ロシア革命後の国内戦で白軍の最高統治者だったコルチャーク。

第二次大戦中、コルチャークの金塊の存在を知ったナチは、それを奪い取ったという。そして、その金塊は…。

南米奥地の左翼過激派〈マミスタ〉の支配地域に厖大な石油が…。大義、欲望、そして死…。

ジョージ・スタークなる別名で暴力小説を書いていた純文学作家サド・ボーモントは、そろそろ本来の自分にもどりたくなった。

崖っぷちを飛びこえる力がほしいと、何度願ったか知れない。始まりは、酔っ払いの老人が行方不明となったことだった。

ピストルを頭に突きつけられてニッチもサッチもいかなくなったとき、そいつは言った。

こんな光景は西部劇でしかお目にかかったことがなかった。

どんなに愛しい旦那さまでも、一度くらいは殺したいと思ったことがありませんか?未亡人クラブがあなたの悩みを解決します―。

標的はマフィアのボスの金庫―。

子供たちの玩具に隠された秘密を見つけだせ。地球輸入基準局はやっきになった他の星から送られてくる輸入玩具をチェックする。

1977年、アメリカ、オハイオ州で、連続強姦事件の容疑者としてビリー・ミリガンという青年が逮捕された。

深夜、11歳の少女ペニーが耳にした不審な物音。

ワシントン郊外の邸宅で、実業家ジョナサン・ガエイタンが血まみれの死体で発見され、自殺と断定された。

今まで現実だと信じていたものが突然得体の知れないものへと変じ、日常生活に亀裂が生じたとき人は恐怖のどん底へ突き落される。

1956年、動乱に揺れる街ブダペストで、祖国を違える4人のスパイとひとりの女が関係した。そして生まれた娘、イローナ。

私立探偵ジョン・カディの目に映った地方都市ナッシャーバーは、悪臭ただよう漁港と薄汚れた工場からなる死んだような街だった。

百万長者の将軍ガイ・スターンウッドの死後、長女のヴィヴィアンは精神を病んだ妹カーメンをサナトリウムに送り込んだ。

不妊に悩む女医マリッサは体外受精に何度か失敗し、夫との間も気まずくなっていた。

ニューヨークの喧噪を離れ、ペンシルバニアの片田舎で、執筆活動のかたわら夫や息子と穏やかに暮らすことを夢見たイーディス。

寝たきりの生活を続ける伯父ジョージと成人後も無気力でまったく働く気のない息子クリッフィー。

残された傷痕は、美人の売れっ子作家ベリル・マディソンが必死で抗い、命乞いをしながら死んでいったことを物語っていた。

教会の礼拝の最中に信者が刺殺され、つづいて礼拝をとりおこなった牧師も謎の死を遂げた。

KGBの大物実力者カジンとマリクは、かつては親友同士だった。

クレアは怯えていた。合衆国大統領として任期終盤を迎えた夫ニコラス。

どんな町にもはきだめのような場所があるだろう。このボストンでいえば、歓楽街コンバット・ゾーンがまさにそうだった。

「当方、独身白人女性、同居人求む」―アリが出した新聞広告に応じて現われたのは、控えめで気の弱そうな女だった。

チャーチル首相を誘拐せよ。オリジナル原稿をもとに、最初に刊行されたときに削除されたエピソードを忠実に復元。

「太陽がいつぱい」で登場して以 来、ハイスミスが唯一シリーズ として書き続ける、犯罪者にし て自由人トム・ リプリー。

マリブ・ビーチに打ちあげられた女の溺死体…。

マイアミ警察部長刑事ホウク・モウズリー、43歳。

マイアミ警察部長刑事ホウク・モウズリー、43歳。

19世紀に華々しく開花したゴシック小説。その死と恐怖に満ちた暗黒の世界は、われわれ現代人の心の中にも巣くっている。

1936年、ベルリン。

三人のヴェトナム人労働者の死体は見るも無残なありさまだった。

わたし、キンジー・ミルホーンはオフィスとしてカリフォルニア信用保険会社の二階の一室を使っている。

日本企業ナカモトがロサンジェルスに建設した超高層ビル〈ナカモト・タワー〉で、美人モデルが殺された。

肌寒い三月のある夜、小糠雨に打たれながら行われた反原発デモが、突如暴動へと発展した。

「そんなばかな!」ストット教授がうめいた。今宵は吉例フクロウ数えの夜。

CIA情報担当副長官代行に昇進したジャック・ライアンは、ある日上層部のきなくさい動きに気づき、それが野心にはやる一握りの権力者によってなされた策謀であると知って憤った。

「大統領、大国がその気になったら何ができるか、やつらに思い知らせてやるべきです」国家安全保障問題特別補佐官の一言に大統領は気持を動かされた。

大宇宙をさすらう宇宙海賊ロドロン・チャンは、銀河を人類と二分する異種族ストリールから掠奪した不可解な“レンズ”に見入っていた。

楽しみにしていたハネムーンもおあずけだった。

ベルは死んだ、フラッドは行ってしまった。

ウォール街の証券マン、ニックは、偶然巻き込まれた事故で突如“透明”になってしまった。

安全なねぐらを求めてニューヨークの街をさまようニックの背後から、彼を万能のスパイとして利用しようとする秘密情報機関の魔手が迫る。

軍国主義の気運に伴い、時局に便乗して日本精神を鼓舞する画題を描きつづけた画家・小野。

没落した名家の生まれのミロは、遺産が入る日を待ちわびる酒びたりの私立探偵。ある日、彼のもとを一人の女が訪れた。

ハーバートの飼い猫が、ある日人間の指をくわえて帰って来た。

12歳以下の子どもたちが“生後堕胎”の名のもとに殺戮される戦慄の未来を描いた問題作「まだ人間じゃない」、異星人による奇妙な侵略をうけた地球の物語「フヌールとの戦い」、広告戦争が極限まで達した騒々して未来社会を描いた「CM地獄」などの秀作中短篇8篇をおさめた

