異型の街角
- 拳銃 (222)
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「異型の白昼」「異型の深夜」に続く「異型の~」シリーズ三作目です。「異型の~」シリーズは、殺傷力を持つ拳銃を偶然にも手に入れてしまった者達が、拳銃を手に入れた事によって変化していく心の様子を描いた物語です。今まで劣等を感じていた相手に拳銃を使う事で抹殺出来るという優位性から自信を持ち始めていく人間の心理の変化の様を書いています。実際に、拳銃など手にした事が無いので、果たしてそうなのかは、勿論、分からないです。一作目の「異型の白昼」では、拳銃が人から人へと移っていく過程が少し堅苦しかったが、二作目の「異型の深夜」からは、そこの過程が無くなり、読み終わってみると、そうか拳銃を持っていたのかと思わせてくれるような構成に変わって、素直に楽しめる様になったと思います。他のシリーズと同様に五つの短編の連作になっています。どれも、拳銃は小道具に過ぎず、本当の主人公は、登場する人物です。このシリーズの面白いところは、キャラクターの異なった多数の人々が登場します。そして、彼ら彼女らたちの職業にスポットライトを正面からも裏面からも当てて鮮やかに浮かび上がらせているのです。第一章では、大手スーパーの後方担当課長の川地幸男。後方担当課とは、言い換えれば苦情係のことで、川地が、苦情に対応する姿がユニークに書かれています。とても重大な苦情から、客の思い違いによる苦情などの対応に右往左往する姿が楽しいです。こんな事が苦情になるのかと驚く様な事ばかりです。第二章は、東京都のゴミ清掃員たちの話。都民の生活を支える大切な仕事にも関わらず、彼らの家族は、知人に夫の、または、父親の職業を正直に言えなくて苦悩している。父親も家族の大黒柱として働きながら、職種が家族に屈託を与えてしまっている事に申し訳ない気持ちでいっぱいなのが分かり、やりきれない思いがします。第三章は、テレビの再会番組のプロデューサーの仕事にライトを当てた。大物政治家の初恋の相手を探し出し再会させるという企画なのだが、プロデューサーは、この政治家が大御所として成り上がる以前に邪魔になった恋人を殺して放火までしていた過去を暴き、生放送で放送してしまうのです。政治家の悪を書いたら、森村氏は日本一です。第四章は、一件の殺人事件から、有線放送業界のシステムを饒舌に物語っています。第五章では、高層ビルの窓をゴンドラに乗り清掃していた清掃員が、窓越しに殺人事件を目撃してしまう。清掃員たちの過酷な仕事ぶりを鮮やかに紹介しながら、清掃員が殺人事件を解決してしまうのです。捜査権のある警察機構を使わず、清掃員とホテルマンが結託して事件を解決してしまうのは巧妙でした。この様に、五様五変の楽しみが出来る一冊となっています。読み終わってから、自然と勇気が溢れてくるような作品です。 (付)本書は1983年8月に角川書店から初出版され、1986年には同社が文庫化しました。その後、1992年祥伝社、1998年徳間文庫、2004年廣済堂文庫から再出版され、2014年に角川書店がkindle化しました。長く読み続けられている作品です。 | ||||
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「異型の白昼」「異型の深夜」に続く「異型の~」シリーズ三作目です。「異型の~」シリーズは、殺傷力を持つ拳銃を偶然にも手に入れてしまった者達が、拳銃を手に入れた事によって変化していく心の様子を描いた物語です。今まで劣等を感じていた相手に拳銃を使う事で抹殺出来るという優位性から自信を持ち始めていく人間の心理の変化の様を書いています。実際に、拳銃など手にした事が無いので、果たしてそうなのかは、勿論、分からないです。一作目の「異型の白昼」では、拳銃が人から人へと移っていく過程が少し堅苦しかったが、二作目の「異型の深夜」からは、そこの過程が無くなり、読み終わってみると、そうか拳銃を持っていたのかと思わせてくれるような構成に変わって、素直に楽しめる様になったと思います。他のシリーズと同様に五つの短編の連作になっています。どれも、拳銃は小道具に過ぎず、本当の主人公は、登場する人物です。このシリーズの面白いところは、キャラクターの異なった多数の人々が登場します。そして、彼ら彼女らたちの職業にスポットライトを正面からも裏面からも当てて鮮やかに浮かび上がらせているのです。第一章では、大手スーパーの後方担当課長の川地幸男。後方担当課とは、言い換えれば苦情係のことで、川地が、苦情に対応する姿がユニークに書かれています。とても重大な苦情から、客の思い違いによる苦情などの対応に右往左往する姿が楽しいです。こんな事が苦情になるのかと驚く様な事ばかりです。第二章は、東京都のゴミ清掃員たちの話。