黒面の狐



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初公開日(参考)2016年09月
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長編小説

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黒面の狐 (文春文庫)

2019年03月08日 黒面の狐 (文春文庫)

敗戦に志を折られた物理波矢多は、九州で炭坑夫となる道を選ぶ。意気投合して共に働く美青年・合里光範もまた、朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に罪悪感を負っていた。親交を深める二人だが、相次ぐ変死体と“黒い狐面の女”の出現で炭鉱は恐怖に覆われる。ホラーミステリーの名手、新シリーズ開幕!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.75pt

黒面の狐の総合評価:6.89/10点レビュー 19件。Bランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

敗戦 そして九州の炭鉱へ


 満州の地の最高学府、建国大学を出自としながら敗戦のショックにより地方を放浪する物理波矢多。九州にて炭鉱夫になる道を選んだ彼の前に現れた合里光範。自身と重なる部分の多い合里を中心に物理は炭鉱内での交友を深めていく。しかし鉱山内での爆破事故を契機に炭鉱夫たちは恐怖に見舞われる。事故と同時に行われた密室殺人、そこには炭鉱関係者のおそれる黒い狐のお面の人物がいたという・・・。

 元々刀城言耶シリーズの一作として考案されたということで事件解決への流れは非常に似ている。終盤の三転四転する推理のインパクトは抜群です。そして終戦の時代背景と炭鉱という社会をミステリー内に取り入れた歴史ミステリとしても非常に興味深い内容になっている。どうやらシリーズとしては各地を漂泊する物理がその場所での風土とともに不可思議な事件を解決していくというものらしい。また面白い探偵を見つけてしまった。さぁ次は灯台だ。
 
 

りーり
9EDFH0HC
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

過酷な労働環境が印象的な良質ミステリー

今、日韓の間で問題になっている徴用工問題。戦時下で炭鉱夫として従事させられていた労働者をテーマにしたミステリーです。炭坑でお弁当を食べていると白ごはんが、みるみる黒くなり、ふりかけをかけたようになるという程、過酷な労働環境。さて肝心のミステリーは、終盤の謎解きでは刀城言耶ばりに二転三転させる三津田ワールドは健在。オカルト的な謎は謎として残しつつも、犯人の意外性、また最後の1ページまで楽しめる仕掛けなど、見どころたっぷりの良質ミステリーでした。

タッキー
KURC2DIQ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ほぼミステリー

いつも三津田さんの本を読むときは、あらゆる現象の原因が得体の知れないモノか生身の人間か。もしくはその両方か。思い込みや先入観をなるべく持たないように努めながら読んでいる。
読み終わってみると、かなりミステリに偏っていた。
ホラーを期待していたとしたら、退屈してしまうかもしれない。ただ話の端々に怪談の匂いをきちんと残していて、今後三津田さんが書かれる違う作品でこの炭鉱で起こった出来事が顔を出しそうだと思った。
ミステリとして謎解きもスッキリするし、主人公とある人物に芽生えた絆みたいなものが最後まで感じられていたのも凄く良い。
そして炭鉱の仕事内容や当時の事情は全く知識がなかったが、分かりにくさはなく寧ろ色々知ることができて勉強になった。
読みごたえがかなりある。


まめ
8SLBJC0D
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

「黒面の狐」の感想

刀城言耶シリーズのような、ホラーとミステリの融合なのかと思いながら読んでいきましたが、本格ミステリでした。
主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)が、探偵とワトソン役(物語の語り部)の両方を演じているので、推理の筋道がわかりやすく、一緒に謎解きを楽しめました。

戦後すぐの炭鉱を舞台にした話なのですが、戦中・戦後における、日本と朝鮮との関わりが、作者の視点で書かれおり、その点でも興味を持って読みました。
読まれる人によっては、作者の視点に異を唱える人も居るのではないかとは思いますが、私はほぼその通りだと思いながら読みました。

戦争中に、朝鮮人が日本の炭鉱という閉鎖的な場所で、どういう扱いをされていたのか、そしてそのことが、この本の舞台である炭鉱で起きた連続殺人に、どう繋がって行くのか・・・。
最後には、ちょっと驚きの結末が待って居て、息もつかせないまま読了しました。

最終章で、物理波矢多が犯人を指摘するところは、推理が二転三転するという、刀城言耶を主人公とするシリーズでよく見られるパターンと同じでしたので、それなりに楽しめました。
連続殺人が起こり、密室が登場し、もう一つ、良くミステリで登場するトリックが使われ、最後にはどんでん返しが・・・となれば、面白く無いはずがありません。

トラ
WFY887SY
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.15:
(5pt)

読み応えある推理小説です。

読み始めは昭和の炭鉱やそれを中心とした話と思いましたが、しっかり推理がメインでした。
飽きる事なく読めました。
黒面の狐Amazon書評・レビュー:黒面の狐より
4163905200
No.14:
(2pt)

