大都会
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1967年8月に出版された本書は、森村誠一氏の処女長編小説です。当然、森村氏がまだ世に出ていない雌伏の時代の作品です。森村氏が青樹社の那須英三氏へ原稿を持ち込んだものの那須氏のデスクの上に置かれたまま埃を被ったままだったのです。森村氏は、いつ読んでもらえるのだろうか?と気を揉みながら、原稿が黄ばんでしまうのではないかと思われるくらいに危惧したそうです。 やっと、読んでもらえると那須氏から「直ちに出版する、すぐ次作にかかれ!」と、夢の様な言葉をかけられました。その時の嬉しさは計り知れなかったと思います。しかしながら売れ行きはサッパリで、5000部発行して、わずか200冊しか売れませんでした。それも、森村氏が100冊買っていたのでした。 それでも那須編集長は青樹社社長を「きっと森村氏は当社の大黒柱になるはずだから」と説得し「幻の墓」「銀の虚城」「分水嶺」と発行します。それでも、なかなか売れません。そして那須氏に「推理小説風だから、推理小説を書いたらどうか」と勧められ「高層の死角」を発表、江戸川乱歩賞を受賞し、一躍大舞台に立つことになるのです。その後の活躍は言うまでもありません。 森村氏のその後の他作の中には、那須警部が度々登場しますが、それは那須英三氏の事です。森村氏の感謝の気持ちが伺えます。そんな遊び心には、読んでいて嬉しくなってしまいます。しかし、まさか那須氏は50年も経った今日でも巨匠として誰もが認める作家で300編を超えるベストセラー作家になっている事を予想出来たでしょうか。 本編は帝都大学山岳部、岩村元信、渋谷夏雄、花岡進ら、山に情熱を燃やし強い絆で結ばれた三人の友情溢れる話です。大学卒業記念登山で北アルプスの白馬不帰の嶮に登頂、成功し、喜び合う場面から始まります。しかし、山を下りれば三人は東京、大阪、名古屋と別々の会社、社会へと別れ離れになってゆくのです。ですが三人は三つの大都会の群衆の一人となった時、激烈な企業競争の中で彼らは権力の栄光のために平然と友を裏切るようになってしまうのです。とても残酷な話です。 山に関わる美しい友情が俗っぽい世間の荒波によって厳しい試練を受ける話は「分水嶺」「密閉山脈」「日本アルプス殺人事件」「腐食の構造」と続いてあります。乱歩賞の受賞をきっかけに大作家となった森村氏の起源が、初出版時わずか200部しか売れなかった本書に有ったと誰が思ったでしょうか。初出版時に読んだおよそ100人程の人に聞いてみたいです。 推理小説では無いけれど、後に森村氏が本格的な社会派推理小説を書くようになった源流が読み取れました。本書初版は古書で、とてつもない金額で売買されています。300冊にも及ぶ著書があるなかで、その起点となった源流を今日でも読める事が嬉しく思います。また、文学的な価値のある貴重な一冊だと思います。 | ||||
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1967年8月に出版された本書は、森村誠一氏の処女長編小説です。当然、森村氏がまだ世に出ていない雌伏の時代の作品です。森村氏が青樹社の那須英三氏へ原稿を持ち込んだものの那須氏のデスクの上に置かれたまま埃を被ったままだったのです。森村氏は、いつ読んでもらえるのだろうか?と気を揉みながら、原稿が黄ばんでしまうのではないかと思われるくらいに危惧したそうです。 やっと、読んでもらえると那須氏から「直ちに出版する、すぐ次作にかかれ!」と、夢の様な言葉をかけられました。その時の嬉しさは計り知れなかったと思います。しかしながら売れ行きはサッパリで、5000部発行して、わずか200冊しか売れませんでした。それも、森村氏が100冊買っていたのでした。 それでも那須編集長は青樹社社長を「きっと森村氏は当社の大黒柱になるはずだから」と説得し「幻の墓」「銀の虚城」「分水嶺」と発行します。それでも、なかなか売れません。そして那須氏に「推理小説風だから、推理小説を書いたらどうか」と勧められ「高層の死角」を発表、江戸川乱歩賞を受賞し、一躍大舞台に立つことになるのです。