優しい密室
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
優しい密室の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今は女流作家となったヒロインが,学生時代を振り返り,回想の形で進められますが, 職業だけでなく,『カオル』という名前に著者自身が重なってしまい,まず抵抗感が…. また,一時間目,二時間目…という章題も,中身は実際のそれに沿っているわけではなく, ただの番号と単位であることには,学校という舞台に合わせたにしてもスッキリとしません. 内容の方は,『青春ミステリ』と謳いつつも,それぞれがハッキリしている印象で, 日々への鬱屈と,それを打破できない自身への苛出ちが描かれる青春パートに対して, そちらにページが割かれたために事の起こりが遅く,後日談での長く,強引な説明など, 雑な部分が気になるミステリパートと,いささかバランスが悪かったように感じられます. とはいえ,自分という存在と居場所に戸惑い,賑やかな教室の中に埋もれていた少女が, ふとしたきっかけを得て変わっていく姿は,ギラギラ,そしてキラキラと眩しく映ります. さすがに八十年代の作品ということで,表現や文化に時代の差があるのは否めませんが, 陰キャと陽キャ,スクールカーストなど,言葉こそ出ないものの,今と変わらない様子や, 先の時代を見越していたような問題の提起には,何かと感心をさせられるものがありました. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリとしての評価よりも、やはり青春小説として評価したい傑作です。 私がこれを最初に読んだのは確か二十歳くらいの頃で、主人公の、女子高生時代の森カオルさんに、これでもかというくらい感情移入して読みました。栗本さん、どうして私のことを知っているの?! と言いたいくらい、ドンピシャでした。まるで自分のことを言われているように感じてしまったのです。 今の少年少女達に、教えてあげたいです。栗本薫という人が、ここにいるということを。大人の欺瞞に嫌悪感を持ち、社会に違和感を持ち、しかしそれがどういうことか分からず戸惑い、自分をもてあまして困っている若い人達に。貴方達のことを貴方達以上に分かってくれる、ある種の賢者とも言える人がここにいる、ということを。 私は勿論、カオルさんのような文才もないし、行動力もない、駄目で引っ込み思案な子供っぽい娘でしたが、そうした「社会に対してどう折り合いをつけたら良いか分からない」という感覚を、いつも感じて困っているような娘でした。そんな私に、ある種の「答え」を提示してくれた小説だったのです。 トリックはともかくとして、クライマックスはとても迫力があります。面白いと思えるか、共感できるかどうかは人によるとは思いますが、私の中では、栗本作品のベスト3には入れたい作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
森カオルの高校時代の物語。 森カオルが,栗本薫の分身であることは,小説を書いているというくだりからわかる。 また,伊集院大介も,栗本薫の分身かもしれない。あるいは単なる憧れなのだろうか。 栗本薫の配偶者に会ったことがないのでわからない。 本書は栗本薫らしさがでていてベスト16にはいります。 栗本薫さんは女子校だったのでしょうか? 表現が現実的ですね。 伊集院大介は早稲田大学の文学部ということは 栗本薫さんと同窓という事ですね。 ネタは手元にあるものを使っているようで、賢いなと思いました。 伊集院大介の透明感がでていて、 一人称の女子高生はちょうど栗本薫さんらしい、 小説を書いている学生で、 役者が揃ったという感じで読みやすかったです。 栗本薫さんが好きな人なら、べすと10にははいらなくても、ベストのいくつかにははいると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書のベストセリフ 「誰でも、やっぱり、どんなふうに思われようと、 自分自身でいるほかはないのだ。 自分自身でいることを、人からうけ入れてもらうためには、 いよいよ自信をもって、自分をさらけ出し、 それで気にくわぬ人間には、 近づかないでもらうほかはない。 全世界の人間に、 全部好意をもってもらうわけにはいかないのだ」 本格推理としては、手掛かりの出し方がややアンフェアというか、 手掛かり出してない謎もあるし、 偶然の要素が介入しているし、 満点は付けられないが、 青春小説として素晴らしい傑作である。 女子高生の一人称視点だが、 少年が読んでも共感出来ると思う。 時代を超越した普遍の倫理観を賛美しているので、 老若男女誰が読んでも共感出来るお話である。 本書を面白くないと言う奴は、 人間でないケダモノだと認定します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
伊集院大介の若き頃の話ですが、語りのメインは森カオルで、彼はむしろ脇役です。 話の半ばまで来ないと事件が起きないのですが、この物語にかぎってはそれもありかなあと思います。カオルのやや独りよがりな推理が女子高生っぽいので、これを好きになれるかどうかで評価が分かれるかもしれません。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 6件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|