笹谷美緒が宿泊していた壱岐のペンションのログハウスで、男性客三人組のうちの一人が殺害され、一人がその直前に無断で島を後にしていた。

昭和30年代初め、東京S町遊廓「恋ぐるま」の女主人車戸旗江が殺害されて死体をバラバラに切断されるという事件が起きた。

徳川幕府を支える稀代の天才・大久保長安。サイエンスを駆使し、女精酒を飲み、佐渡金山開発に力を注ぐ。

戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。

関東八か国の悪党者を取り締まる八州廻り。

作品や文献につぶさにあたって浮き彫りにしていく、戦前に活躍した個性的な探偵作家18人の創作活動。

奥深く混沌とした戦場から生みだされる悲しき兵隊たちのそれぞれの人間模様。

鹿児島市内の城山公園で、東京銀座のホステス真鍋美恵子が、絞殺死体となって発見された。

藪原法律事務所の居候弁護士になって三年目、朝吹里矢子は同じ事務所内ながらも独立をはたした。

東都大学講師・早瀬君男は、人妻・睦子と不倫の関係にあった。

同僚の死をきっかけに職場で重用され、美しい妻を射止めた男。

私生児として生まれ育った少女がやがて、ピカソやブラックなど若き芸術家たちの集うモンマルトルの美神(ミューズ)となり、画家となる夢を叶えてゆく。

新時代を迎え、英国情報部をリストラされたティム・クランマーは、叔父から遺された屋敷に引退し、年若い愛人エマと優雅な日々を送っていた。

「メアリー、メアリー、すごいへそ曲がり。どうしてあなたの庭はよく茂るの。

父親が消えたと失踪人課に訴えにきた十二歳の少年の話を聞き、その家に出向いたパウダー警部補は異状に気づいた。

毎週土曜、午後一時。レオノーラは、かつての恋人である青年実業家ガイ・カランとランチデートをするのが習慣だった。

入水自殺を図った若い女性は、記憶を失っていた。恋人だった青年は遠洋マグロ漁船の上にいる。

大生部一家はテレビ局の特番取材で再びアフリカへ旅立つ。

プロゴルファーの箕島仁は、国内初勝利後米国ツアーに挑戦したが、膝を痛めて帰国した。

決死の潜入工作員に名指された若き生物学者は、貨物船員に身をやつし、思いもよらぬルートと方法でロシアへ、シベリアへ、秘密研究所へと潜りこもうとする。

シベリア上空で撮影された衛星写真が何かの大爆発と、その周辺にうごめく奇妙な生物のようすを捉えた。

生まれも育ちもNYという正真正銘、都会育ちのフェイス。

ある日、全国各地で子どもがひとり、またひとり、と家族の前から姿を消していった。ある者はひとりで、ある者は複数で。

「シカルト、頼む、殺さないでくれ。おれはまだ若いし、丸腰だ」シカルトは二秒ほど躊躇した。

汝は必ずや西太后の財宝をことごとく手中におさむるであろう―。

14歳のとき両親殺害の罪に問われ、外界との交流を拒んで孤島の研究施設に閉じこもった天才工学博士、真賀田四季。

念願かなってマイホームに引っ越した木崎家の第一夜、奇妙な電話がかかった―。夜中にピアノなんかひくな。

荒涼とした雪原は「この世の終り」にふさわしいこの閉ざされた山荘に7人が揃った時皆殺しゲームのスイッチが入る…ゲームの名前は「電脳山荘殺人事件」。

土曜の夜のお楽しみ、カクテル片手に山伏が今宵も始める殺人譚。

運河をたゆたうもの。それは分かたれし汝の運命。

海野十三の名は今日、“日本SF小説の父”として記憶されているに違いない。

宴の興も醒めやらぬ夏の宵、陸軍少将邸に時ならぬ銃声が轟く。

二十年前に愛した男が、ヴァイオリンでバッハのカノンを演奏しながら自殺した。

テレビゲームで業界制覇の野望を燃やす「花蝶堂」社長の戸張啓太一族は、北品川の御殿山に大豪邸を構える。

日光いろは坂のヘヤピンカーブから、乗用車が崖下に転落。炎上した車の中で黒こげ死体が見つかった。

事故を起こした自動車は道路脇の木に衝突して大破していた。

霧の濃い夜、16歳のイアンは家を出た。

ピットマンはかつて優秀な記者だった。

中国美術の至宝、敦煌「三所の禅窟」。シルクロードのかなたに千年をかけて描きつがれた仏教壁画と様々な仏像たち。

子供は無事だ、きみのキャリアは保証する。

「庭…」―それが精神科医・大崎の最期の言葉だった。

「J・Mを殺したのは誰か」―そんな一文で終わる原稿を、私はもてあましていた。

偽りの神の前で脚を開く少女たち―。爛れた世紀末を暴走する衝撃の純愛物語。

かつてこれほど孤独な探偵がいただろうか。新本格ハードボイルド。

青春ミステリーの金字塔。

原稿の著者ゲーテは、かつてカーチャの愛人であった理想家肌の科学者だった。

深夜のファミリーレストランで突如、男の体から炎が噴き出した。その数日後、天王洲では無残に咬み殺された死体が発見される。

「ついに戦鬼文成仙吉が長い眠りから醒めた―」文成は悪党たちに輪姦されていた女を救うが、女は何処ともなく姿を消した。

コネティカットのランディー・ケンブリッジという十九歳の若者からバークに仕事の依頼が入った。

