災難。

吉蔵は町火消し「は組」の頭。火の手が上がれば、組を率いて駆け付け、命懸けで火事を鎮める。

仙石藩士・刑部小十郎は、藩の御長屋を出て、江戸市中の借家に居を移した。

夜が更けるとともに、ある商家の通用口に、男がひっそりと座る。「お話、聞きます」。

神田須田町の大店を焼け出され、浅草御厩河岸に越してきた十七のおちえ。

江戸の小梅村で庄屋を務める家に生まれたおえいは気の強い母親と一家を切り盛りしていた。

父親の跡を継ぎ、日本橋小網町の料理茶屋で料理人を勤めるおせん。

八丁堀の町医者の娘お紺は、娘盛りの十七歳。

日本橋の廻船問屋の番頭・栄助の前に現れたのは、以前同じ店で働いていた愚図でのろまの権助だった。

四人の子持ちで飲んだくれの畳職人、小普請組の武家に嫁いだ大工の娘、幼い頃から見世を支えた口入れ屋の若お内儀…倖せの感じ方は十人十色。

亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。

北町奉行所同心の夫・霜降三太夫を卒中で亡くしたうめは、それまでの堅苦しい武家の生活から抜け出して独り暮らしを始める。

鎖国体制が揺らぎ始めた江戸末期。浪人となった相田総八郎とその妻なみは江戸・神田三河町に移り住む。

今年進学した高校の入学式が三回あったことを、選ばれなかった一日があることをわたしだけが憶えている。

「誰の心にも淀みはある。

平穏な日々の内に次第に瀰漫する倦怠と無力感。

『感染』で第1回小学館文庫小説賞を受賞。医療ミステリーの第一人者仙川環が贈る新境地。

暗殺者『屍』ミッション達成後、四人の少女が失踪した。選抜組のティア・モニカ・エルナ・アネット。

陽炎パレス・共同生活のルール。一つ、七人で協力して生活すること。

聖夜を間近に控えた12月初旬。

「シエスタさえいてくれれば、俺はよかった」これは探偵の遺志を超える物語 かつて名探偵の助手だった俺・君塚君彦は、ある日、夏凪、斎川、シャルと共に誘拐された。

17歳の春休み。 東京での暮らしに嫌気が差した船見カナエは、かつて住んでいた離島・袖島に家出する。

店主の急死により、閉店フェアをすることになった幸本書店。

本は読み手を、深く愛している。本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。

誠実だけが取り柄の地味な子爵令嬢コニーは、とある夜会で婚約者を奪われ、窃盗の罪まで着せられる絶対絶命の窮地に陥っていた。

希代の悪女スカーレットの亡霊にとり憑かれたコニーは、その復讐に付き合う羽目になった。

“本の町”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。

彼らに残っていたのは、もはや後悔だけだった。 19年前に世間を騒がせた、 ある天才ギタリストの「伝説の死」。

世界は難しくて、ときどき不思議で愛おしい。 ありえないほど賑やかな日常で、人型ロボット・瑛子が踏み出す大きな一歩。

日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」――厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か? 非論理的“愚行"に驀進した“人間"の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか? 本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」

『完璧な母親』著者が放つ慟哭のミステリー 北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。

フィデルマは、単身巡礼の船旅に出ていた。修道女としての人生に疑問を抱いていたのだ。

明治12年晩夏。鉄道局技手見習の小野寺乙松は、局長・井上勝の命を受け、元八丁堀同心の草壁賢吾を訪れる。

舞台は戦後ロンドン。戦時中にスパイ活動のスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く優れた目を持つ上流階級出身のグウェン。

