梅雨と西洋風呂
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主人公が堕ちていく快楽と罠 周囲の人たちのナゾ 楽しみました 昭和の社会を描いて下さっていると思いました 一方で、アリバイ工作には ガッカリしました 短絡的でリアリティが乏しく 説得力に欠けると思いました これならバレて当然… それなりに楽しめました | ||||
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コメントなし | ||||
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推理小説というより悪徳小説みたいな内容。いかにもありそうな地方政界と地元経済界の癒着、理不尽な殺人。清張作品としてはちょっと残念。 | ||||
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酒造会社社長 兼 地方新聞社社長 兼 市会議員として精力的にまい進する鐘崎義介と、彼の腹心である編集長土井源造。この2人のキャラが、とにかく際だっている。 地方によくある政治家と企業との癒着を批判的に書き立てる三十万市民の味方「民知新聞」。 清廉潔白で正義感の強い鐘崎義介社長と、朴訥で生真面目な土井編集長の黄金のコンビは、物語の前半ではうまく機能して、市政の歪みを次々とあばき立てていたのだが、いつしかコンビの歯車が狂いだす。 その原因をひと言でいえば、色欲と金銭欲と名誉欲に尽きる。 仕事ひとすじ四十代後半既婚者で他に女っ気のなかった鐘崎義介は出張先でのふとした気の緩みから妖婦・カツ子を紹介され、その若々しい体にのめり込んでゆき、ついつい「民知新聞」の仕事の方が疎かになってしまう。 いっぽうこちらも妻子持ちで生真面目な土井編集長の方も、鐘崎社長が新聞の仕事をほったらかし始めたため、最初はしかたなく社長の分まで精力的に働いていたのだが、取材の必要から政治上の人間関係に深入りする中で、やがて慢心が生まれる。 そして与党・憲友党の反主流派である鐘崎社長から離反して、鐘崎の政敵と言ってもいい主流派の宮山と結託していく。さらには、土井編集長にもお政さんという女ざかりの熟れ切った肉体をもつ愛人ができる。しかも一見女性にモテそうもない土井編集長とお政さんは何と熱烈な相思相愛なのだ!! この高級料亭のベテラン仲居お政さんこそは、以前から鐘崎社長が密かに恋心をいだいていた憧れの女性であり、鐘崎にとっては、うら若く妖精さながらの輝くような裸体美をもつ娼婦・カツ子も、いわば「お政さんの代用物」なのである。 このあたり、政治とカネと色欲の中で次第々々に紛糾してゆく人間関係や愛憎関係を書かせたら、松本清張は天下一品だと思う。 最後に殺人事件が起きるべくして起きるのだが、完ぺきと思われた犯人のアリバイが、たったひとつの小さな綻びから脆くも崩れていく。 しかもその小さな綻びへの布石は、なんと物語の前半で語られる鐘崎社長と愛人カツ子とのお風呂場でのエロチックな戯れの中に準備されていたというのだから堪らない。 まるで何十手も先を読みながら指し続けてきた将棋の軌跡 (棋譜) を追っているような鮮やかさだった。 けっきょくこの作品、『梅雨と西洋風呂』という題名が、そのまま犯罪トリック上のもっとも重要な2大キーワードとなっていたことが、読み終えてみて分かり、よくもまあこんな上手い題名をつけたものだと感じ入った次第です。 これだから松本清張の小説はやめられません。 | ||||
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主人公の鐘﨑は、造り酒屋の主という本業を持ちながら市政新聞の発行者で市会議員でもある。エネルギッシュな俗物だ。 鐘﨑を夢中にさせるカツ子の描写がエロい。当時は珍しかった洋式の浴槽を用いた男女の戯れが描かれる。 清張作品でこういうシーンは、稀少かもしれない。単なるお色気サービスではなく、後になって重要な意味を持ってくるのだ。 鐘﨑の奮闘(悪あがき)ぶりはそれなりに興味深く読めるが、終盤の殺人事件が何か木に竹を接いだような印象を受ける。 ワンアイデアのミステリにするなら短編で充分なネタだし、地方都市の権勢争いを主軸にするなら本格推理めいたトリックは不要だ。 なにか中途半端な作品だ。とは言え人物描写が達者なので、それなりに読みごたえがある。 特に土井源造の造形には感心した。「こういう奴、いるよなあ」と思わせるところが清張の腕前なのだろう。 | ||||
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