ポカパック島の所有者である老サビーン夫人に代わって、夏の滞在客のもてなし役をつとめることになったエマ・ケリングは、一路フェリー島に向かった。

神が降臨してきたかのような姿だった―。真昼の太陽を浴びた黄金像そのままの青年。

「きみの名前が出ている」隣人に示された一冊の本、ヴェトナム戦時の米軍の残虐行為をあばくものだった。

四面楚歌のなかで、タイスンの胸に大いなる疑問が湧く。

たった一週間のうちに二人も、慈善家が殺された。いずれも降圧剤を致死量飲まされて。

殺されたのはいったい誰なのか?インディアン保留地近くで見つかった歯のない男の死体からは、身元を示すものが入念に消されていた。

1963年5月、アラバマ州バーミングハム。

休暇で訪れたパブで人品いやしからぬ婦人が夫を射殺するのを目撃した警視、単純明快な事件のはずなのに妙にひっかかるものがある

怨念のクモの巣は張られた。何も知らず飛び込んで行くプレイボーイ。

ハワードはカリフォルニアの弁護士事務所に勤める見習い弁護士。バレエ鑑賞と料理が趣味という気の優しい男だ。

発端は、日本のブシドー精神の書物〈ハガクレ〉盗難事件の調査依頼だった。

私立探偵スペンサー・ブームに火をつけた代表作『初秋』から十年―十五歳の少年だったポール・ジャコミンはみごとに自立してダンサーになり、ガールフレンドのペイジとの結婚を考えていた。

怨念のクモの巣は張られた。何も知らず飛び込んで行くプレイボーイ。

楽しいはずの新婚旅行がだいなしだった。

わたしをここから出して、と精神病院に入院するサラはホープに訴えた。母親と医者の共謀で病院に閉じ込められているという。

“ミスター・モジョは起きあがった。

その“供物”は、健やかな男の赤ん坊でなければならない。

スウェーデンの秘密海軍基地近くで、領海侵犯中のソ連潜水鑑と漁船との接触事故が起きた。

ロンドンに出張したまま音信を断った雑誌社の女社長…。

あのコナン・ドイルがのこした重大なるメッセージとは何か?科学的で、明快な心霊学入門書。

うますぎる話には罠がある。アパートに忍び込み、小箱を盗み出すだけで5千ドルの報酬をくれるという。

臨時雇いとして、影でCIAの仕事に携わりつづけた一人の男が死んだ。彼の名はステディ・ヘインズ。

ヴェトナム帰りの幼児虐待殺人魔コブラを追って、アウトロー探偵バークと女性武術家フラッドの復讐の血が騒ぐ。

マフィアのドンたる隣人フランク・ベラローサは、人にものを頼んで「ノー」と言われたことのない男だ。

通称ゴールド・コーストはニューヨーク州ロングアイランドの北海岸、大富豪のための超高級別荘地だ。

匿名の中傷文の執筆にいそしむ偏屈な老人、マフィアにコネがあると称する9歳の悪ガキ、寄る年波に必死の抵抗を試みる美貌の未亡人―。

襲われた女性たちは皆、残虐な姿で辱められ、締め殺されていた。

カナダ国境に近いムース郡は冬になると雪と氷に閉ざされる。

ミステリの女王クリスティの短編集九冊から重複作品を省き、全五巻に再編集した決定版！　5には中編推理小説、厩舎街の殺人、謎の盗難事件、死人の鏡、負け犬、の全四編を収録。

行方不明になった義父を発見する手がかりを求めてアルプス山中の寒村を訪れたソールは、聖識者とおぼしき男たちに襲撃された。

世界各地で、次々と行方不明になる老人たち―ナチス・ドイツの残虐なテロ政策〈夜と霧〉が甦ったのか?暗い過去を背負い、イスラエルに隠遁していた元CIA工作員ソールは、モサド要員だった義父の失踪を知り、探索を開始した。

ジェイクは半ば呆れていた。今日はディックが駆け落ちをやらかす日。

1944年春、連合軍の反攻を前にして、ロンメル将軍はドイツ軍の防衛計画会議をフランスの古城でひらこうとしていた。

「わたし、どうしても一人でいたいの」そう言ってスーザンは去っていった。西海岸で新しい仕事につくという。

人類の中から突然変異的に現出した超人たち、〈新人〉と〈異人〉の前に、60億の人間はとりえのない〈旧人〉として支配されるしかなかった。

1933年刊の本書は、著者としては異色の怪奇幻想譚を中心にした短編集である。

ある日故郷へ戻ってみると、そこは街並も住民も見覚えのない見知らぬ街になっていた。

きみに仕事を頼みたい、と殺人課の部長刑事が言った。言われた当人は茫然自失。

花々が咲きそろった明るい春のニューヨーク。

モスクワでの行動でKGB上層部に睨まれた捜査官アルカージは、シベリアに流された後、今はソビエトの北洋漁船「ポーラー・スター」号の船員として働いている。

どうしてこんなことになってしまったんだろう?春までは、受験も遠い第四学級生として控え目な青春を送っていた。

イザベル・サドラーと名乗る美しい女性がロンドンの美術画廊にやってきた。一幅の絵をたずさえて。

情報屋のケンドリックから数枚の写真を見せられたのは、八月の暑い盛りのことだった。

小麦色の肌にまばゆいブロンドの魅力的なテリィ。引っ込み思案でいじめられっ子のメリッサ。

十七世紀、王政復古の英国。