ニューヨークのスラム街育ちの著者が3人の仲間と少年院で送った恐怖の日々。やがて2人が看守を殺し復讐をするが…。

毎朝、今日こそ逮捕されるという思いで目が覚める。選挙戦がいかに苛酷であろうとも、絶えず心をよぎる。

それはオコナー上院議員にとって、再選をかけた選挙戦のさなかの出来事だった。

ステファニー・プラムは30歳でバツイチ、ただ今独身。

近未来のサンフランシスコ。

ハーヴァード大学英文学科初の女性教授ジャネット・マンデルバウムは、危機におちいっていた。

私の父は、52歳で離婚し、ニューアークの家で、ひとり孤独に死んでいった。

関ケ原合戦後の論功行賞に苦悩する徳川家康は、本多正純にその調査を命じた。

クレア・マロイはよく事件に巻きこまれ、警察もいやがるほど見事に解決してしまう書店の店主。

暑熱去らぬ夏の夜道、「ロンドンに行きたい」と声をかけてきた白ずくめの女。絵画教師ハートライトは奇妙な予感に震えたー。

薬物中毒者の相互更正補助施設「セイル・オフ」に、あらゆる感情が「死んで」いる男が入所してきた。

顔に白頭巾をかぶってひたすらワープロを打ち続ける男。

「一ヵ月8kg減で、誰もが理想体重に」ダイエット美女を決める最終選考まで、あと二ヵ月。

妻を事故で失い、札幌を離れ、上富良野の森林作業員となった尾高健夫。悪夢から一年後の夏。

愡れた女の数だけ無理難題を背負い込む男・柚木草平は、時に探偵の依頼もこなす元刑事のルポライター。

筑豊の廃坑の村。

資産家の若き未亡人・桜井淳美がわずか一歳のとき、生まれ故郷の能登島にある黄金屋敷と呼ばれる豪邸で、使用人を含めた一家七人が、斧を首に打ち込まれて惨殺される猟奇殺人が起こった。

家出、それは命がけの浮気。45歳、郁子の家出。

スイスに旅行中の行天燎子警部補が誘拐された。仕事も家事も忘れ、観光を楽しんでいた行天燎子と柊春子がなぜ事件に…。

“代言人”と言われていた明治の弁護士・落合源太郎は、祇園新地の芸者・鈴吉から幼友だちの秋岡せつが行方不明となっているので探してほしいと頼まれる。

しぶしぶ引き受けた仕事でギデオンはエジプトを訪れた。

家族の絆に亀裂を入れたあの女が憎い…顔に醜いあざがあるためドリーは人づきあいを嫌い、母亡き後、父と弟の世話に喜びを見出してきた。

若く美しい女性の死体が、ボストン郊外で発見された。

南部の大学町で孤独な生活を送る女性数学者リスルは、美貌と才能に恵まれた大学院生レイフと知り合い、恋に落ちた。

リスルを悪の世界に引き込んだ青年レイフは、かつてビルの教え子ダニーを惨殺した謎の女サラと瓜二つだった。

うだつの上がらない弁護士のヘンリーは、ある日、日頃から憎々しく思っている醜い妻を毒殺する決心をした。

林の中の古びた洋館―それが私立野々宮図書館だ。ここに所蔵されている本は、どれも犯罪や事件に関係のあった本ばかり。

物に触っただけで、それを所有していた人物の秘密を感知できるサイコメトリー(残留物感知能力)を使い、超能力少女・紫は、未解決事件の手がかりをつかむが…。

ボクシングの師・長坂の依頼を受けた神尾修二は、謎の失踪を遂げたウィグル人ボクサーのジューを追って、中国・新疆ウィグル自治区の町・カシュガルへ着いた。

作家志望の岩川重美は自作のミステリー『歯車殺人事件』の批評を友人の日美子に頼んで、瀬戸内海の小豆島へ旅立つが、到着した日に絞殺死体となって発見される。

大手建設会社部長・曽根寛の足どりは、帰宅途中の東京駅で見かけられたのを最後に、消えた。

名門私立高校の教師を勤める37歳の峯岡は、平穏すぎる日常とマンネリ化した夫婦の性にものたりなさを覚え、抵抗する妻を強引に説得し、夫婦交換に参加した。

観光客で賑わう京都・天竜寺。

元参議院議員の折笠修一郎が、新築した自宅で刺し殺された。

「蠅がいない。蠅抜きでどうして、中世のギルドが運営できるんだ。

スポーツ賭博の胴元・ハリーは悪行から足を洗い、昔の女とよりをもどし、長年の夢を実現しようとしていた。

「山を動かしているのは誰だ?」長野県東部の明神湖で原因不明の微振動が発生し、山鳴り、鉱毒流出と怪現象が連続した。

夫の最高裁判事を殺害した容疑で突如、起訴された美貌の検事補アビー。彼女の弁護に立つのは、連戦連勝の辣腕弁護士レイノルズ。

「ファンスラー先生、精神科のよいお医者をご存じですか」美人大学院生ジャネット・ハリソンが助けをもとめた相手は、英文学の教授ケイト・ファンスラーだった。

微禄の若者小森又十郎は、辛夷の花のようだと憧れていた首席家老の娘の再婚相手に指名され、夢見心地。

熱烈な清張ファンを自任する作家が一人で全巻を編集するいま最高に面白い小説選集。政治的謀略か、狂気による被害妄想か。

八丈島南方洋上で捕獲されたヨシキリザメの胃から、人間の左手が発見された。検死の結果、暴力団員横堀好男のものと判明。

新婚旅行の思い出をたどるため―銀婚式を迎えた野々村省三・文恵夫妻は、二十五年前と同じく、能登へと旅立った。

京都市の北郊・氷室町で、若い女性の殺人死体が発見された。どこか別の場所で殺され、遺棄されたらしい。