学校に来なくなった「名探偵」の葛城に会うため、僕はY村の青海館を訪れた。 政治家の父と学者の母、弁護士にモデル。

下町・浅草を舞台に繰り広げられる、笑いあり涙ありのおいしい人情物語! 白い沫雪がちらつき、町を彩る赤に薄化粧を施す元旦の浅草。

かつて愛した妻、入院中のお母さん、セフレみたいなあいつ、生まれくる我が子。 どの命にもいつか終わりが来るから。

ベルエイドの少年兵エルシアは、自らをとらえた敵国ハラの兵士に語りかける。

隠居した深川の茂平は大工の元棟梁。いつの頃からか「ほら吹き茂平」と呼ばれるようになった。

黙っているとコック(レッサーパンダ)が無限においしい料理を出してくれる 高校三年生の一ノ関は部活の後輩の二宮に呼び出され待ち合わせ場所に向かった。

嘘も真実も善きも悪しきも、すべてが詰まった江戸怪談の新骨頂! 江戸は神田の三島屋で行われている変わり百物語。

裕福で優しいリチャードとの結婚を目前に、ネリーには悩みがあった。

東京の女たちが、私に憑依する―― 青山霊園で白い彼岸花を見た奇譚蒐集家の私は、その暗示的な花言葉を引きずるようにして谷中に向かう。

厚生労働省キャリア技官の松瀬尊、30歳。

大手銀行に勤める４１歳の安達は、無差別大量殺傷事件のニュースに衝撃を受ける。

マドリードの公園で、結婚を控えた若い女性の遺体が見つかった。

海辺のリゾートホテルで出会った二組の夫婦。

「二十歳までは生きられない」――という呪いをかけられてしまった長野の女子高生・澪(みお)。

神よ、なぜ応えてくれないのですか?私はその答えを『沈黙』の中で雄弁に語り尽した。明かされる『沈黙』秘話。

シリーズ開始から22年――岬美由紀が帰ってくる! 航空自衛隊基地から最新鋭戦闘機が奪い去られた。

伝説の傑作が完全リライトで角川文庫に登場! 絶対的面白さ、保証します! その日、足達正路は世界で一番不幸だった。

国定自然公園の湖岸で、釣りをしていた男性が襲われ大怪我を負った。

消えた復興予算、2兆円。 震災を食い物にする奴らがいる――。

秀吉の臣下、武人加藤清正と商人小西行長の宿命の対決。彼らの胸に去来するものは―。

生きたままの人間を解剖する――戦争末期、九州大学附属病院で実際に起こった米軍捕虜に対する残虐行為に参加したのは、医学部助手の小心な青年だった。

12歳の少女ルーは、父とともに亡き母の故郷に移り住んだ。

心優しき青年医師の痛快捕物帳! 登の柔術仲間、新谷弥助が姿を消した。

死体が一体多い――ストックホルムの遺体安置所で発見された「あるはずのない」男の死体。

黒人少年射殺事件を発端に、人種間の緊張が高まるLA近郊。韓国系アメリカ人のグレイスは両親が営む薬局で働いている。

1972年、アメリカ。ベトナム戦争中に海兵隊を不名誉除隊させられ刑務所にいた兄と、数年ぶりに再会した弟。

ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。

「自分が死んだら、すぐに遺体を解剖して欲しい――」そんな遺言を託して亡くなった父。その胃壁からは、謎の暗号が見つかった。

こよみと念願のクリスマスデートで、シリーズ史上最大の危機が森司を襲う! クリスマスイヴ。

実力派お笑い芸人・板倉俊之(インパルス)が紡ぐ新たな御伽噺――。 人間の業、鬼の宿命――。

東京五輪目前、お台場のレストランと東京湾上の豪華客船内で新種のウイルス感染症が同時発生。

天才でありながら、際限なく猫を引き受けてくるという癖（？）により、いまいちエリート街道を歩めない百瀬と、とある事情で彼との結婚までたどり着けない婚約者の亜子。

念願かない警察広報職員から刑事になった森口泉。記憶力や語学力を買われ、希望していた機動分析係へ配属された。

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。

八代将軍となった徳川吉宗は幕政改革に乗り出した。手はじめは贅沢三昧をしてきた大奥の粛清。

将軍・吉宗による登用で御広敷用人となった水城聡四郎。しかし、具体的な担当はなく無任所のままだった。

吉宗の寵愛を受ける竹姫は、武運長久を祈願するため深川八幡宮に詣でることとなった。

御広敷用人として将軍吉宗の寵姫・竹姫を担当する水城聡四郎は、竹姫を襲い怪我を負い養生していた女忍の袖に突然、襲われる。

八代将軍・吉宗の寵姫である竹姫が大奥女中の雑用を引き受ける男衆の五菜に襲われた。竹姫の操を奪おうとした行為に吉宗は激怒。

将軍吉宗の寵姫、竹姫を謀略から守りきった御広敷用人・水城聡四郎は、竹姫を御台所にと望む吉宗の命で京へ向かう。

八代将軍・吉宗の命を受け、竹姫を継室とする根回しのため京へ上った御広敷用人の水城聡四郎。

八代将軍吉宗の世子・長福丸が病に倒れたという知らせが入る。

嫡男の長福丸が毒を飼われたことに激怒した八代将軍吉宗は、背後で糸を引いた天英院に対し苛烈な処断に臨む。

8年前に遭難した息子が帰ってきた? 猫が東京から松本まで一人旅? ――だったら、その謎を解いてみよう 長野のいいとこてんこ盛り! 「ナガノベル」で旅気分。

惨殺事件の日、彼は旅行に出ていたはずだった。無実の男を陥れた〈アウトサイダー〉。

将軍徳川吉宗に直々に命じられて道中奉行副役となった水城聡四郎。

将軍徳川吉宗が何者かに襲われた!襲撃した者たちを追及した結果、衝撃の真相が明らかになる。