砂漠の影絵
- 人質 (101)
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自己責任論、バッシングからの関連で読んだ。どのくらいがフィクションかわからないが、なるほどこういうことも多々ありうるなと強い印象を受けた。イラク側からの視点言い分をはじめ、拘束された人たちの恐怖心理、救出へのルートの実際、旅団内の意見の対立から分裂、旅団が地元民たちから支持されなくなったこと、宗教指導者の現実、などなど印象的だった。 また現在ロシアのウクライナ侵攻が問題になっているが、アメリカによるイラク戦争も、市民の悲惨な被害も含めて、類似点は多いと改めて思った。 | ||||
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ノンフィクションライターである石井光太が書く、限りなくノンフィクションに近い小説。 商用でイラク入りした商社マンが、イラク国内を移動中に故障した車に乗っていた日本人フリージャーナリストを拾い、自警団的な組織に拿捕される。移動の為に乗せられたトラックには、別の日本人三人がやはり拿捕されていた。 そこから日本人五人は、イラクのテロ組織「イラク聖戦旅団」に引き渡されてしまう。人質五人は、イラクに駐留する自衛隊の撤退を条件に解放するという声明をテロ組織は発表する。 一定以上の年齢の普通の日本人ならば、「あぁ、あの事件が題材か」とすぐにわかるだろう。そこに現地取材も豊富な石井光太が持っている情報や、当時の大手マスコミからは得られない、イスラーム側の視点による情報などが加わり、物語に厚みを持たせる。 本書が凄いなと感じたのは、人質となった日本人五人の描写が上手いこと。最後に救出された商社マンはやや綺麗に書き過ぎかな?とも感じたが、フリージャーナリスト、NPO法人の女性、婚約した米兵を追いかけて現地に来た女性、日本人大使館員などの心の動きや行動などは、そこらの小説家より勝っているかも知れない。 一方、テロ組織の面々や、その周辺の人物に関しては善役悪役の区別がきっちり出過ぎているかな?と感じた。 もっとも、日本人は聖職者という肩書、〇〇師と言う肩書だけで、清廉潔白な人物を想像してしまうので、石井氏は敢えてデフォルメして描いたのかもしれない。 本書のレビューはここまで。 本書には、当然日本政府の対応が、当時と同じ様に描かれている。当時の事をはっきりと覚えている訳では無いので勘違いかも知れないが、本書では政府発表の流れから「自己責任論」が溢れだした様子が描かれている。確かにそれも一つではあるが、自分の記憶では、人質となった人物の兄弟の言動が多くの日本国民の反発を買い、そこから一挙に「自己責任論」に傾いていったと感じている。日本人は情に弱い。兄弟の言動が情に訴えていたら「政府責任論」にもっと傾いたかもしれない。 更に本書と関係なくなるが、「自己責任論」と言うのは当たり前な事だと思う。現実の事件として、政府が渡航禁止にしているエリアに入域しているのだから、そこから先は「自己責任」となるのは当たり前。政府の禁止している行為をしているのに何かあったら政府に頼ると言うのは本末転倒。 | ||||
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石井氏の二冊目の長編小説。 なかなかこれだけ引き込まれる物語もないと思います。 非常にリアリティーのある世界観を軸に、それぞれの登場人物の立ち位置もしっかり描かれており、リズム良く話は進んでいきます。 個人的には、誇り高きイスラームの聖戦士達に特別な感情を持ちました。 次回作も楽しみにしてます。 | ||||
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イラクでの人質斬首事件を扱った小説。恐怖に陥れるテロリストも同じ人間として平和を望んでいるなんて想像もしたこと無かった。中東問題の歴史的背景にとどまらず、テロリスト側の生い立ちや心理が鮮明に描かれていて、その詳細さはノンフィクションじゃないかと思う程。どの人物にも深く感情移入してしまい、苦しい場面では身体がこわばった。国としての立場や個人としての向き合い方がこれでいいのかを問われる場面が多く、多くの人に読んで欲しいと思った。 | ||||
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日本人5人がイスラームの武装組織に拉致され、日本政府に自衛隊撤退を要求するという国際問題をテーマにした、非常にノンフィクションに近い小説です。主に拉致被害者、その家族や友人のジャーナリスト、そして武装組織の兵士の立場から物語は語られ、特に拉致被害者の監禁時の状況などの場面や武装集団の内情や取り巻く複雑な社会環境には、綿密な取材や資料の読み込み等が伺えます。 決して共感は出来ず許し難い行為をする武装集団ですが、単純に武装組織=悪という構図ではなく、その中には実は志は同じ人間もいることが分かり、戦争がもたらす悲劇を感じます。死を目前にした被害者の遺言や、人質解放交渉をめぐる非情な結末、日本政府の対応や世論など、日本人拉致事件に真っ向から挑んだ作品だと思います。 | ||||
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