晩年計画がはじまりました
- 首吊り (90)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する
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話が進んでいくうちにヒロインの茜の正論ぶりや真面目ぶりや頑張り屋ぶりが鼻についてくる上、小学校時代のイジメにおいてある意味いじめっ子よりもタチの悪い傍観者だったということが判明するせいか、ラストで彼女が殺される場面はむしろ爽快だった。 | ||||
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前半がおもしろかっただけに、後半の展開にはがっかりした。 福祉の仕事の報われなさ、理不尽な要求をしてくる客たち、孤独な老人。 ここら辺の描写はとても良く出来ていて、興味深い。 だが、肝心の晩年計画というのがどうしょうもない。 現実味が全くないし、ご都合過ぎる。 後書きによると震災以降 バッドエンドにするかどうかで悩んだそうだが こんな取ってつけたようなバッドエンドでは全然楽しめませんよ | ||||
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角川ホラー文庫書き下ろし作品です 怪奇現象は基本起こらず、サイコスリラー的な内容だった そういった作品のジャンル的な要素よりも、登場人物達が関わっている貧困やいじめの問題の方に目がいってしまった 「晩年計画」といった物語の核心よりも、その計画にすがりつくような状況に置かれた人間に目がいってしまう ある意味、現実逃避として小説を楽しんでいる部分があるので、現実の問題を扱った作品は個人的には少し不得手かも 「絶望圧」という理論をもっと追求してほしかった | ||||
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恐怖の大王・牧野修が角川ホラー文庫からドロップした真っ黒な物語。イヤだな見たくないな触らずにおきたいなというドン底な人間の暗部を描写させたならもう、この作者の右に出る者はない。しかもそれが「うわぁ…」と顔を覆った手指の間からチラりと覗き確認してみずにはいられない魅力を持っているところもね。 福祉事務所でケースワーカーとして働く茜の周囲で、連続する変死や怪死。そしてその現場に見え隠れする「晩年計画」という謎のフレーズ。やがてそのドス黒い悪意は真綿で首を絞めるようにジワジワと茜自身へ迫ってくる、、、 というストーリーの核としてはそんなところなのだけども、その根源に渦巻く絶望感や悪意の厭感が半端ない。生活保護受給の現場を通して描かれる、金を失い身体を壊し心を病んだ人々が放射する強烈な負のスパイラル。そこに渦巻く怨嗟や妬み嫉み憎しみ怒りそして絶望に、気弱な心は簡単に焼き切れてしまいそうになる。こうした福祉関係を扱ったホラーとしては99年刊行の"スイート・リトル・ベイビー"なんかも思い浮かぶけど、今作ではそこにあったような「超常的な」存在は登場せず、あくまでも人そのものの心に巣食ったリアルな悪意が全体を動かしていく。このなんともやり切れない理不尽さよ! 物語は終盤に入ると意外なドライブ感をもって加速する。それはある意味アメリカンなモダン・ホラーの王道のようにも映るのだが、実は読んでいる最中は突如として奇妙なまでの型へと落ち着く展開や、同じく「ん?キャラクター変わった?」と思ってしまうような主人公の言動に若干の違和感も覚えたのだが、巻末の作者あとがきを読んでそれも腑に落ちた。本作は3月11日の震災を挟んで執筆されている。ホラーで和もう、と言われると一瞬不思議な感じもするけれど、なんだか自分を取り巻く全てが不安定なものになってしまったように思えるあの日以降、こういった「王道」の存在がもたらすココロの安定作用というのは、想像以上にデカイ。そんな、ここに込められた牧野修という人の思いに触れて、もうますますこの人のことが好きになってしまったのでした。数ある牧野作品の中で「傑作」に位置するものではないけれども、それでもぜひ、たくさんの人に読んでみらいたいなーと思った一冊。 | ||||
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