名門東都ホテルへ入社した高村博は、社長の要請でライバルの大東京ホテルへ再入社したが、その目的は大東京ホテルを内部から撹乱し、評判を落とすことだった。

戦国の梟雄松永弾正は主筋の三好義興の美しい右京太夫に邪恋を拘き、自分の想いを遂げるため、幻術師・果心居士配下の根来僧7人に催淫剤を作らせた。

赤地に白い水玉模様の衣装に身を包み、三日月型に裂けた大きな唇に無気味な笑いを浮かべる「地獄の道化師」。

平和そのものに見えた団地内に突如、怪文書が横行し始めた。

会社更生法という大企業優先の悪法を逆手にとり、擬装倒産で私腹を肥やす弱電器機の大手メーカー、イコマ電気社長。

湯を真赤に染めて死んでいる全裸の女。ブームに乗って大いに繁盛する、いかがわしいヌードクラブの三人の女が次々に惨殺された。

新進の考古学者・江村宗三は、元兄嫁の西田美奈子と十四年ぶりに再会し、情事を重ねていた。

将来を嘱望される若き原子力科学者・雨村は北アルプスを縦走中、親友の土器屋の悪戯により遭難した冬子を助けた。

胸をはだけ乳房をむき出しに折り重なって発見された男女。既に女は息たえ白い肌には無気味な死斑が…。

三十八口径のコルトが轟然と火を吹いた。たちこめる硝煙の中で、仮面をかぶった野獣は冷たい残忍な笑いを浮かべていた…。

前衛水墨画の旗手として一躍マスコミにクローズアップされた久井ふみ子は、ライバル滝村可寿子をけ落すため、美貌と肉体を駆使して画壇の権力者を篭絡する。

「よいか、そなたら5人、ことごとく秀頼さまのお子を生んで、かならず徳川家にたたれよ」真田幸村の眼にぶきみな笑いが漂った。

絶世の美女、源頼朝の後裔と称する大道寺智子が伊豆沖の小島・月琴島から、東京の父のもとにひきとられた十八歳の誕生日以来、男達が次々と殺される！　開かずの間の秘密とは…？（大坪直行）

子供の誘拐・殺人は、あらゆる犯罪の中でも最も残忍で冷酷非情なものである…。

人気随一の若手歌舞伎俳優失踪以来、十七年の月日が流れた。十七回忌追善興業が行われている最中、またしても起こる惨劇。

男は心臓を鋭利な刃物で刺され、右胸の皮膚を円く抉られていた。新緑の四月初め、東京西方の田園を流れる川のほとり。

原さくら歌劇団の主宰者である原さくらが「蝶々夫人」の大阪公演を前に突然、姿を消した……。

わしは恐ろしい肉食獣になりはてていた。

ゾッとするほど無表情な金属製の顔、シューシューという妙な笑い声、めくれ上がった三日月型の唇からしたたり落ちる血。

無一文からたたき上げて資産を築いた富豪の家に、一家皆殺しの恐怖の予告。

一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。

古神家の令嬢八千代に舞い込んだ【我、近く汝のもとに赴きて結婚せん】という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった。

毒殺事件の容疑者椿元子爵が失踪して以来、椿家に次々と惨劇が起こる。自殺他殺を交え七人の命が奪われた。

火事だ！　突然ラーソン警部の目前で、監視中のアパートが爆発炎上した。焼死者の中には重要事件の容疑者も…。

事故により、脳を残して、全て人工の身体となり、ひっそりと一人で暮らしていたムント氏。

華やかな還暦祝いの席が三重殺人現場に変わった！　宮本音禰に課せられた謎の男との結婚を条件とした遺産相続が巻き起こす事件の裏には…。

ベトナム反戦デモが荒れた夜、放置された一台のバスに現職刑事八人を含む死体が！　史上初の大量殺人事件に警視庁の殺人課は色めき立つ。

信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。

狂気じみたにぎやかな未来への警告を軽妙なタッチで笑いの中に描く短篇傑作集。

淡い陰鬱な曙が立ち並ぶアパートの上をはいずり始める頃、バルコニーからストックホルムの街路を見下ろしている男がいた…。

岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。この地に昔から伝わる手毬唄が、次々と奇怪な事件を引き起こす。

戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。

瀬戸内海に浮ぶ獄門島-南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。

筒井康隆のハタリ!ハタリ!「アフリカの爆弾」ほか

ある冬の夜。Ｋという男が、どこともはっきりしないある村にたどり着く。

救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名"のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。

一個の知性が崩壊してゆく過程は、教育者において特に醜い。

犯行の奥にある非人間的な意志、犯人を仕立てあげようとする検察当局の権力意志。