その後の活躍は言うまでもありません。 森村氏のその後の他作の中には、那須警部が度々登場しますが、それは那須英三氏の事です。森村氏の感謝の気持ちが伺えます。そんな遊び心には、読んでいて嬉しくなってしまいます。しかし、まさか那須氏は50年も経った今日でも巨匠として誰もが認める作家で300編を超えるベストセラー作家になっている事を予想出来たでしょうか。 本編は帝都大学山岳部、岩村元信、渋谷夏雄、花岡進ら、山に情熱を燃やし強い絆で結ばれた三人の友情溢れる話です。大学卒業記念登山で北アルプスの白馬不帰の嶮に登頂、成功し、喜び合う場面から始まります。しかし、山を下りれば三人は東京、大阪、名古屋と別々の会社、社会へと別れ離れになってゆくのです。ですが三人は三つの大都会の群衆の一人となった時、激烈な企業競争の中で彼らは権力の栄光のために平然と友を裏切るようになってしまうのです。とても残酷な話です。 山に関わる美しい友情が俗っぽい世間の荒波によって厳しい試練を受ける話は「分水嶺」「密閉山脈」「日本アルプス殺人事件」「腐食の構造」と続いてあります。乱歩賞の受賞をきっかけに大作家となった森村氏の起源が、初出版時わずか200部しか売れなかった本書に有ったと誰が思ったでしょうか。初出版時に読んだおよそ100人程の人に聞いてみたいです。 推理小説では無いけれど、後に森村氏が本格的な社会派推理小説を書くようになった源流が読み取れました。本書青樹社の初版は古書で、とてつもない金額で売買されています。300冊にも及ぶ著書があるなかで、その起点となった源流を今日でも読める事が嬉しく思います。また、文学的な価値のある貴重な一冊だと思います。 | ||||
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1967年8月に出版された本書は、森村誠一氏の処女長編小説です。当然、森村氏がまだ世に出ていない雌伏の時代の作品です。森村氏が青樹社の那須英三氏へ原稿を持ち込んだものの那須氏のデスクの上に置かれたまま埃を被ったままだったのです。森村氏は、いつ読んでもらえるのだろうか?と気を揉みながら、原稿が黄ばんでしまうのではないかと思われるくらいに危惧したそうです。 やっと、読んでもらえると那須氏から「直ちに出版する、すぐ次作にかかれ!」と、夢の様な言葉をかけられました。その時の嬉しさは計り知れなかったと思います。しかしながら売れ行きはサッパリで、5000部発行して、わずか200冊しか売れませんでした。それも、森村氏が100冊買っていたのでした。 それでも那須編集長は青樹社社長を「きっと森村氏は当社の大黒柱になるはずだから」と説得し「幻の墓」「銀の虚城」「分水嶺」と発行します。それでも、なかなか売れません。そして那須氏に「推理小説風だから、推理小説を書いたらどうか」と勧められ「高層の死角」を発表、江戸川乱歩賞を受賞し、一躍大舞台に立つことになるのです。その後の活躍は言うまでもありません。 森村氏のその後の他作の中には、那須警部が度々登場しますが、それは那須英三氏の事です。森村氏の感謝の気持ちが伺えます。そんな遊び心には、読んでいて嬉しくなってしまいます。しかし、まさか那須氏は50年も経った今日でも巨匠として誰もが認める作家で300編を超えるベストセラー作家になっている事を予想出来たでしょうか。 本編は帝都大学山岳部、岩村元信、渋谷夏雄、花岡進ら、山に情熱を燃やし強い絆で結ばれた三人の友情溢れる話です。大学卒業記念登山で北アルプスの白馬不帰の嶮に登頂、成功し、喜び合う場面から始まります。しかし、山を下りれば三人は東京、大阪、名古屋と別々の会社、社会へと別れ離れになってゆくのです。ですが三人は三つの大都会の群衆の一人となった時、激烈な企業競争の中で彼らは権力の栄光のために平然と友を裏切るようになってしまうのです。とても残酷な話です。 山に関わる美しい友情が俗っぽい世間の荒波によって厳しい試練を受ける話は「分水嶺」「密閉山脈」「日本アルプス殺人事件」「腐食の構造」と続いてあります。乱歩賞の受賞をきっかけに大作家となった森村氏の起源が、初出版時わずか200部しか売れなかった本書に有ったと誰が思ったでしょうか。初出版時に読んだおよそ100人程の人に聞いてみたいです。 推理小説では無いけれど、後に森村氏が本格的な社会派推理小説を書くようになった源流が読み取れました。本書青樹社の初版は古書で、とてつもない金額で売買されています。300冊にも及ぶ著書があるなかで、その起点となった源流を今日でも読める事が嬉しく思います。また、文学的な価値のある貴重な一冊だと思います。 | ||||
