破滅の箱 トクソウ事件ファイル(1)
- 霊能力 (32)
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破滅の箱 トクソウ事件ファイル(1)の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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西澤保彦さんの森奈津子シリーズに出てきた作家さんの本。ストーリーは途中まで読めばなんとなくラストがわかる様な感じだったが、各キャラクターが魅力的。しかも容姿描写で釣らず言動で萌えさせるところが良い。最近のミステリー小説はキャラクターを美男美女話にして読者を釣る傾向があるがああいうのが好きじゃない私にとっては好ましい作品だった。 | ||||
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これまた、マキノ徴のエンタメ精神がドッサリと詰め込まれた快作。金敷署生活保安課防犯係特殊相談対策室−通称:ダメなほうのトクソウ。この警察官の掃き溜めともいうべき署内の鼻つまみドコロである部署を主体に、続発する奇っ怪な事件を追い、巻き込まれしてゆくクログロとしたストーリー。警察小説、と呼ばれる類のものとはちょっと違うが、警察という組織をネタに、これまでになくリアルな、日常に潜む策謀のコワさがなんともウマく滲出されているのが特徴。ある意味「牧野式毒電波」がこれほどストーリーの形成上有効に使われているのも珍しく、ぶっ壊れた人間の怖さにとどまらず、それを成し得る「理論」の、決して新しいものではないはずのそれの箔づけにとてもウマく作用している。連作短編の形式でお話は進んでいくのだが、そもそも第1話目で主人公かと目された人物が「エェっ!」という事態になっちまうところからしてもう、ね。その「エェっ!」と引き込まれた段階で作者の勝利は決まったも同然で、あとは雪だるま式に興奮が膨らみ、ページをめくる手が止まらんくなります。その実あとがきで作者はその「難産」を告白してもいるんだけど、努力の跡は全編を通してのカタルシスへとしっかりと昇華されている。全二巻/二段組というヴォリュームに対する期待を見事に裏切らない快作。読み始めたら止まらぬこと必死なので、ハナから2巻を手元に置いとくのがよろしいかと思われます。 | ||||
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情報が急激に広がる時には、そこに、広い分野に散らばる数多くの人々と浅くつながる少数のキーパーソンが存在する。 今、社会学や経済学の分野で最も注目を浴びるこの理論を、「もし、そのキーパーソンが悪意を秘めていたら?」と仮定して展開したホラーミステリーです。 三人称一視点でもなく、神の視点でもなく、三人称で視点が唐突に入れ替わる記載法を取っているため、読み始めは混乱することと思います。 作家は元々不安定な筆力の人ではなく、おそらく今回の視点の混乱は意図的に設計されたものと思われます。結果、非常に不安な雰囲気を作成するのに役立つ他に、登場人物の内面を掘り下げる効果が得られています。 牧野さんは、個性的な人物造形にすぐれた作家ですが、その造形があまりに特殊であったため、今までの作品では、人物に感情移入しづらいという欠点がありました。 今回、人物の強烈な個性はそのままに、その心理が深く掘り下げられたため、各々の人物の異様な行動原理が、普通の人間にも納得のいく形で提示されています。とうてい理解しがたい人物が、奇妙なことに理解できるのです。 そうして立ち現れた個性的な人々が、各話毎に一人、表舞台から惜しげもなく消されていきます。もったいないというか、贅沢というか。 ことに、死んだ人物の幻を見る女性刑事が、その幻をけっして幽霊とは呼ばず死者と呼び、「死者には生前の時よりも二歩ほど親しみを感じて近づいていく」という描写の素晴らしさには、みぶるいしました。 けっして似た人物のいないだろう女性。だが、彼女のすさまじい孤独がまるで自分の物のように感じられて。 まさに、個性の陳列箱。どこまで手数があるのかと、ほんとうに感心しました。 | ||||
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舞台はいまのこの国にあってもおかしくない架空のある町。 主人公(集団)は「ダメなほうのトクソウ」警察内部にできた架空の組織。 章ごとに、ひとつずつ丁寧に描かれる事件のほとんどは、わたしたちが日頃ニュースで目にしては「ああ、また……」とため息をついてしまうあの手のものたち。虐待や、性犯罪など、弱いものは自分の感情の赴くままに餌食にしてしまってかまわないと考える(あるいは開きなおった)ひとたちを起因とする、悲しくも愚かしくおそろしいあの手の犯罪たちだ。 加害者と被害者と捜査するものが絡み合い、ひとつひとつの事件はしかるべきところにおさまっていくが、その都度、禍根が残り、謎が深まっていく。 どうやら、それには、ひとを確実に狂わせるある装置がかかわっているらしい。 牧野さんのいつもの世界同様、デンパなひと、正義のひと、老人、家族や家庭を失くしたひと(ホームレス)、やたら強くて美しい女性、などがあまた登場し、活躍する。だれは信じてよくて、だれはだめなのか、最後の最後までわからない。が……一見「ふつう」で小市民的にマジメなひとたちがいちばんコワイ、かもしれない。 『破壊』を読みおわるころにはまちがいなく加速度がついてページをめくりまくっているにちがいないので、『再生の箱』と二冊セットでお求めになることをおすすめする。 | ||||
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