生れながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。

ある日、少年の頭上でボールが割れた。

精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者/サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。

タイム・マシンを発明して、直前に起った出来事を眺める「笑うな」など、ユニークな発想とブラックユーモアのショートショート集。

ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

屈託のない笑顔で嘘をつく男。出会い系サイトで知り合った奇妙な女。

北から南へ、そして南から北へ。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

昭和初期を舞台に、双子の兄弟を襲う恐怖と悲劇とは……。

上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。

倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。

「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

犯罪という名の、人生の好機　　　　　　　大金入りのバッグの忘れ物を預かった男。暴力団への借金に苦しむ刑事。

母校から届いた高校同窓会名簿。両親から莫大な遺産を受け継いだ鳴沢はすぐさま比奈岡奏絵の項を開いた。

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。

「まだ誰にも、一度も喋ってへん話がある」 拭えども魍魎(あやかし)は肌に滑り憑く。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。

敗戦に志を折られた物理波矢多は、九州で炭坑夫となる道を選ぶ。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

悪党・八神俊彦は自らの生き方を改めるため、骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。

過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。

6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。

新妻恭子は妊娠5ケ月。夫を会社に送りだし、のんびり本を開く。

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。

1958年の夏。

盲目の美女ロザリンドとのロマンスを描いた表題作他、全十編の最新小説集。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

その物語は、人を殺す――。

妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。

他人の家とは何かが「ズレて」いる――。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。