東京都内の空地で大学生が殺された。犯行時被害者と情交中だった女性は、警視庁の一柳刑事の妻だった。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

昭和36年7月、神奈川県の小さな町で、飲み屋を営む坂井ハツ子の死体が見つかった。

いつも通り上機嫌で出勤していった夫の謎の失踪。妻の祥子は惑乱と絶望のなかで夫を探す。

昭和36年7月、神奈川県の小さな町で、飲み屋を営む坂井ハツ子の死体が見つかった。

わたしは夫であるあなたを殺します。女であれば誰しもが夫に抱く憎悪が、殺人にまでふくれあがったからです……。

今野淳一、34歳。引き締まった体、ちょっと苦みばしったいい男。

20台のモトクロッサーが一斉にコースへ跳び出した。こいつは鉄の暴れ馬に跨がるロデオだ。

紀尾井財閥グループの帝王椎名が危篤。その二人の娘が乗る小型飛行機が、北アルプス“幻の谷”に墜落した。

三井三池の騒然たる大争議のさなかに、突如炭住地区をおそったポリオの流行、そして従兄の死……細菌をばらまく黒い手の正体を追う男に謀略機関の影がまつわる

十代将軍・徳川家治の治世、八嶽党と名乗る謎の徒党をめぐる凄絶な暗闘。本格時代小説の復権を求め久々の登場。

第七期棋幽戦第二局は、“碁の鬼”と称される槇野猛章九段の妙手で一日目を終えた。

「なぜ、警察やマスコミは動かないのか」東京ロイヤルホテルのフロントマン・山名は疑惑を募らせていた。

僕たちの終章はピンボールで始まった。

三菱重工社長に就任して2年半、牧田与一郎は硬直的な企業体質を野性味あふれる柔軟なものにかえ、日本経済の推進力となるべく、精力的な企業戦略を試みていた。

夫の出張中に愛人と密会を重ねていた麻子は、偶然金融業者殺しの犯人を目撃してしまう。彼女は新たな殺人事件の罠に落ちる…。

銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが……。

「赤の監視」「紺の反逆」「緑の幻想」「青の断章」「黄の誘惑」「紫の情熱」「白の苦悩」……色の数だけ、トリックがある。

別府航路の船上で一堂に会した世界の名探偵、メグレ、クイーン、ポワロ、明智の4人に、かのルパンから届いた挑戦状。

「赤の監視」「紺の反逆」「緑の幻想」「青の断章」「黄の誘惑」「紫の情熱」「白の苦悩」……色の数だけ、トリックがある。

大屋圭造は三流経済誌の記者。企業の提灯記事を書いては広告料を取る「トリ屋」である。

犯行の奥にある非人間的な意志、犯人を仕立てあげようとする検察当局の権力意志。

銀行員安田信吾は行金五百万円を持ってキャバレーのホステスと共に逃走した。取引先の隠し預金を裏付ける極秘メモが決め手だ。

23日間でヨーロッパの諸都市を周遊する豪華ツアー。

雷鳴とどろく、晩秋のパリ郊外。

南アルプスで男女の死体が発見されたが、遺体は死後十日間で白骨化していた。

タクシー運転手の原田光政は過去の幻影におびえつつ、ある日何者かに惨殺された。娘の季美も犯された上に息絶えていた。