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1967年8月に出版された本書は、森村誠一氏の処女長編小説です。当然、森村氏がまだ世に出ていない雌伏の時代の作品です。森村氏が青樹社の那須英三氏へ原稿を持ち込んだものの那須氏のデスクの上に置かれたまま埃を被ったままだったのです。森村氏は、いつ読んでもらえるのだろうか?と気を揉みながら、原稿が黄ばんでしまうのではないかと思われるくらいに危惧したそうです。 やっと、読んでもらえると那須氏から「直ちに出版する、すぐ次作にかかれ!」と、夢の様な言葉をかけられました。その時の嬉しさは計り知れなかったと思います。しかしながら売れ行きはサッパリで、5000部発行して、わずか200冊しか売れませんでした。それも、森村氏が100冊買っていたのでした。 それでも那須編集長は青樹社社長を「きっと森村氏は当社の大黒柱になるはずだから」と説得し「幻の墓」「銀の虚城」「分水嶺」と発行します。それでも、なかなか売れません。そして那須氏に「推理小説風だから、推理小説を書いたらどうか」と勧められ「高層の死角」を発表、江戸川乱歩賞を受賞し、一躍大舞台に立つことになるのです。その後の活躍は言うまでもありません。 森村氏のその後の他作の中には、那須警部が度々登場しますが、それは那須英三氏の事です。森村氏の感謝の気持ちが伺えます。そんな遊び心には、読んでいて嬉しくなってしまいます。しかし、まさか那須氏は50年も経った今日でも巨匠として誰もが認める作家で300編を超えるベストセラー作家になっている事を予想出来たでしょうか。 本編は帝都大学山岳部、岩村元信、渋谷夏雄、花岡進ら、山に情熱を燃やし強い絆で結ばれた三人の友情溢れる話です。大学卒業記念登山で北アルプスの白馬不帰の嶮に登頂、成功し、喜び合う場面から始まります。しかし、山を下りれば三人は東京、大阪、名古屋と別々の会社、社会へと別れ離れになってゆくのです。ですが三人は三つの大都会の群衆の一人となった時、激烈な企業競争の中で彼らは権力の栄光のために平然と友を裏切るようになってしまうのです。とても残酷な話です。 山に関わる美しい友情が俗っぽい世間の荒波によって厳しい試練を受ける話は「分水嶺」「密閉山脈」「日本アルプス殺人事件」「腐食の構造」と続いてあります。乱歩賞の受賞をきっかけに大作家となった森村氏の起源が、初出版時わずか200部しか売れなかった本書に有ったと誰が思ったでしょうか。初出版時に読んだおよそ100人程の人に聞いてみたいです。 推理小説では無いけれど、後に森村氏が本格的な社会派推理小説を書くようになった源流が読み取れました。本書青樹社の初版は古書で、とてつもない金額で売買されています。300冊にも及ぶ著書があるなかで、その起点となった源流を今日でも読める事が嬉しく思います。また、文学的な価値のある貴重な一冊だと思います。 | ||||
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ただ、一言。 「薄い内容でしたねぇ」 途中で、オチはバレバレで、 しかも、ほんとうにその通りに行ってしまう。 ひねりは、残念ながらなし。 父に「面白いから」と譲ってもらったのですが、 かなり、古い時代の本かもしれません。 【補記】 前半、性描写が結構続きます。 「よく、息子にこんな本渡すよなぁ」と 父の感性を疑ってしまいました(苦笑) | ||||
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