多大な問題があります

炭鉱という世界観を扱ったことは良いです。
しかし、その他は多大な問題があります。
・戦争について、日本を悪、韓国を正義との前提で物語が進む。
・トリックが古典的であるうえ、実現不可能なものとなっている。
・伏線の回収ができていない。
黒面の狐Amazon書評・レビュー:黒面の狐より
4163905200
No.13:
(4pt)

主人公は「人のうらみを めじるしに」「ひとり地獄をさまよう」のだろうか。

以前、同じ著者の『幽女の如き怨むもの』についてのレビューで、私は次のように書いた。
「小説の探偵役が、事件の謎を解き犯人を指摘し、その結果犯人が逮捕され極刑に処されたとしても、事件の被害者側の怨みや憎しみが消えないのであれば、事件は"解決”したことにはならない。
人の心の中の、怨みや憎しみまでは、解決できないのだ。
そして、その怨みや憎しみこそが”怪異"を生み出すのだとしたら・・・、刀城言耶は、これまでも何も解決できていないことになってしまう。」
同じことが、こちらの新シリーズにも当てはまると思う。
この作品でも探偵役の行動を通じて、炭鉱労働者の間で一種の怪異譚として語られている”黒面の狐”なる存在が、どのような”怨み”によって生み出されたのかを、丹念に描いているからだ。
主人公はが結末において炭鉱町を去り、別の仕事を探さねばならなくなるのも、事件は解決できても”怨み”は解決できず、その”怨み”の残る場所には居られないから、と解釈できる。
おそらく作者は、昭和の炭鉱町を具体的にイメージできない世代の読者を想定したため、炭鉱関連の説明が長くなってしまっている。これはやむを得まい。
たとえば映画『空の大怪獣ラドン』などを観れば、昭和31年当時の北九州で実際にロケ撮影されているため、「坑口」「坑道」「炭車」「人車」「炭住」などのイメージはすぐにつかめるが、そうした映画すら見たことのない人の方が、今や多いのだ。
結果的に、説明されているような安普請の「炭住」を舞台にした密室トリックなら、多分アレとかアレに似ているだろうという先行作品をすぐに思いついてしまう。
また実際、その通りの展開なのだが、作者も密室状況の解明ではないところに解決の重点を置いているので、欠点とまでは言えない。
社会的背景を活かしつつ、伏線をきちんと回収し、怪異を生み出すことになる”怨み”すなわち動機に説得力をもたせた手際は、本格ミステリとして十分と評価するべきであろう。
九州の炭鉱町や炭鉱での大事故を社会的背景とした推理小説には、社会派の巨匠と言われた水上勉の『死の流域』があり、また南部樹未子の『閉ざされた旅』は本格ミステリとは言えないものの、北海道の炭鉱町を背景とする事件を描いた力作であった。
しかし、そうした過去の作品は社会派の力作ではあっても、ミステリの謎解きとしては物足りなかった。
それを思えば、本書は本格ミステリとして十分に読ませる。
作品中に、炭鉱を描いた戦前の探偵小説として大阪圭吉の短編「坑鬼」が紹介されている。
先ごろ刊行されたシリーズ二作目は、大阪圭吉で言えば「灯台鬼」に相当するのであろう。
ならば三作目は「とむらい機関車」か、はたまた「動かぬ鯨群」か。
なお、事件が始まるまでがやや長いせいか、文庫版にはプロローグとして「ある老炭鉱夫の話」を付け加え、”黒面の狐”の登場を期待させる効果を出している。
黒面の狐Amazon書評・レビュー:黒面の狐より
4163905200
No.12:
(3pt)

ミステリ

ホラー要素はほとんどなく、あくまでミステリです。
結構早い段階で犯人がわかってしまうので、ハラハラ感はないかも。
けしてつまらない訳ではありませんが、ちょっととっつきにくい内容かな。。
炭鉱に関する説明だったりがとにかく多いです。
そんなに詳しく炭鉱について書かなくても…と感じる程。
三津田ファンでも評価が分かれる作品なのではと思います。
黒面の狐Amazon書評・レビュー:黒面の狐より
4163905200
No.11:
(4pt)

新ジャンル ホラーミステリーか

朝の連続ドラマ「あさがくる」であつかわれた「炭鉱」を思い描きながら読みました。
当然、この本の方が「炭鉱(ヤマ)」についてくわしく、リアルで苛烈な描写です。
朝鮮人強制連行や強制労働についても学べますし、なんといっても「戦後の混乱期ミステリー兼迷信と因襲ホラー」といったところでしょうか。
主人公が「物理波矢多 もとろいはやた」という読みにくいが「科学的な頭脳と感性を持つ名探偵」らしい名前なのが興味深いです。
シリーズ化を企画しているのでしょうか?
小さなどんでん返しや「密室殺人」をもりこんで、あきさせません。
黒面の狐Amazon書評・レビュー:黒面の狐より
4163905200



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