顔貌売人 ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬
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顔貌売人 ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬の総合評価:
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タイトルからは難しそうな印象を抱いていました。 ところが読んでみると前作からさらに深みを増した内容で、非常に満足感が高かったです。 貧困などの社会問題やネット上の人権問題を取り入れたことで、単なるミステリー小説ではなく、いろいろと考えさせられるものになっていました。 いわゆる「犯人」の人物描写などが立体的で、「実際にこういう人がいるかもしれない」「こういうことが起こり得るかもしれない」と思わされました。最後はやるせなくなりましたが、救いのある終わり方でよかったです。 プログラマー作家だからこそ書けるサイバー犯罪の具体的な手口やプログラマーの思考は、勉強になります。ネット上の犯罪の標的にならないように気をつける必要性を痛感しました。 おすすめです ! | ||||
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貧乏なエンジニアが世を恨んで……というテーマは第一作と同じだが、ストーリーは日本の小さなシステム会社が開発した顔認識の技術と監視カメラ網がハックされて某国に利用され、日本政府の官僚たちが浮気や不倫の証拠をつかまれて言いなりにされていく……という、シャレにならないリアリティを持った内容で、既に実際に起こっていても不思議はない。ただその某国は途中で姿を消してしまい、最後のほうは前作と似たヤクザがらみの展開になってゆく。ここは最後まで個人の頭脳で国際謀略と戦い、打ち破る正義のハッカー、という路線で行ってほしかったところ。 | ||||
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難しくて100%の理解は到底できないことがわかっていても。 面白く読める機会があれば読んでみたいと思うのが“サイバー系”小説。 でも ①専門的な内容でウンチクが売り ②見た目と性格がいかにもなイメージどおりすぎるハッカー(不可能ナシ) ③登場人物の言動がわざとらしい・薄っぺら・で興醒め ④ミステリなら犯人の動機がまずオチありきで後付け感 アリアリ。 →そんな本からは全力で逃げ切りたい。 というわけで、なかなか良いのが見つからないのも“サイバー系”なんですよ…。 『虹を待つ彼女』を読んでから後は次が見つからず、そんな鬱屈をようやく吹き飛ばしてくれたのが、この鹿敷堂 シリーズ。 2冊目は前作『裏切りのプログラム』より面白く、さらにハッカー探偵っぽくなってます♪ 熱血女子・安藤さんは、あいかわらず独自の正義感でもって奔走し、鹿敷堂を振り回してるし。 彼女からの依頼で発生する災難レベルの迷惑を、ため息を吐きながら受け入れ、協力する鹿敷堂。 安藤さんが火の玉で、鹿敷堂は永久凍土。ずっとそんな感じだったのに、安藤さんとの付き合いで、鹿敷堂の氷がちょっと溶けてきました(笑)。 ネット犯罪の犯人をウェブ系技術で突き止め、その心情にせまっていく現代ミステリ。 被害者も犯人も不運で不幸。なんだけど、最後まで読めば後味は良いです。だから堂々、おススメできる本! | ||||
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最近、ネット上で容易に売買が可能になったせいか、AV出演を強要される事件が増えて、問題になっていますが、それを題材にした作品となっています。丁度、Facebookの個人情報漏洩も問題になっていおり、実際、自分がプライベートで撮影した写真は自動的に顔認識処理され分類されていることは、ご存知の通りです。しかし私は、この作品では注目されていない点が気になりました。それは、AV出演強要された幸子さんは、強姦されたのと同様なのではないかと。若気の到りやお金欲しさによる売春とは違い、強姦された犯罪被害者ではないでしょうか。その点、触れられていなかったように感じます。音大の苦学生さんが、学費や生活費を稼ぐために水商売をするとか、オリンピック選手がデリバリーヘルスをしていたなどと聞きますので、苦学生さんの事情は察しますが、しかし、身を売ってまで学ぶ価値が大学にあるとは、到底言えず、居眠りしながらでも頑張るしかないでしょう。情報系の学部を出ても、企業では即戦力にはなりません。むしろ、陽君の場合は、フリーランスでやって行くだけの実力があったのでしょう。フリーランスであれば田舎のご実家に戻っても続けられたかもしれず、情報技術で町おこしに貢献できたかも知れません。幸子さんも陽君も最初、飲食系でバイトをしたのが敗因かも知れません。成りたい自分に成ると共に、道はひとつだけではないと言うことも忘れたくはありません。私も熟練技術者の一人なので、作品に登場する技術的内容は、よく理解出来るのですが、もっと技術偏重な内容でも面白いのではないかと思いました。また、作者の技術的解説から、Web系技術には明るいが、クライアント/サーバ は、あまり経験がないのかな?などと読みながら感じました。私は「カッコウはコンピューターに卵を産む」を読んで育ちました。何れにしても、次回作が楽しみです。 | ||||
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ハッカー探偵、である。いやな予感しかしない。 だいたいにおいて、フィクションにおけるハッカーは、万能魔術師的な役割を振られることが多い。 キーボードをカチャカチャ叩けば、あらゆるセキリティロックははずされ、中央銀行だろうが政府だろうが軍だろうが侵入しほうだい、操りほうだい。あれがでてくると、私は萎えるのである。あー、ご都合がよろしいざんすね、と。 ところがハッカー探偵鹿敷堂桂馬には驚いた。一作目、裏切りのプログラムの、犯人との対決シーン。コードの一行もかかずに、私にもできる極めて幼稚な方法で、犯人と対峙するのである。 どこがハッカーじゃ!とおもって数ページ読み進み、深くうなだれた。 すみませんでした。たしかに、まちがいなく、ハッカー探偵です。コードを一行もかかずとも、一流の敏腕ハッカーです。 ネタバレになるので、これ以上は実際に読んで確認していただきたい。 「裏切りのプログラム」が面白くて、予約をして手に入れたこの第二作目。はたして、期待は裏切られることはなかった。 一作目よりはかなりハッカーっぽい活躍を見せる鹿敷堂桂馬だが、万能魔術師的な何かではなく、私のような素人にも納得できる範囲での、現実的なハッキングだ。従って、難しくて理解が及ばないとか、ご都合主義に呆れる、ということはない。 物語の構造は、一作目と似ている。私はミステリーに詳しくないが、刑事コロンボに似ているかな、と思った。 刑事コロンボには、2種類の犯人がいる。視聴者から見て憎い犯人と、視聴者が同情する、やむをえず殺人を犯してしまった犯人だ。鹿敷堂桂馬が対峙するのは、後者のタイプだ。 後者の良心的?殺人者の場合、ときにはコロンボが憎たらしく見えることもある。どうか、真犯人を暴かないでくれ、と視聴者は思う。だがもちろん、最後に犯人は逮捕されてしまう。ほろ苦いエンディングだ。 本作の場合、エンディングまでの構造は、良心的?殺人者がでてくるコロンボに似ている。 だが、読後感にほろ苦さはない。むしろ、爽快感すら感じる。 何が、どうして、を説明するとネタバレになるので、興味をもったかたは是非、この作品を手にとってほしい。 | ||||
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