都民の生活を支える大切な仕事にも関わらず、彼らの家族は、知人に夫の、または、父親の職業を正直に言えなくて苦悩している。父親も家族の大黒柱として働きながら、職種が家族に屈託を与えてしまっている事に申し訳ない気持ちでいっぱいなのが分かり、やりきれない思いがします。第三章は、テレビの再会番組のプロデューサーの仕事にライトを当てた。大物政治家の初恋の相手を探し出し再会させるという企画なのだが、プロデューサーは、この政治家が大御所として成り上がる以前に邪魔になった恋人を殺して放火までしていた過去を暴き、生放送で放送してしまうのです。政治家の悪を書いたら、森村氏は日本一です。第四章は、一件の殺人事件から、有線放送業界のシステムを饒舌に物語っています。第五章では、高層ビルの窓をゴンドラに乗り清掃していた清掃員が、窓越しに殺人事件を目撃してしまう。清掃員たちの過酷な仕事ぶりを鮮やかに紹介しながら、清掃員が殺人事件を解決してしまうのです。捜査権のある警察機構を使わず、清掃員とホテルマンが結託して事件を解決してしまうのは巧妙でした。この様に、五様五変の楽しみが出来る一冊となっています。読み終わってから、自然と勇気が溢れてくるような作品です。 (付)本書は1983年8月に角川書店から初出版され、1986年には同社が文庫化しました。その後、1992年祥伝社、1998年徳間文庫、2004年廣済堂文庫から再出版され、2014年に角川書店がkindle化しました。長く読み続けられている作品です。 | ||||
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「異型の白昼」「異型の深夜」に続く「異型の~」シリーズ三作目です。「異型の~」シリーズは、殺傷力を持つ拳銃を偶然にも手に入れてしまった者達が、拳銃を手に入れた事によって変化していく心の様子を描いた物語です。今まで劣等を感じていた相手に拳銃を使う事で抹殺出来るという優位性から自信を持ち始めていく人間の心理の変化の様を書いています。実際に、拳銃など手にした事が無いので、果たしてそうなのかは、勿論、分からないです。一作目の「異型の白昼」では、拳銃が人から人へと移っていく過程が少し堅苦しかったが、二作目の「異型の深夜」からは、そこの過程が無くなり、読み終わってみると、そうか拳銃を持っていたのかと思わせてくれるような構成に変わって、素直に楽しめる様になったと思います。他のシリーズと同様に五つの短編の連作になっています。どれも、拳銃は小道具に過ぎず、本当の主人公は、登場する人物です。このシリーズの面白いところは、キャラクターの異なった多数の人々が登場します。そして、彼ら彼女らたちの職業にスポットライトを正面からも裏面からも当てて鮮やかに浮かび上がらせているのです。第一章では、大手スーパーの後方担当課長の川地幸男。後方担当課とは、言い換えれば苦情係のことで、川地が、苦情に対応する姿がユニークに書かれています。とても重大な苦情から、客の思い違いによる苦情などの対応に右往左往する姿が楽しいです。こんな事が苦情になるのかと驚く様な事ばかりです。第二章は、東京都のゴミ清掃員たちの話。都民の生活を支える大切な仕事にも関わらず、彼らの家族は、知人に夫の、または、父親の職業を正直に言えなくて苦悩している。父親も家族の大黒柱として働きながら、職種が家族に屈託を与えてしまっている事に申し訳ない気持ちでいっぱいなのが分かり、やりきれない思いがします。第三章は、テレビの再会番組のプロデューサーの仕事にライトを当てた。大物政治家の初恋の相手を探し出し再会させるという企画なのだが、プロデューサーは、この政治家が大御所として成り上がる以前に邪魔になった恋人を殺して放火までしていた過去を暴き、生放送で放送してしまうのです。政治家の悪を書いたら、森村氏は日本一です。第四章は、一件の殺人事件から、有線放送業界のシステムを饒舌に物語っています。第五章では、高層ビルの窓をゴンドラに乗り清掃していた清掃員が、窓越しに殺人事件を目撃してしまう。清掃員たちの過酷な仕事ぶりを鮮やかに紹介しながら、清掃員が殺人事件を解決してしまうのです。捜査権のある警察機構を使わず、清掃員とホテルマンが結託して事件を解決してしまうのは巧妙でした。この様に、五様五変の楽しみが出来る一冊となっています。読み終わってから、自然と勇気が溢れてくるような作品です。 (付)本書は1983年8月に角川書店から初出版され、1986年には同社が文庫化しました。その後、1992年祥伝社、1998年徳間文庫、2004年廣済堂文庫から再出版され、2014年に角川書店がkindle化しました。長く読み続けられている作品です。 | ||||
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