生けるパスカル



    ※タグの編集はログイン後行えます

    【この小説が収録されている参考書籍】
    オスダメ平均点

    0.00pt (10max) / 0件

    0.00pt (10max) / 0件

    Amazon平均点

    4.75pt ( 5max) / 4件

    楽天平均点

    4.33pt ( 5max) / 3件

    みんなの オススメpt
      自由に投票してください!!
    0pt
    サイト内ランク []-
    ミステリ成分 []
      この作品はミステリ?
      自由に投票してください!!

    0.00pt

    0.00pt

    0.00pt

    0.00pt

    ←非ミステリ

    ミステリ→

    ↑現実的

    ↓幻想的

    初公開日(参考)1974年09月
    分類

    長編小説

    閲覧回数1,576回
    お気に入りにされた回数0
    読書済みに登録された回数1

    ■このページのURL

    ■報告関係
    ※気になる点がありましたらお知らせください。

    生けるパスカル: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫)

    2014年03月12日 生けるパスカル: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫)

    もう耐えられない―画家の矢沢辰生は、異常なほど嫉妬深い妻の暴力に苦悩していた。ときには死の恐怖すら感じるほどだった。ある日、自分と同じ境遇の主人公を描いた小説に共感した矢沢は、妻から解放されるべく、ついに完全犯罪を計画する…。夫婦の歪んだ心理に鋭く切り込む表題作。家政婦への暗い情念を燃やす老人の鬼気迫る姿を描いた「六畳の生涯」も併載。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点0.00pt

    生けるパスカルの総合評価:9.50/10点レビュー 4件。-ランク


    ■スポンサードリンク


    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

    現在レビューがありません


    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.4:
    (5pt)

    2作とも秀作でした!!

    松本清張の異色作二編が収められている。
    まず、「生けるパスカル」。主人公である画家の矢沢は、異常なほど嫉妬深い奥さんを持って、一見、気の毒そうなのだが、
    元々は、矢沢本人の浮気に原因があるのだから仕方がない。もし、夫の矢沢が浮気をまったくしなければ、妻の鈴恵は、あんな
    ヒステリーには陥らなかっただろう。矢沢に弁解の余地はないのである。

    異常なくらい嫉妬深い鈴恵・・・逆に言えば、矢沢は妻の鈴恵から熱烈に愛されているのであり、それこそ男冥利に尽きるというもの。
    矢沢は画才があるうえに、艶福家でもある。それは若い頃に鈴恵と恋愛結婚する前に、彼の友人の妹、道子と激しい恋愛をしていたこと
    でも分かる。道子は、矢沢と鈴恵が結婚する三日前に、道子の強い求めで、矢沢と最後の愛 (激しい性愛) を営み、矢沢が結婚して
    一週間目に自殺した!! 道子も命がけで矢沢を愛していたのである。

    だが、そんなことをしてまで結婚した鈴恵の異常すぎる嫉妬と暴力 (逆DV?) にほとほと疲れた矢沢は、たまたま自分自身と同じような
    境遇の男を描いた小説に共感し、妻から解放されるべく、完全犯罪を画策する。
    いゃー、読後は、何かやり切れませんね。女性にモテすぎるのも良くないかも・・・などと、人生の真理(?)を感得できた秀作でした。

    つぎに、「六畳の生涯」これは、谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」を思い出させる作品。
    この作品では、79歳の老人、志井田博作が、若い家政婦の吉倉トミに寄せる一途な恋心が読んでいて、とても面白かった。
    この志井田という老人は、中々の好々爺です。可愛いお爺ちゃんです。
    いっぽう、30半ばのトミは、決して美人ではないのだが、ポッチャリ型のコケットである。しかも、働き者で性格は
    おっとりとしていて庶民的で好感が持てる。女性のわりには口がかたく、亭主持ちで身持ちも堅いのも、すごく好印象。
    松本清張って、人物造形うまいなあ。

    こんな気のいい働き者のポッチャリ・コケットが、最終的には、思いがけない (と読者には思える) 人物から、
    夫もろとも殺されてしまう結末が、余りにも可哀そうで、ちょっと目がウルウルしました。彼女もその夫も
    いったいどんな悪いことをしたんだよ?! って。
    もっと希望のある結末が書けなかったのかな。 
    と言うか、読者を涙目にさせるのが、作者の狙いなのかも・・・。

    あの裏表のない、お人よしでよく気のつく働き者のコケット(なまめかしい女性) の吉倉トミが、
    あんなやつ (→ ネタバレしないようにあえてボカします) なんかに殺されてたまるかよー。
    浮かばれないよー。 本当に悔しいし、目には涙がたまるしで、一種の「悲劇」といえばいいのか。

    そうそう、吉倉トミには、ささやかな盗癖があるのだけど、それすら、彼女を雇っている医院の奥様の
    許容範囲なんです。よほど、その人柄を愛されている証拠です。
    以上、2作とも、松本清張ファンなら一読の価値大ありです。「六畳の生涯」の方はマジ泣けます。
    生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)Amazon書評・レビュー:生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)より
    4041227275
    No.3:
    (4pt)

    抜群の安定感を誇る巨匠

    200ページほどの中編二作入り。手軽であっという間に読めた。
    『六畳の生涯』八十歳の引退したもと医者が、肥満体の女中に恋する。底辺の恋愛とでもいうのか。恋愛というより欲情かな。つくづく作者の守備範囲の広さと筆力に感心する。老人のくすぶるような淫欲が活写されていて、引き込まれる。終盤の展開には唖然とした。
    表題作は、妻に主導権を握られた画家が主人公だ。妻は十年以上前の浮気をきっかけに、ヒステリー発作が常態となってしまった。画家はなんとかこの状況から逃れようと、知恵を絞る。暗い情念が徐々に具体化していくところが読みどころだ。

    隠居した老人と恐妻家の画家。清張にはかなり珍しいタイプの主人公で、新鮮で楽しめた。どんなテーマを選んでも、人の本質を見抜く鋭い観察眼は曇らない。
    生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)Amazon書評・レビュー:生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)より
    4041227275
    No.2:
    (5pt)

    清張は面白い

    それにしても。大分読みつくしたと思っていたが、まだまだ出てくる、作品に驚く。それもすべて面白い作品がけっこう有る。この2作品もその中のひとつで、最後まで、グイグイ読ます。
    生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)Amazon書評・レビュー:生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)より
    4041227275
    No.1:
    (5pt)

    生けるパスカル

    個人読書履歴。一般文学通算98作品目の読書完。1976/12/08
    生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)Amazon書評・レビュー:生けるパスカル (角川文庫 緑 227-27)より
    4041227275



    その他、Amazon書評・レビューが 4件あります。
    Amazon書評・レビューを見る     


    スポンサードリンク