二島縁起
- 瀬戸内海 (46)
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ちょっと歴史伝奇風に幕を開け、次いで海上タクシーという珍しい商売が紹介され、奇妙な依頼を受けた主人公が 謎のトラブルに巻き込まれ、まずは第1幕の海洋アクション。危機一髪を脱したところで、 再び地域の因縁と確執が描かれて・・・・ とにかく、こまめな転換とハンドリングで飽きさせない、エンターテインメントの教科書のような作品だ。 特にハラハラドキドキの最中に二重のドンデン返しを仕組んだ終結部がすばらしい。 前半、主人公と犯人が接触する場面の直前に、別人との何ということもない会話が挟まれていて、これが後から ミスリードとして効いてくるなど、工芸品のように隅々まで作りこまれている。 ただ、ハードボイルド風のものを期待すると、主人公が島に来た経緯などが省かれていて 単に「半世捨て人なのに、やけに好奇心旺盛なオッサン」 に見えてしまうかもしれない。私はそれで充分だった。脇役が皆面白い。 多島さんは生きてらっしゃるのだろうか。 | ||||
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瀬戸内海を航行する「海上タクシー」を舞台としたミステリである。実はこの作品の前に、「海上タクシー「ガル3号」備忘録」(同じ舞台による連作短編集)を読んでしまったが、前後はあまり気にしなくても良いかもしれない。海上タクシーという言葉はちょっと聞きなれないが、要するに内海を航行する小型の高速チャーター船。定員は30名くらいのようなので、陸上でいえばマイクロバスくらいの感覚だが、しかしそこは常時海の上ということで、一種独特の孤立感や危機回避にかかわる描写が楽しめる(ようになっている)。主人公・寺田の人物描写がかなり渋めな感じになっているとか、女性助手に華はあるが色気の話は無いとか、海上アクションがなかなか激しいとか、どちらかというとミステリというよりハードボイルド系に分類してよいかもしれない。たぶん著者はそのつもりで書いたのであろう。文章自体はとても練れていて、アクションシーンであっても言葉をひけらかす感じではなく、読んでいて気持ちよいし、安心して読んでいられるのが良いですね。エンターテインメントな読み物として楽しく読む、というのが良いでしょう。 | ||||
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1995年に双葉社から出た単行本の文庫化。 『不思議島』につづく創元推理文庫「多島斗志之コレクション」の第2弾。 瀬戸内海を舞台とした長篇ミステリ。海上タクシー(小型旅客船)を舞台としており、操船、海、潮流など珍しい話題が詰め込まれている。島の住民たちの荒々しい生活や言葉づかいが活写されている点も魅力だ。 登場人物たちも魅力的。 ストーリーのアイデアが平凡なのが残念。 姉妹編『海上タクシー<ガル3号>備忘録』も合わせて読むと楽しいだろう。 | ||||
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主人公は、瀬戸内海の今治付近で海上タクシーを営む寺田。 潮見島と風見島という昔から対立する島の住人同士の争いに巻き込まれるうちに、殺人事件までが発生し、寺田自身も、、。 海上タクシーというものの存在を全く知りませんでしたが、瀬戸内には何回か行ったことがあるので、小さな島が散在する情景を思い浮かべながら読みました。 事件の背後には、島の歴史が深く関わっていて、最後には意外な犯人が明らかになります。 著者の多島斗志之は、「不思議島」でもやはり瀬戸内海の島を舞台にミステリを書いていますが、今回は海上タクシーという、これまであまり小説に描かれていないものが舞台になっており、それにうまく歴史を組み込んで、登場人物の描写もよく魅力的なキャラに仕上がっており、いい作品に仕上がっていると思います。 「海上タクシーガル三号忘備録」という続編も出ているので、そちらもおすすめします。 | ||||
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